QED 東照宮の怨:高田崇史:上には上がいるのですね

「QED 東照宮の怨」(77/2022年)

ホームズの次は建造物かよ、と思ったらメインテーマは「三十六歌仙絵」でした。でも、ご安心ください、東照宮トリビアにあふれています。すぐに行きたくなりました、日光に。
そして、あの、「ニッコー、ケッコー」(大和観光~でしたっけ?)までも繰り出してくるとは、QEDシリーズ、侮れません。

いつもと同じく、連続殺人事件と並行して歴史謎解きは進みます。今回は「三十六歌仙絵」の盗難と殺人がリンクしているので、今までよりも2つのラインは近いかもしれません。美術品の哀しい運命、金持ちの手によってバラバラに殺害された絵巻物、36分割したくなる気持ちも分かりますが、残念ですね。

さらにスーパースター、徳川家康も登場するので、今までの中では一番豪華絢爛。徳川家vs天皇チームの激しいバトルの歴史を学びました。そして、そのバトルのおかげで明治維新で潰されることなく生き延びた東照宮、素敵です。
それにしても、維新の際の薩長土肥にはムカつきますね。彼らがいなければダメだったかもしれませんが、彼らがいなければ第二次世界大戦は無かったかもしれないとか思ってしまいます。

しかし、本作品では、徳川、天皇をも超える、実に巧みに立ち回ったスーパーサイヤ人みたいな人の存在を暴きます。これぞ歴史小説の醍醐味、ファンタジー。いや、こっちが現実なのかもしれません。

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