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QED 竜馬暗殺:高田崇史:坂本龍馬、嫌いなんですが、読みましたよ

「QED 竜馬暗殺」(88/2022年)

坂本龍馬、嫌いなんですよね。というか明治維新の「勝ち組」に対しては総じてネガティブな感情を持っています。なので明治維新の歴史モノは自ら進んでは読まないのですが、今回はシリーズということで、読みました。
で、改めて当時の歴史的背景や、政治勢力、藩、個人の動き、そして世間の趨勢を学びました。ほんの少し前の話なんですよね。あの260年続いた江戸が壊れていく、いや再構築されていくと言った方が正しいかもしれない。

事件は高知の滅びゆく山奥の寒村で起きました。嵐で道路が封鎖された中での連続殺人事件です。そもそも高知に来た理由に竜馬観光も入っていたので、殺人事件の進行と並行して竜馬暗殺の犯人探しも進みます。
本作品は、今までのどの作品よりも歴史の謎解きと殺人事件の解決の関連性は薄いかもしれませんが、現代の方の動機のところでガッツリと問いかけてきます。
もちろん、なぜ、誰が、竜馬を殺したのかが大きなテーマなのですが、個人的には竜馬は嫌いなので、暗殺側の意向に納得したりして。
この切り口以外にも、フリーメーソンとかの陰謀説もあるのでしょう。でも、私は、この実にドメスティックな感じが腑に落ちたかもしれません。

それにしても明治維新とは不思議な事件ですよね。流れた血も少ないし、市民レベルでの盛り上がりに欠けるし。
いや、待てよ、歴史は勝者が作るモノ。実は、本当の明治維新は全く違ったスタイルだったのかもとか、妄想すると楽しいかも。


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