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QED 神器封殺:高田崇史:美しき日本地図と頼もしき新キャラ

「QED 神器封殺」(99/2022年)

まさかの新キャラ登場、御名形史紋さん。主人公のタタルさんのおかげで、御名形さんが非常に頼もしく感じます、ユーモアもあるし、人と人とのコミュニケーションにも配慮しているし、御名形さんにはタタルさんを一度「叩きのめして」ほしい感じです(笑)。変人も、一人だと暴走が痛々しいだけですが、二人いるとそれなりにラリーが続いて見ている方も安心しますね。

さて、前回の熊野の旅の続きなんです、舞台を和歌山に移して。そして殺人事件も連続してちゃんと起こります。そしてテーマはみんな大好き「三種の神器」です。更に、歴史ミステリ好きの大好物、地図の仕掛けがこれでもか!というくらいに連発されます。
作品にも書かれていますが、昔の人の知恵、技術は想像以上に進んでいたという認識を忘れてはいけませんね。全てにおいて現在の方が優れていると私たちは誤解しているのです。この煩雑な世の中で忘れてしまった「野生」の力とか、地道な「人の手」による積み重ねの力とか。今よりも優れていることが多々あったという前提で歴史を見るのも大切かと。

新キャラと地図の大ネタを出したところでQEDシリーズも流れが変わっていきそうな予感です。まだまだ楽しめるな。

書籍はなんと「袋とじ」仕様だったのですね。電子書籍だとそういうギミックが楽しめないのが残念です、これも昔の方が優れている点の一つかと。


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