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出版禁止:長江俊和:文庫の帯が気になって読んでいなかった作品です

「出版禁止」(92/2022年)

最近の文庫の帯、あまり好きじゃないんですよね。そもそも「表4」のあらすじも読みたくない派なので。何も知らずに読みたい。タイトルに裏切られるくらいがちょうど良いと思っているので、本作品もずっと未読だったのですが、遂にkindle読み放題に登場ということで読みました。

以後、ネタバレしないように書きますね。
とあるライターが書いた、最終的に出版禁止になってしまったノンフィクションを紹介するスタイルになっています。有名映像作家、監督が自分の女性秘書と心中を図り、自分だけ死んでしまった事件。その生き残った元女性秘書に対する取材OKが出たところから、そのノンフィクション作品はスタートします。
心中の真の理由は何か。そもそも監督と心中がどうも結びつかない。監督の表層部分だけしか見ずに、単純に誤解していただけなのか。いや、心中じゃなく「殺人」だったのではないか。もしかしたら「暗殺」かもしれない。
ライターは様々なことを考えながら、死ねなかった女性にアプローチしていくのです。

で、当然、予想外の展開が待っています。
個人的には、全く予想していない風景がそこにはありました。え、その方向なんだ、という驚きです。もっと超絶ミステリ的な流れだと勝手に思ってましたから。
帯にミスリードされたのですね。作家ではなく、出版社、編集者にミスリードされた気がして、正直悔しいです。古い読者なので、やはり作家の生み出す世界の中で弄ばれたいのです。もちろん、素晴らしい編集者がいるからこそ素敵な作品が生まれるので、作品は全て作家のものだとは思っていませんが、、、

うーむ、悩ましいなあ~。でも、それも読書の醍醐味なんです!


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