ブルックリン・フォリーズ:ポール・オースター:この静かなラストに…

「ブルックリン・フォリーズ」(074/2020年)

読書は楽しいね。前に読んだのは戦国時代の城獲り物語、そして今回はニューヨークのちょっと不思議な家族のお話を楽しめる。戦国時代同様に、ブルックリンには行ったことがありませんし、隣のマンハッタンに行ったのも25年前の話。行ったことない、見たことのない世界に文字の世界にDiveする快感、みんなに味わって欲しいな。

主人公、ネイサンは余命僅かを宣告され死に場所としてブルックリンを選んだ。ちょっと皮肉屋だけど基本的に良い人、ネイサン。彼が近くの古本屋で甥に再開したことから、死を前にして避けがちだった、家族や地域の人たちと接点が増え、日常が騒がしく、そして刺激的になっていく。

他愛のない話が、いつのまにか、さりげなくドラマチックになっていく様は凄いです。緊張感を感じさせない世界が、気が付けば大変なことになっている。お洒落というか、オトナというか、ハイクオリティというか。ポール・オースター、そして訳の柴田元幸に感謝です。

そして、この静かなラストに、心は揺さぶられまくります、ちょっと呆然とするくらいに。。。


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