さらばスペインの日日:逢坂剛:本当にさらばですね
「さらばスペインの日日 上・下」(54,55/2022年)
自分の読書メモを見返すと、間違えて2005年10月に、先に第2弾「遠ざかる祖国」を読んでしまい、慌てて2005年12月にスタート作品である「イベリアの雷鳴」を読んでます。
その後、2007年1月「燃える蜃気楼」、2009年2月「暗い国境線」、また順番を間違えて、2013年11月に「暗殺者の森」を読んでから、2014年1月に「鎖された海峡」に戻ってました。シリーズもので2回も順番を間違えるなんて、お恥ずかしい。でも史実に基づく歴史ものだから、逆算読書も可能なので…ということでww
そして本作品は2016年9月に文庫化されていたのですが、なぜかキャッチアップ出来ずに今に至りました。個人的には8年越しのシリーズ最終回です。ありがとうスペイン。
そして、なんとその間に、リアルのマドリードとバルセロナに行ってきました、コロナ禍前の2019年秋に。その時に現地で読めば良いものを!でも良いのです、今回、実際に訪れた場所が作品に出てくると、何とも言えない気持ちになりましたから、もう一度行きたいよ、プエルタデルソル。
さて、本作品は1944~1946年、第二次世界大戦の終戦を挟んだ時期の物語です。スペイン、ヨーロッパ、外国から見た日本の状況が描かれています。なんでこんな無理な戦いを仕掛けたのだろうか。当時でも反対派の人たちがたくさんいたことでしょう。その虚しさは相当のものだったに違いありません。
そしてもう一つ、キム・フィルビーの物語も痺れます。歴史に残るスパイはただものではなかったのですね…
1940年からスタートしたイベリアの物語も終わってしまいました。さらばスペイン。そして、愚かな戦争は本当に避けたいものです。戦争、反対、間違いない。長い目でみたら、あんなに効率の悪い施策はありませんから。でも、人は愚かな生き物で、余裕がなくなると、何をするか分からないってことです。気を付けましょう、本当に。本当に。
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