読感:綴られる愛人:井上荒野:ばれ無し
年間、文庫本で、小説ばかり、約150冊を読み続けているGGが、読んで気になる作品の感想を書いてます
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「綴られる愛人」
サスペンスです
ストーリーは、正直、よくあるかもしれませんが、そこが本書の肝ではないです。ミステリを期待している人向けではないでしょう
何が凄いか
本作品、「文通」が巻き起こす事件です
手書きの手紙を書いているうちに、手紙の世界にどんどん引きずり込まれていく過程は、メルヘンでもあり、ホラーでもあり
その手書きの手紙を読んでいるうちに、手紙にパワーに支配され、どんどん暴走していく読み手の狂気。今は「手書き」という手法に、より惑わされてしまうのかもしれません。ある意味、今っぽい小説でもあります。
読み手も、手書きの文字に過剰な反応をし、その返信を手で書くという作業の中で、より気持ちが昂る・・・この繰り返しのパワーをひしひしと感じます
久しぶりに手紙を書きたくなりますが、さて、誰に何を書けばよいのでしょうかね
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