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QED 竹取伝説:高田崇史:カルチャーは人を殺す、何度でも

「QED 竹取伝説」(87/2022年)

なぜ、「かぐや姫物語」ではなく「竹取物語」なのか、見事な証明にちょっと震えました。あの話のメインは竹じゃなくて月でしょ、姫でしょ。よくよく考えれば、竹って最初のかぐや姫登場シーンでフィーチャーされただけで、その後は活躍しないのになぜ?
その疑問、「竹」でなくてはならない理由が書かれています。

やはり政治は軍事力で決まるんですよね、強力な武器の存在が大事。今は「核」かもしれせん。昔は、やっぱ「鉄」なんですよね。
鉄の存在を明確に意識し始めたのは『もののけ姫』を見てからかもしれません。当時、歌舞伎町の地下にあった小さな映画館で、通路に座って深夜に観たのを覚えています。

今回も平安時代以前の差別社会、明確に分割して統治されていた世の中に、現代に起こった殺人事件の「動機」があるといっていいでしょう。それは耳に優しい単語で言えばカルチャーですかね。継承されてきたカルチャーの重みということに、今一度、向き合った方が良いかもしれません。
家族に、地域に、学校に、企業に、国家に、あらゆるコミュニティに薄い厚いの差はあれ、カルチャーは蓄積されているのです。

馬鹿みたいな動機ですが、当事者にとっては大事なカルチャーである、そういう事態に社会派どう対応していけば良いのでしょうか??

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