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労働の効率について検討する

※画像は内容と関係ありません。

コスパとかタイパとか言われるようになって久しい。そのせいか、できるだけ働かずに給料をもらうのがベストであるという話を聞くようになった。そういう場合もあるだろうけど、常にそうではない。従って、どのような働き方をするのが最も効率的であるのかを考えてみようと思う。

前提条件

あくまでも、今回はサラリーマンとして働いていく場合を想定する。従って、副業や投資といった概念は導入せずに議論を行う。できうる限りこれらの概念を後から拡張できるように一般化した理論を構築する事を目指す。

コスパの良い労働の定義

ここで、コスパが良い労働の定義を行う。

生涯賃金÷生涯労力=生涯労働効率 …(1式)
と定義し、この生涯労働効率が大きければ大きいほどコスパの良い労働であるとする。
つまり、生涯賃金をできるだけたくさんもらいつつできるだけ生涯労力を少なくする事がコスパの良い労働という事になる。
じゃあ、やっぱりできるだけ働かないのがいいんじゃないかとなってしまう。もう少し深掘りしてみよう。

生涯労働賃金と生涯労力

生涯労働賃金に対して、瞬時労働賃金(t)という関数を考えよう。瞬時労働賃金とはある時刻tにおけるその瞬間の賃金とする。まあ、時給とか月収、年収と考えてもらって差し支えない。新卒の時の給料と定年間際の給料は違うことから、このように考えてみる。
従って生涯賃金を瞬時労働賃金(t)の関係は
生涯労働賃金=∫[0→定年]瞬時労働賃金(t)dt …(2式)
と表現できる。あるいは
d生涯労働賃金/dt=瞬時労働賃金(t) …(3式)
と考えても良い。

また、同じように生涯労力に対して瞬時労力(t)も考える。しんどい仕事も有れば楽な仕事もある。しんどい仕事のときの瞬時労力(t)は大きくなり、楽な仕事の時は小さくなる。
生涯労力わを瞬時労力(t)で表現すると
生涯労力=∫[0→定年]瞬時労力(t)dt …(4式)
となり、(3式)と同様の考え方で
d生涯労力/dt=瞬時労力(t) …(5式)
となる。
ある時刻の労働効率を瞬時労働効率(t)とおくと、
瞬時労働効率(t)=瞬時労働賃金(t)÷瞬時労力(t)=d生涯労働効率/dt=(d生涯労働賃金/dt)÷(d生涯労力/dt) …(6式)と表現される。

つまり、今サボる事は瞬時労働効率をあげている事になる。賃金が一定のまま、サボり続ける事ができれば生涯労働効率も上がってゆくと言える。

瞬時労働賃金

賃金をあげても生涯労働効率が高まるという観点から、次に瞬時労働賃金(t)について考えてみる。
一般に、賃金は年齢と共に上がっていくが、それは時間に応じて成果が積み上がって行くためであると考えられる。今まで自分の努力で積み重ねたスキルも、この成果に含むと考えても良い。
また、その時の経済状況や所属する業界や組織、職種により左右される。パラメータが多すぎるのでこの辺りを全てまとめて運とする。
つまり、瞬時労働賃金は下記のように考えられる
瞬時労働賃金(t)=成果+運+最低賃金 …(7式)
成果を出しても給料が上がらない場合は、成果を打ち消すように運が作用してくると考える。例えば、10万円の成果があっても-10万円の運が同時に生まれるというようなイメージだ。この運をもう少し色々なパラメータに分解すればさらに深掘りも可能であると考えるので、また時間がある時にやってみようとおもう。

成果

成果を挙げるためには必ず労力が必要となると言える。簡単に考えるために、労力をかければかけるほど成果が上がると考えると
成果=∫[0→t]瞬時労力(τ)dτ …(8式)となる。
本来は労力が必ずしも成果に結びつくわけではないので(8式)は正確では無い。瞬時成果効率(t)のような指標を用意しても良いかもしれない。
今回、成果は上がっても賃金が上がらないという考え方で、これらのパラメータは運の要素に組み込んでおく事にする。
従って、(7式)に(8式)を代入すると
瞬時労働賃金(t)=∫[0→t]瞬時労力(τ)dτ+運+最低賃金 …(9式)となる。

従って、労力をかければかけるほど生涯労働賃金も大きくなり、生涯労働効率が上がることとなる。

改めて生涯労働効率を考える

さて、ここまでで気づいていると思うが、(6式)ではサボれば生涯労働効率が上がり、(9式)では頑張れば生涯労働効率が上がるという事になっており両者は相反した関係にある事がわかる。
ほとんどの人は(6式)の状況だけで議論しておいるため、サボればサボるほど良いという主張に合理性があるように感じるが、労力に応じて給料が上がる可能性を考慮すれば必ずしもそうではないと言える事がわかるだろう。
ここで改めて(9式)を用いて生涯労働効率を考えてみると

生涯労働効率=∫[0→定年]瞬時労働賃金(t)dt ÷ ∫[0→定年]瞬時労力(t)dt
=∫[0→定年]{∫[0→t]瞬時労力(τ)dτ+運+最低賃金}dt ÷ ∫[0→定年]瞬時労力(t)dt …(10式)

と表現することができる。
ここで、運に全く左右されず労力が全て成果に結びつくと仮定すれば、頑張れば頑張るほどに生涯労働効率は上がるという事になるため、サボればサボるほど良いとは言えない。
しかし、一般的にこのような事はありえないので、ある程度バランスを考えながらなんとなくサボったりたまには頑張ったりすれば良いのだと考える。
また、企業においてはこの「運」という項目をどれだけうまく高められるか、分かりやすく伝えられるかというのが質の良い労働者を確保するという観点において重要となってくるとも言える。
頑張れば頑張るほど成果に直接結びつく事であったり、成果が賃金に結びつくというところを明確に示していけるようにする事が重要であると考えられる。

また、本記事においては入力可能なのがあくまでも自身の労力のみであるという前提で話を進めているわけだが、ここに資産(持ってるお金)や時間(副業的な意味)を投下できるというふうに考えていけばより詳細に個別のケースを検討できる理論にする事も可能であると考えられる。

私はコスパとかタイパとかはどうでもいいので、めんどうな時はサボり、やる気がある時には頑張って、やりたい事をやりたいようにやっていきたい思う。

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