月額課金とサブスクリプションの違い
ニュース、新聞、TV、どんなメディアを見ていても「サブスクリプション」というキーワードを聞かない日はありませんよね?そんな「サブスクリプション」についていつも聞かれることがあります。
サブスクリプションって月額課金ですよね?
答えはNoです。(誤解を防ぐために、デジタル時代のサブスクリプションと念の為付け加えておきます。)
では、
サブスクリプションって何?
と問われたら、回答としては、ビジネスモデルの変革
が1番適切な答えだと思っています。
それこそ、産業革命以降100年以上続いてきたプロダクト販売というビジネスではなく、新たなビジネスモデル、それがサブスクリプションです。
詳細は以下の図の通りで、
従来のプロダクト販売モデルの流れは・・・
・とにかく良いプロダクトを作る
・自分たちの持てるチャネル(直販、代理店、Webその他諸々)を最大限に活用し、とにかく沢山売る
・とにかく沢山ものを売ることがミッションであるため、エンドユーザが誰であるかは二の次
ということが多いのではないでしょうか。
もともと自分が物を作って自分で売っている時代であればエンドユーザは誰かわかっていたものの、拡大していくにつれて(経済の発展とともに)エンドユーザとのつながりが途切れてしまうということです。
一方サブスクリプションは・・・
・顧客起点で発想する
・双方向で動的な関係を築く
・ユーザは様々なチャネルを使い分けるので、全てで一貫したエクスペリエンスを提供する
ことが重要です。
双方向で動的な関係とは何か。
製品やサービスを世の中に提供→ユーザからフィードバックをもらう→フィードバックに対して製品やサービスをアップデートする。という関係を作り、今提供しているサービスが最終形ではなく、ニーズに対してバージョンアップを重ね、永遠のベータ版として価値の提供をし続ける
ということです。
エンドユーザとの途切れた繋がりが、テクノロジーによってまた繋がったとも言えますね。
では、本題です。
サブスクリプションと月額課金の違いとは!?
そもそもビジネスモデルが違うというのは上記のとおりですが、もう少し掘り下げてお話をします。
下図の左がプロダクト販売、右側が成功しているサブスクリプションのベストプラクティスです。
①プライシング
プロダクト販売の場合、原価に利益を乗せて価格を決定し、「一度決めた金額を変更することは悪である」といったような考えをお持ちの方も多いのではないでしょうか?
一方、サブスクリプションの場合は、ユーザの需要(デマンド)と使用量によって変動します。
例えば、月額1,000円のサービスを世に出して、なかなか売れ行きが良くない。なんてときは、サブスクリプションにおいては、
・800円にしちゃう
・1,000円だけど、機能を充実させてみる
・初月を無料にしてみる
などの試行錯誤をし、「このサービスならこの金額を払っても良い!という価格(=プライスポイント)」に対してアジャストし続けるというのがベストプラクティスです。→ユーザのニーズは常に変化し続けるので、そこに対してアジャスト“し続ける”ことが重要です。
月額課金とは・・・
プロダクト販売のプライシングの部分に月額課金と書いてありますが、ここについて少し例を交えてご説明します。
例えば、今みなさんが使っているPC。これを24万円で売ろうと計画し、2年(24ヶ月)で分割して課金しよう。24万円のPCを2年契約、月額1万円で提供しよう!(そして途中で金額の変更はできないし、機種変更もできなければ、解約もできないですという・・・)
この場合、考え方はプロダクト販売のままですよね?なので、「月額課金はサブスクリプションではない!」というタイトルの答えになります。
サブスクリプションは単なる課金方法の変更ではなく、ビジネスモデルの変革である。ということです。
②売上向上の手段
プロダクト販売の場合はとにかく沢山売る!!!ですが、サブスクリプションの場合は顧客とのリレーションシップを強化し、使い続けてもらうことが重要です。
③他社との差別化について
今までは、機能が良くて、安ければ他社と差別化して売ることができましたが、サブスクリプションの場合は「プライス/パッケージング」の最適化という手法によって差別化を行っていきます。
プライス/パッケージングの最適化だけでも何記事もかけそうなので、ここはまた次回書いていきます。
今後書きたいテーマ
プライス/パッケージング
Apple/Google税
顧客獲得
アップセル/クロスセル
チャーンの低減
サブスクリプションビジネスの8つの成長戦略(8 Growth Initiative)
その他ご要望あれば教えてください。
SaaSの営業×サブスクリプションの本質の正しい情報を書いていこうと思います! サポートいただけたら、リサーチ費用に充てたいと思います。 他にもHIPHOP好きな人と仲良くできると嬉しいです。