あるべき営業会議の姿を考察する
今日は営業会議にフォーカスを当て、
あるべき営業会議を考察していきます。
みなさん、ちゃんと営業会議できていますか?
僕は数百社の営業会議を今までに見てきましたが、良い営業会議を実施している会社はほぼ存在しません。
多くの会社の営業会議ってこんな感じじゃないですか?
・今月や今期の案件確認
・その案件は本当に取れるか念押しの確認
・金額と受注時期がズレないか確認
・数字が良くない人は居心地が悪い
こんなレベルの営業会議なら時間の無駄なのでやめましょう。
せっかく、営業メンバーを集めて、時間というコストを使って会議してるので意味のあるものにしましょう。
多くの営業会議は、営業マネージャである自分が報告を聞いて安心するために実施をしているのです。
ダメだったときは報告が甘いと他責にしていませんか?
あ、そんな営業会議をやっている会社って、営業のエースがいつもアポイントを理由に営業会議に来ないですよね。
それ、会議が無駄だと思っているので、正当に欠席する理由を作ってるだけです。
営業会議の目的
先日のnoteで、失敗しないSFAの導入と定着のキホンという内容を書きました。
この中で、アウトプットすることでSFAの真価を発揮させる
と書きましたが、これがそのまま営業会議の目的に繋がります。
特段、SFAはSalesforceに限らず、HubSpotやZOHOや、それこそエクセルでも何でもいいのです。
このアウトプットを使って、営業会議を実施するのです。
営業会議の目的とはなにか。
現状を全員で把握し、今後何をすべきか考えるのが営業会議です。
未来の行動を考えるのです。
案件の報告という、過去に行ったことの確認に主軸を置いてはいけません。
もう一度言います。
営業会議では未来の行動を考えるのです。
①現状の把握
正しい行動を考えるに当たっては、現状を把握するところからスタートします。
営業という仕事の性質上、絶対についてわまるのが、予算です。
ノルマ、目標という表現でも構いません。
まず、ここに対しての実績の現状を確認します。
具体的には、このようなグラフやダッシュボードを準備しましょう。
僕のとっても絵心満点なホワイトボードの描写ですが、こんな感じで良いと思います。
ここでポイント。
「今の予算達成率が75%でなんだ」という把握では、過去に行ったことの確認でしかありません。
大切なのは、未来の行動を考える。
となると・・・
予算は残り25%だ、この残りをどうやって作っていこうか。
という、未来を見据えた行動を考えることに意味があります。
②残りの予算を達成するための立ち位置把握
今回の前提は、
営業メンバーが4名、チームの予算が1億円とします。
現在の達成率が75%であれば、残り2,500万円の受注をするために、
今期に可能性のある案件一覧を確認します。
すると、現在、9,500万円の案件保有があるので、案件自体が足りていないわけではなさそうです。
では、各メンバーごとの実績を見てみましょう。
コレをみると、
トップセールスの山田さんは、すでに予算を達成、
更にまだまだ案件も沢山保有していることがわかります。
伊藤さん、田中さんも達成の可能性があります。
そして、鈴木さんは実績も少なく、保有している案件も少ないことが把握できます。
ですので、正しいマネジメントとしては、
「山田さん、あなたはエースなので、個人の予算は達成していることを承知の上で、もう少し積み上げできますか?」
「田中さん、伊藤さん、後少しで予算達成です。一緒に頑張りましょう。案件のMEDDICの確認や、同行も積極的にするのでアラートは早く挙げてくださいね。」
「鈴木さん、今は案件ないから無理にクロージングに走らずに、今は案件を創出する活動をしましょう。」
というコミュニケーションを行います。
ここで、多くの営業マネージャ(過去の私も含む)がやってしまう過ちが、
成果の出ていない鈴木さんに、
「今月、必死にXX円の売上を作ってきてください。」
という指示や、叱責をするということです。
これ、最悪なんです。
無い袖は振れません。今、無理に案件のクロージングに走るのではなく、案件を創る活動に注力すべきなのです。
そして、叱責をすると雰囲気悪くなります。
そして、まだこの鈴木さんを叱責するような材料は揃っていないのです。というより、叱責してはなりません。
ここまできたら、次に各営業ごとに活動をしっかりしているか確認をしていきましょう。
③活動の確認
ここで、ようやく営業の活動量の確認を行います。
ただ、ここでやってはいけないことが、活動量(訪問件数)だけにフォーカスするということ。
訪問件数に大きな意味はありません。
今回は以下のような活動状況を例に説明します。
まず、営業マネージャとしては、成果が上がっていない鈴木さんですが、しっかりと活動量を確保できていることにフォーカスし、
アクティブに動けている部分を評価しましょう。
しかし、エースである山田さんは、活動量が少ないのです。
ただし、山田さんはAランク、Bランクのお客様への活動にフォーカスしており、活動の質が高いこと把握できます。
すると、営業マネージャが行うべきマネジメントは、
「鈴木さん、一度、山田さんと1on1ミーティングを実施して、どうやって注力顧客に活動しているか聞いてみては?」
であったり、
「鈴木さん、もしかしたらプレゼンやデモが刺さっていないかもしれないし、エースの山田さんの商談に同席してみては?」
というマネジメントになるのです。
また、この活動の比率に関しては、
顧客ランクで表示しても良いですし、
・案件を創る活動
・案件を進める活動
といった比率で出しても良いと思います。
④個別の案件レビューはどーすんの?
多くの営業ミーティングでは、個別の案件の進捗と、取れるのか、取れないのかといった議論をすることが多くあると思います。
しかし、あえて言います。
営業ミーティングで個別の案件報告は要らない。
営業ミーティングは現状を把握し、未来の行動を示すリーダーシップのようなものです。
あくまで、全体として進める指針を示すのみ。
個別の案件報告はもっと細部まで実施する必要があり、時間もかかります。
これは、営業マネージャと営業担当の1on1で実行したほうが良いと思います。ここでは細部までMEDDICやプロセスの確認、抜け漏れ確認、リスクの排除まで徹底してやります。
しかし、これを営業会議でやってしまうと、他のメンバーが聞くだけの無駄な時間が発生します。
多くの営業組織がやってしまう過ちとは、
・営業会議(指針を決める)
・案件の進捗確認(Forecast)会議
この2つを混同してしまっていることにあります。
また、営業的にできていない人を槍玉にあげる叱責の場になることが多いのです。
これではダメです。
しっかりと、区別して実行しましょう。
そして、営業力を定義するとすれば、
・案件を作る力
・案件を進めてクロージングする力
この2つに究極は集約されます。
これを理解した上で、正しいマネジメントをしましょう!
⑤営業会議っているやるの?
名言します。これは月曜日のAMです。
月曜日のAMに実行し、今週どのような方針で動くのか指針を示す必要があるからです。
金曜日の夕方に実行していたら、絶対に月曜日の朝になったら忘れますから。
そして、月曜のAM以降に、順次、メンバーと1on1にて、案件の進捗(Forecast)ミーティングを実施すれば良いと思います。
これは僕の持論ですが、(月)のAM〜昼過ぎくらいまではガッツリ営業マネージャは社内に残っていたほうが良いです。
オープンデスクのような形で、いつでもメンバーが相談に来て良い場を作るのも非常に効果的だと思います。
おまけ:グラフ作るのメンドくさそう。
じつは、ここで紹介したグラフは、前回のnoteで紹介した、
跳び箱2段レベルの内容です。
・顧客ランクの設定
・活動履歴の入力
・案件情報の更新(受注時期、フェーズ、金額)
これさえやっていれば、上記のグラフや、もっと細かいグラフが作れます。
それこそ、SFAがなくとも、エクセルやスプレッドシートでもデキるレベルです。
逆に言えば、これだけでこのアウトプットがでます。
それでもまだ、もっと細かい管理項目作りますか?
まず、あるべき営業会議を作ってから、次のレベルに進むと良いと思います。
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