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90%以上の人が勘違いしている営業のノウハウを訂正します!

2019年も残り1ヶ月。
急激に寒くなりましたが皆様、いかがお過ごしですか?

今日は少し早いですが1年の振り返りと、
自分自身への自戒も含めて、
90%以上の人が勘違いしている営業ノウハウを訂正します!

特に、IT業界向けです。SaaSはど真ん中だと思います。
では、早速いきます〜。

①初回訪問時の提案資料

最近、僕が提案書テンプレートなるものを公開しました。

コレはコレで非常によく出来た提案書テンプレートだと自負しています。
しかし・・・
「このテンプレート使って初回訪問の提案資料作ってみます!」
「説明資料をこれで真似て作ってみます」
なんてお言葉を頂いたのですが、それはちょっと違います。

コレは、ある程度商談の段階が進んでいったタイミングで作る提案書です。

初回訪問であれば、別途、初回説明資料やディスカッション用の資料が必要になります。
なぜなら、初回の説明資料と提案書は全く別物で、利用用途がまったく異なるからです。

初回の説明資料の目的:サービスの価値を理解して頂く。
→多くはこの資料を元に、価値を知り、検討のキッカケが生まれます

提案書の目的:導入に必要な情報を提供する。
→商談期間を重ねる中で様々な情報を入手し、作成していく
→多くは上申資料の素材に使われます。

さぁ、どうでしょう。
初回から提案書を提示できるなんてエスパーか神様しかできないスゴ技だとご理解いただけましたでしょうか?

なので、初回訪問の提案資料は存在しません。説明資料なのです。

※初回訪問資料と提案書は全く異なるモノである!

②チームの平均受注率

チームの平均受注率を出してきて、
チーム全体持っている案件の金額を算出し、
それをかけ合わせて見込み金額を計算している方。

多分、意味ないです。

0とは言いませんが、そんなことに気を使う時間がもったいないです。

例えば、

・9億円の案件が1件
・100万円の案件が100件
・合計で10億円の案件


という状態において、

チームの平均受注率が30%だから、見込金額は3億円ですって計算はおかしいです。
9億円の案件が取れるか取れないかでほとんどの数字が変わってきます。

この例はあまりに極端な例ではありますが、
チームの平均受注率を気にするよりも、
個別の案件の中身の精度を気にしたほうが良いという話です。

また、それらの精度は、
BANTやMEDDIC,Salesforce流ならSSMと言われるフレームワークで表現されます。(後述します)

※チームの平均受注率に意味はなく、それよりも案件の精度が重要で、それらはBANTやMEDDICで表現される。

③営業組織の強化のKPIを中央値UPにする

図を見てもらえれば分かりますので、説明は割愛しますw
よく言う、2:8の法則(パレートの法則)です。

例えば、大企業で売上が長い間変わっていない会社であればこのKPIでも良いと思います。
しかし、絶賛成長中の日本のSaaSにおいて、中央値UPをKPIにするのって現状ではほぼ意味が無いことにお気づきいただければと思います。

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※日本のSaaSの営業力強化は、中央値UPよりトップライン向上に設定したほうが良い

④仮説をしっかり立てる

仮説をしっかり立てるのは重要です。

ですが・・・
何のために仮説を立てるか見失っている人が多い印象です。

具体的に、こんな経験ありませんか?

・10個くらい仮説を考えて持っていったら全ハズレして焦り散らかす
・仮説にYesと言ってもらうためちょっと強引な質問をする

これらは、経験が浅めの若手の営業さんや、インサイドセールスの方に多い印象です。
(実は僕も結構若いんですよw)

コレは仮説を当てに行こうとするがあまりやってしまう失敗あるあるです。

でも待ってください!
仮説って、所詮“仮”ですから。仮の説ですからね。
当てる必要はありません。

また、お客様の中期経営計画やHPから読み解いたところで、
社長、部長、課長、担当はもちろん、営業、経理、人事等、それぞれの立場で全然考えていること違いますからね。

じゃあ、仮説って何のために立てるの?
と言われたら、僕なら、
「お客様とディスカッションするための材料」
と答えます。

そう考えたら、絶対に当てに行く必要は無いし、
全く何も考えないのも準備不足だって理解いただけますでしょうか。

※仮説は、お客様とのディスカッションのための材料である。

⑤お客様と営業は対等

これは僕もそっくりそのまま同意見なのですが、
対等を履き違えている方が多いので気になります。

多くの経営者、特に創業者や創業メンバーの方は、何か強い思いを持って会社を創っています。
まず、そこへのリスペクトを持ちましょう。
表に裏に一本筋通そう。

それによって対等な関係が生まれます。

ただ、それらのリスペクトをすっ飛ばして上から目線で語る営業が増えてしまっています。
これは少々残念です。

お客様へのリスペクトがあれば、
顧客に理解させる」なんてフレーズは絶対に出てこないハズです。

※お客様と営業の関係は対等。ただし、前提としてリスペクトは必須。

⑥営業の仕事はフェーズを進めること

以前、私が書いたnoteで営業の仕事はフェーズを進めることと語っていました。

ただ、コレは半分正解で半分不正解なんです。
例えば、下の図の様な商談フェーズが設定されていた場合。

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こんなキレイに商談がスルスル進むなんてパターンは滅多に無いです。

特に、お客様の規模が大きく、案件規模が大きくなった場合は尚更です。
なので、エンタープライズ向けに営業をされる場合、フェーズにこだわる意味が段々と薄れてきます。

それよりも、案件の中身の精度が重要で、
それはBANTやMEDDICといったフレームワークで表現されます。
(Salesforce社内ではSelling Success Methodologyって言ってました)

※エンタープライズ向けの営業において、フェーズの重要性は高くなく、案件の中身の精度が重要になる

⑦キーマン

キーマンという表現ではまったくもって意味を成しません。
そのキーマンは、政治的に強いキーマンなのか、ビジネスサイドで強いのか、テクニカルで強いのか。
それとも、バックオフィスの手続きに強いのか。

最終意思決定者
最終意思決定者に影響力のある人
最終意思決定者に影響力のある人の情報に詳しい人

これ、全部キーマンになってしまいますよwww

なので、しっかりと、以下の粒度で抑えることが重要です。

・最終意思決定者=最終の決裁をする人や、会議体等
・Champion=自社サービスの導入に前向きで、最終意思決定者に対して影響力がある人
→この方と力をあわせて最終意思決定者を口説く
・Coach=自社サービスに前向きだが、影響力は無い人
→この方からChampionの情報を得る

更に、ChampionやCoachには、ビジネスサイドと技術サイドの2パターンがあり、ほかにも、反対者(Enemyと言う)まで把握しておく必要があります。
この反対者だってキーマンなんですよ?

※キーマンという粒度では何の意味もなさない

⑧BANTやMEDDICを抑えたら商談は獲得できる

さきほど、商談はフェーズの進みよりも、その中身のBANTやMEDDIC、SSMなどの抑えるべき項目を抑えて精度を上げるほうが重要と言いました。

だがしかし・・・
BANTやMEDDICを完璧に抑えるための前提条件が3つあること忘れてしまっていませんか?

・初回説明によって、サービスの価値をしっかりと理解いただいている。
・その上で、サービスの導入に前向きである。
・その方がChampionで、社内の状況を正しく把握している。

この状態でないと、BANTやMEDDICの正しい情報はヒアリングすることすら出来ません。

また、多くの営業ノウハウでは、上記3つの状態を「信頼の獲得」なんて表現していることが多いです。
これも粒度が甘いです。

Championに完璧な初回のプレゼンをすれば、信頼は獲得できます。
媚びへつらう必要ありません。
⑤で言ったとおり、お客様と営業は対等ですからね。

まとめると、
フェーズより、商談の精度(BANTやMEDDICが)大切。
商談の中身の精度を上げる前提は、Championに初回プレゼンを完璧に実施すること。
もっと初回プレゼン練習したほうが良いですよ〜。

※フェーズ<商談の精度<初回プレゼン<ターゲティング

⑧The Modelをエンタープライズに適用する

Salesforceが提唱するThe ModelというSaaS特有の分業モデルですが、
これはインバウンドで入ってくる中小、中堅企業の案件を効率的に捌くための概念です。

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基本的にこのThe Modelはインバウンドのリードを中心に対応をします。
そのため、エンタープライズ向けに適していませんし、
コレを考えた人もエンタープライズはここに入れない前提で作ってます。

このnoteの③でも語った2:8の法則の通りですが、
上位2割にあたる顧客は、ゴリゴリのアウトバウンドで獲得しています。
(もしくは、上流のコンサル会社とのアライアンス。)

一見効率の悪そうなアウトバウンドを何故するのかというと、
そのくらいポテンシャルがあるからです。
2:8の法則が物語っています。

※The Modelはエンタープライズ向けに使えない。
エンタープライズはアウトバウンドが重要になってくる。

⑨失注商談のリサイクルは有用

先程のThe Modelと関連して、失注商談のリサイクルをしよう!
なんていう提案をする方や企業もいるかと思いますが、
これは誤りです。

過去に失注しているということは、多くの場合、
⑦や⑧で語ったChampionや最終意思決定者にコンタクトできていません。

そんな失注商談をリサイクルしたところで、またいい結果が生まれることを想像できますでしょうか?

0とは言いませんが、圧倒的に効率が悪いです。

S社の一定以上の金額の商談を1週間かけ全件目検チェックした僕が言います。
失注商談のリサイクルは他の商談と比較して圧倒的に成約率が低いです。

コレは、多分、The Model及びインサイドセールスを訴求したい誰かがミスリードし、それが更に広まっていった結果だと思います。

本来は、
それらの失注情報を含めて、全てを貯めておくデータベースが必要です。
→それがCRMです。CRMを導入しましょう!
という営業トークなわけです。

いつの間にか魔法の杖的に語られてしまっているので、コレは早いうちに訂正を出したほうがいいです。

○インサイドセールスから供給される商談の3割が失注商談のリサイクル
☓売上の3割が失注商談のリサイクル

※失注商談のリサイクルは効率が悪い。No Champion No Deal!

⑩プロダクトセリングはダサい

いつからでしょうか。
プロダクトセリングという言葉を聞くと、一昔前の営業スタイルだって馬鹿にする風潮。

特にIT業界に従事される方なんかは、プロダクトセリング=古いイケてない営業を想像しがちだと思います。

僕は、
「サーバやパソコンの販売から、ERPなどのソフトウェア販売に転換をしていこう!」
→プロダクトセリングから、バリューセリングへの転換だ!!
という10年以上前の価値観を引きずっているように感じます。

ERPは複雑で、お客様の1社1社それぞれのニーズを把握し、
オーダーメイドで構築をしていくことが主流
でした。

そのため、バリューセリングの概念が必須でした。

ただ、更に時代は進みSaaSの時代になりました。

SaaSって個別開発をして、オーダーメイドな対応ってするんでしたっけ?
違いますよね。基本的にはカスタマイズをしない。
多くの企業のベストプラクティスの集合体をそのまま使う。

だとしたら・・・
SaaSって提供できる価値ってある種、固定化されるんではないでしょうか?

となると、SaaS自体の価値をストレートに訴求=プロダクトセリングが本来のあるべき姿なのではないでしょうか。

時代はまた一周し、バリューセリングからプロダクトセリングに戻ったのです。

※SaaSこそ、プロダクトセリングで訴求すべし!

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