これから絶対稼げるSaaSアドミンという仕事(市場動向編)
今までに僕は営業関連のnoteを多く書いてきました。
そして、多くの反響を頂き、2万人を超える多くの方にお目通しいただきました。本当にありがとうございます!
本来であれば自分の商売の秘密でもある営業テクニックを無料で公開してしまうなんて、軽くふっとばす既成概念といった感じで、もう暴挙極まりないのですが、なぜ公開するかと言うと、
「世の中でITを使う、買い手側の皆様の力になりたい!」
という切な思いがあります。
僕を含め、多くの営業は体系立てられた理論のもと、
なんとしてでも売ろうとしてくる訳です。
僕は「とにかく売ればいい」考え方が許せません。
日系にいたときも、外資にいたときも、ずーーーっと抱えていた違和感は、
「営業は売ることが正義」という考え方です。
「お前が言うんかい!!!」と、ごっつええ感じバリにツッコミが飛んでくるのを想像しつつも、本気で言っています。
しかしながら、営業の本質的な価値は、
「1分1秒でも早く、1円でも高く、確実に売る」ことですので、
とにかく売らないといけません。
(商品開発のフィードバックを!みたいな意見ももらいましたが、
「じゃあ売上0の営業でいいの?」って話です。あくまで副次的でしかない。)
ちなみに、僕が直近でお会いした、僕が優秀だとおもう営業20人強に
「お客さんにとって10万円でいいところ、自分の予算や会社の予算の都合で10万円以上で売ったことありますか?」
と質問したところ、100%で「ある」との回答がありました。
営業ってそういう仕事なんです。
ただ、僕は営業が一概に悪いとも考えていません。
それがミッションなのだから。
ただ、もっと売り手と買い手のより良い関係の構築方法はあると考えています。
そのための鍵は、顧客側が変わり、正しいモノサシを持つことだと考えています。
何が無駄で何が大切か、そのモノサシが真の解決策。
そして、正しいモノサシになる人がSaaSアドミンなのです。
はじめに:モノサシってどーゆーこと?
僕が解説をしてきた営業の理論というのは、IBM,HP,PTC,Salesforceといった海外のIT企業が確立をしていった手法です。
売り手側は強力な理論を持ち、
SAFやMAといった武器も持っています。
しかし、買い手側はどうでしょうか。
どういうIT投資が正解で、判断基準は何か。これは高いのか安いのか。
それを判断する正しいモノサシを持っていますか?
口コミサイトで本音がわかりますか?
そう、買い手側は正しいモノサシをほぼ持ち合わせていないのです。
インターネットの普及で買い手側もたくさんの情報を持っているとは言われるものの、多くはBtoCの話です。
そもそも、僕が公開していった営業手法の多くを、ほとんどの方が知らない時点で、売り手側のほうが圧倒的に武装をしている訳です。
武装した売り手に対して、丸腰の買い手が戦っていては勝負になりません。
だがしかし!!!!
そんな丸腰な状態の買い手企業に、正しいモノサシとなり、盾となる存在がいます。
それが、SaaSアドミンと言われる仕事です。
これからはアドミン全盛の時代が来ます。
しかも、情報システム部ではなく、
ビジネス部門にいるシステム管理者と言われいる方達です。
このSaaSアドミンは、エンジニアでもなく、
プログラミングのスキルが必要なわけでもありません。
しかし、これからのモノサシを作っていく立場にあたる人たちです。
モノサシを作る側の人間で、更に日本国内で希少性が高い。
その時点で稼げないわけ無いのですが、
SaaSアドミンがなぜ必要なのかを、市場の動向から紐解いていきます。
①ITシステム「2025年の崖」
みなさん、経済産業省が発表しているDXレポートってご存知ですか?
ざっくりとまとめると、こんな感じです。
(弊社の資料の一部です!)
①レガシーシステム
→日本の会社の8割が時代遅れのシステムを使っている!!
そして、これがDXの足かせになっている。
レガシーシステムには、エクセル、アクセス、IEベースのWebの仕組みとか、そういうものも含まれる。
②IT投資ミスりまくり!!
→日本のIT投資の9割(24兆円)が、その場しのぎ対応をした結果、
長期的には保守とか運用で逆にめっちゃお金がかかってるってこと。
③とにかく人が足りてない!!
→昔ながらのITの事しか知らない老害だらけで、
今時のITに対応できる人が2025年に43万人も足りなくなるってこと。
①も②も、
僕の出自であるSIerの悪行三昧でしかありません。
申し訳ありません。
日本国内におけるクラウドの売上は2.5兆円
日本国内全体のIT投資は27兆円
ここから自ずと導き出されるのは、
国内IT投資の9割以上がクラウド以外ということ。
そして、日本のIT投資の9割が、
その場しのぎの投資となり、結果保守とか運用がめちゃめちゃ大変な状態になっているという事実。
③については、日本におけるIT人材というのが、
SIerさんの伝家の宝刀、「ウォーターフォール開発!」をする人たちで、
このご時世に、時代遅れの老害たちが抱えている既得権益は、年間で7兆円と言われています。
その一方、今時のAIやSaaS等の技術を「アジャイル」で開発できる人が足りていない。
それも、2025年に43万人も不足する。
というお話です。
やばすぎる。。。
だが、希望の光もあります。
ここの不足している穴を埋めるのが、SaaSアドミンの方々なのです。
余談:
僕が新卒で入った会社は「オフコンクラウド」というギャグみたいなサービス出してました。
そして、グループ全体の社長が「スーツは古い!!」って言ってたので、
最近、私服で訪問したら、相手方は全員スーツでした。
非常にギャグセンスの高い愉快な会社でした。
②部門最適化というチャンス
日本のITも完全に捨てたものではなく、チャンスもあります。
これが、部門最適化というトレンドです。
ざっくり説明すると、
・情報システム部のIT投資額が初めて右肩下がりになった
・営業や商品開発といった事業部門のIT投資が右肩上がり
・このまま行くと、IT部門との垣根がなくなる
というお話です。
これは非常に嬉しいニュースで、
5年に1度の基幹システム入れ替えを生業にする電算室()に巣食う老害が減り、
SaaSの普及によって事業部側でも積極的にIT投資をし始めた。
と僕は捉えています。
しかしながら、イマドキなIT人材は不足しています。
事業部門においては更に顕著で、今までIT導入プロジェクトに参加したことない方がほとんどです。
しかし、これからの時代にこの穴を埋めるのが、SaaSアドミンの方々なのです。
③日本の経営者のIT投資意識
これは中小企業庁が出しているデータなのですが、
とにかく日本の経営者が、IT投資に対して積極的ではない、重要視していないということです。
また、その中でもIT投資している内容・・・
2017年の日本は
・コスト削減
・保守切れの更新
などの守りの投資がメインとなっています。
一方、2013年のアメリカにおいては、
・ITによるサービス開発強化
・ITを活用したビジネスモデル変革
などの攻めの投資を行っているのです。
もうITに対する意識が違いすぎます。
2013年のアメリカはDXを意識した攻めのIT投資をしているのに、
2017年の日本は未だに老朽システムの保守更新をしている。
黒船に竹槍で勝負を挑んでいるのと同じ訳です。
本当にやばいんです。
そんな竹槍システムの電算室オジサン達のことを、
経営トップたちは会社の中核を担う重要な存在とは捉えていないようです。
直近のガートナーの調査においては、
9割の経営者が、IT部門はサポート部隊と答え、
そのうち4割は、IT部門の貢献度が高くないと考えています。
その一方、1割の経営者は、IT部門がビジネスのリード役と考えています。
なんとなく、これは僕の感覚的な言葉のニュアンスですが、
社内システムのお守りをする電算室長、情報システム部長ではなく、
会社のビジネスゴールを見据え戦略的なIT投資をする、
CIOやCDOと言われる人たちが指揮を取り、優秀なSaaSアドミンがいる企業が、この1割の企業なんだろうなと思っています。
ただ、残念ながら9割の企業は竹槍でしかありません。
なぜここまでに日本のIT活用レベルは竹槍レベルなのか。
その原因は日本の超特殊なIT業界の構造にあります。
④日本特有のIT業界の構造
これを見てもらったらすぐにわかっていただけると思います。
・IT人員の配置
→日本は75%が売り手側、アメリカは72%が買い手側にいる
→要するに、日本の企業はIT導入のモノサシが無い状態。
→自分たちでITを選んで自分たちで導入する力が無いということ。
・SIerとウォーターフォール
→スカイツリーが完成してもう何年も経つこのご時世に、
未だに東京タワーを作ったときの工法で新たなビルを作ろうとしているようなものです。おかしすぎる。
・パートナー販売
→そもそも、買い手側が正しい判断のモノサシがない状態で、
直販よりサービスの理解度が劣るパートナーや代理店が入って来るとなるとカオスでしかない。
もう、本当にカオス。
まず、日本はIT人材が売り手側にほとんどいる。
アメリカとはワケが違うんです。
しかし、売り手側はアメリカの企業が確立した素晴らしい営業手法を使い、巧みに販売をするわけです。
よく考えてください。
買い手の皆さんは本当に正しいモノサシを持っていますか?
営業の作り出したモノサシで判断をせまられていませんか?
自信をもってYesといえないなら、
やること明確、少しでも良くするこの生活って感じで、
買い手側が正しいモノサシを持ち、
自ら自立したIT活用をしていくべきなのです。
そして、それを推進するのがSaaSアドミンという仕事なのです。
今回のまとめ&次回予告
今回は市場動向やデータより、
このままの状態だと日本のITが本当にピンチである。
ただ、ピンチはチャンスで、SaaSの普及に伴いSaaSアドミンという仕事が正しいモノサシになれば状況を一変させられるかもしれない。
ということを書きました。
また、多くの日本国内のSaaSベンダーがもっといい製品を作り、もっと普及させてほしいと思う反面、
売り手側の効率化などの情報に飛びつき過ぎ感が強いので、SaaSアドミンのみなさんが正しいモノサシになり、売り手側と買い手側の関係をもっと中間に持っていってほしいと僕は思っています。
そして、SaaSアドミンという仕事がもっと普及すれば、
日本のIT業界の営業の9割くらいが不要になるとも考えています。
要するに、正しいモノサシがあれば、
ある程度シンプルなSaaSくらいなら営業に説明を聞かずとも自分達で選定し、導入、定着まで実行できるようになるという話です。
逆に生き残れる1割は、ある程度複雑なソリューションを高い金額で価値訴求できるスキルを持ち合わせた営業になるわけです。
つまり、SaaSアドミンが正しいモノサシとして機能すると、
業界構造をガラッと変えていけるポテンシャルがあるということです。
そのくらいポテンシャルのある仕事ですので、当然、これから稼ぎやすい仕事であることは間違いありません。
僕もSalesforceや、Zuoraでトータルで300社以上のアドミンとお会いしてきた中で、
・何をする仕事なのか
・どういう人が向いているか
・アドミンに必要なスキル
・僕が出会った優秀なアドミンの方の実例
という内容をまとめて標準化していますので、
コチラを紹介していこうと思います。
この内容を読んで頂くと、今回深く触れていない「なぜ稼げるのか」までご理解いただけると思います!
今回もお付き合いありがとうございました!
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