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外資IT“営業”から 日系SaaS“営業”という キャリアについて考察する 〜マインド編〜

先日のnoteの続編です。
外資ITの営業から、日系SaaSの営業というキャリアについて、
私の私見たっぷりに考察をしていきます。

前回のnoteで、提示年俸や、目に見える収入ではわからない、細かいリアルな給与事情を書いていますので、まだご覧になってない方はそちらをご覧くださいませ。

では、本日は外資IT営業の方々のマインド面に触れていこうと思います。

みんな何をモチベーションに働いているのか

まず、ここからスタートします。

言わずもがな、大多数の方はお金をモチベーションに働いています。
また、そこへの執着に関しても、非常に強い方が多いです。

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30歳で1000万!!といったレベルではなく、もっと高いレベルの収入に対して、非常に貪欲な方が多いです。

そのため、社内でお金の話も盛んに行われます。
大きな商談が決まった際には、
「おめでとう!次の給料いくらになるの?」
といった会話が当たり前のようにされています。

僕が日系企業にいた際に、ボーナスの査定がいくらだったかは、お互いに会話することがほとんど有りませんでしたが、外資の営業場合、びっくりするくらい、お金にオープンです。

また、採用時に関しても、
「私は沢山売って、○○歳で○○円稼ぎたいです!」と言った候補者に対して、高評価をする場合も多くあります。

そのくらい、お金に対する執着が強い人達が多いクラスターだと思ってもらえたら良いと思います。

もちろん、自己実現であったり、スキルアップをモチベーションにしている人もいらっしゃいますが、お金が脳内にまったく無いという方はいないと思われます。

今は誰も文句をつけないあるトップセールスは、
良いスーツ、いい時計でビシっと決めて、ビジネス街を肩で風を切って歩きたいと言っていましたw

僕の場合は、金銭的な理由で受ける制約を可能な限り減らしたい&モテたい。と、昇進試験で言った記憶がありますw

収入と生活水準について

ある程度収入が上がってくると、夢のような生活が・・・待っているわけでもなく、支出も増えていきます。

例えば、良いスーツ、良い靴、良い食事、住む家等・・・
少しずつ生活水準が上がっていきます。

また、そこである程度お金のかかる趣味を覚える方も多い印象があります。
時計、車など、そういった趣味にお金をかけ始めると、お金はいくらあっても足りません。

なので、もっと収入をあげよう!と考える外資営業の優秀層は多いかもしれません。

幸いに、僕は時計はApple Watchで、車に興味もなく、大幅に浪費する趣味がなかったので、収入が激減しても生活できるな・・・と思い、起業する決心が付きましたが、多くの方は、ある程度生活水準が上がっており、それを維持するための収入は確保したい。思っているでしょう。

また、ここの収入でのポイントは、
前回のnoteで書いた固定給部分ではなく、実収入レベルを担保したい。と考える方が多いと思われます。

ここが、外資IT営業の方々の考えとミスマッチが起きやすい部分の1つ目だと考えています。

年収=能力という勘違い

ここで、お金が好きな人が多いクラスターに属していると、
いわゆる、自分の市場価値≒年収と考える方が増えてきます。

実際に、成果報酬のため、高い成果を出していないと収入も増えないという前提があります。
ただ、僕はこれが大いなる勘違いの始まりだと思っています。

一般的に外資系企業の営業職の収入が高い理由は

・本国の給与水準及び文化的背景から決められている
・高い成果を求められる
・いつでもクビを切られる可能性がある

と言われていますが、
まず、成果が低いという理由でクビを切られることはほとんど有りません。
日本の労働法に則ると、なかなか会社都合の解雇を行うことはできません。

僕が思うに、給与水準が高い理由は、本国の給与水準及び文化的背景から給与が高いという要素が最も大きいと思っております。

しかし、年収≒市場価値と考えてしまうと、日系企業とギャップが発生します。

例えば、外資系で年収1000万円の人が、日系SaaS企業で年収500万円の人の2人分のワークをするか・・・
と聞かれると、そこには疑問符が付きます。

営業として、目に見える成果としての売上だけを見ると、倍以上かもしれません。

しかし、その倍以上の成果は営業の能力だけのものではないのです。(後述)

つまり、外資IT企業で、ようやく1000万円以上を稼ぐようになった方は、
ダニング=クルーガー効果で言うところの、1つ目の山を登っている真っ最中だと思うと良いかと思います。

(僕も過去には山の1つ目で壮大な勘違いをしていたことがあります。)

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つまり、この状態の方の自己評価による、
「外資の経験を活かして、日系SaaSに貢献します!!」
を信用しすぎると、期待値とのGAPやミスマッチが発生し、お互いの不幸な結末になる可能性が高いと思います。

営業力より会社力が大きい

過去に、日本進出をしている外資SaaS企業の創業時期と、日本進出時期、IPO時期をざっとまとめたことがあります。

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いかがでしょうか。
日本進出時には、9年程度の会社になっており、
更には、ほとんどの会社が本国でIPOをしているのです。

いくら、日本法人がスタートした段階とはいえ、
・IPOしている
・9年経過したSaaS企業

と考えると、グローバル展開済みの大企業なのです。

当然、資金力や、組織、なにより、強烈なプロダクト力を誇っているのです。
また、開発の方針は、基本的に本国のHQ主導です。

一方、日本のSaaSスタートアップは、製品は未完成。
そして、組織も構築中。
営業はただ売るだけではなく、お客様の声を製品開発に活かすことも求められます。

つまり、営業に求められる仕事が全く違うと言っても過言ではありません。

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ですので、売ることだけにフォーカスする営業マインドだと、日系SaaS企業から見てミスマッチが起きてしまう可能性が高いのです。

外資経験者に日系SaaS企業が求めること

ここは、私自身が外資ITの営業だったため、バイアスがあること承知の上で書きますが、日系SaaS企業が外資IT出身者の営業の求めることは、高い個人成果ではないはずですし、飛び抜けた営業力だけでは無いと思います。

外資の門外不出のテクニック、組織構築、製品力の裏側。
そして何より、販売戦略自体を構築し、チーム全体に展開する。
新たな風を組織に入れて欲しい。
そういった、個人のスキルだけではない、文化的な面を新しい多様性として取り入れたい。そういった思いを多くの企業が持っているのではないでしょうか?

で、結局、どんな人を採用したらいいのか?

完全に僕の主観ですが、
外資ITのマネージャー経験者はかなりマッチするとおもいます。

まず、第一に給与水準です。

これも数字のトリックなのですが、
プレイヤーのバケモノ層(前回のnoteを参照ください。)
と、マネージャーを比較すると、バケモノ層の方が遥かに給与が高いです。

前回ご紹介した達成率の比率から考えて、マネージャーが200%の達成率となることは極稀で、バケモノ層がチームに1人いたとしても、チームの達成率(マネージャ達成率)で考えるとそこまでの大幅達成には至りません。

なので、バケモノ層よりも、マネージャの方が現年収は少ないということが多いのです。
(OTE及び、固定給はマネージャーの方が高いですが・・・)

次に、チーム構築です。
いくら、チームプレーといえど、営業個人に課される最大のミッションは、自身の予算達成です。
どうしても、そこは切っても切れない部分です。

そのスタンスを大幅に変えない状態で、日系SaaSでいきなり活躍してくれ・・・と言われても、前述の通り、営業に求めるものが全く違うので、機能しないと思われます。

ただし、マネージャーにも落とし穴があります。

マネージャーが、チーム予算に対する考え方を誤っている場合、崩壊を招きます。

チームの全員が達成する→結果的に、自分が達成させてもらう
という順序が正しいのですが、
マネージャー自身が、
自分の予算を達成する→そのためにチームがある
という順序で思考をしていると、まず間違いなく破綻します。

この場合、営業マネージャーが行うこととして、チームマネジメントではなく、アツい案件を、営業代行する。という構造になってしまうことが多いです。

(外資マネージャーの予算は、チーム全員が60〜70%程度達成すれば、自身が100%という設定担っている場合が多いです。)

これは危険パターンです。

また、ポジションにこだわる人も危険です。
どんな組織でもそうだと思いますが、外資でも1度成果を出すと、マネジメントに配置され、その後は攻めの姿勢ではなく、守りに入る人も一定数存在します。

このような方は、かなり保守的になります・・・
詳細は伏せますが、気になる方は聞いてください。

なので、
ポジション→成果
ではなく
成果→ポジションに対するこだわり少
という方のほうがマッチすると思います。

極端にポジション及び給与を要求される方は、危険かもしれません。

で、そんな人いるの?

ということで、またもったいぶって、今回はここまでといたします。

続きも近日中に公開します!

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