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子供のために...が実はそうでもない話

会社でキッズDIY部スタッフ達と、
子供向けのワークショップで使う
子供たちが使いやすい道具を探していました。

子供が扱いやすくて、
使い勝手のいいものってどんなんだろう。

ワークショップを存分に楽しんでもらうには
道具は使いやすいものを準備しないと。

でも、それは、
私たち大人側の勝手な思い込みでした・・・

DIYの工具に『子供用』はない

DIY工具といえば
ものさし
巻き尺
のこぎり
ドライバードリル
サンドペーパー
かなづち
ドライバー
クランプ
あたりでしょうか?

他にも工具はたくさんありますが、
実は、日本には
子供用の工具ってないんです。

子供用のお料理ツールは
たくさんあるのにね。

「子供のDIY」
というマーケットがないから
当然といえば当然ですよね。

学校教育の中では
図工や技術科目として存在するものの
ツールを使うという観点からは
体験的なものでしかありません。

『子供用』がなければ
子供が使いやすいものを探そう
まずは、のこぎりから。

ということで、
取引先メーカー様や社内のDIYアドバイザーへ
ヒアリングしたりしていました。

子供の力でも
比較的ラクに木を切れる仕様のものや
のこぎりガイドを使う
等々

ただ、
スタッフの中でピンとくるものがない
という状態でした。

大人用の道具を使えばいいじゃない?

会社のオウンドメディアでもある
「いいものマガジン」編集会議でも
「子供が使う道具」について話題になりました。

いいものマガジンウェブ
DIYを通して自分らしい暮らしを楽しめるヒントを、DIY好きの方々と共有するためのコミュニティマガジン

そんな時、ライターさんがひと言

「大人用の道具を使えばいいんじゃないですか?」

子供たちが楽しいと思うかどうかは
道具じゃない

と。

この瞬間、
はっ!としました。

参加してくれる子供たちに
ワークショップを楽しんで欲しい
DIYっておもしろいな
って感じてほしい
というのが私たちの思いです。

道具の使いやすさは
もちろん作業性という点では重要ですが、
子供が楽しい、面白いと感じるのは
そこじゃない!

私たちキッズDIY部が整えるべきは
道具よりも、
子供が自由に創作に打ち込める環境
だったんだ!

そう、
私たちには、
ワークショップに参加してくれた子供たちに
DIYを好きになってほしいという
そもそもの願いがあるのです。

そのために、
まず、考えなければいけなかったのは
子供たちに楽しんでもらえる空間とは
どういうものなのか
ということ。

ワークショップで何を作り上げるか
というモノ中心の思考で、
本来のDIYを楽しむという思考
抜け落ちていました。

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子供たちがDIYを楽しめる環境とは?

子供たちが楽しくDIYするのに
道具は大して重要ではないことに
気付きました。

では、子供たちが楽しめる環境って
どんなんだろう?

そんな議論になったとき、
今度はデザイナーさんから
子供たちが自分で使いたい道具を選べたら
楽しいんじゃないか?
というアイデア。

確かに!

DIYの専門商社でもある私たちには
家庭にはないたくさんの種類の道具を
準備することができるのです。

その強みを活かし、
家にはない、
今まで使ったことのない道具を
様々試しながら使えたら、
子供たちに楽しんでもらえるかもしれません。

かつ、自分で選んで試行錯誤する
という学び
にもなります。

大人が選定して
与えられた道具を使うより、
たくさんの中から、
自分に合いそうな使いたい道具を
自分で選んで使ってみる体験ができるほうが
ワークショップを存分に楽しんでもらえそうです。

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さらに、子供が楽しめる環境について
過去のワークショプを振り返ると、
保護者付き添いの場合、
保護者である大人が、
子供に必要以上に干渉している光景が見られました。

子供のためにと思って
ワークショップに参加してくださる保護者の方は、
教育的意識の高い方が多いです。

でも、
「そこはこの色のほうがいいんじゃない?」
「もっとこうしたほうがいい」
なんて、大人は子供に
アドバイスしているつもりが
実は、
子供が自由に考えて作り上げるという
楽しみを奪っていたり。

子供が取り組むとなりで
大人が口出ししちゃうと
子供は楽しくないですよね・・・

通常であれば、
子供向けのワークショップは
お子様のみ参加していただくという形式です。

ただ、
コロナ禍でスタッフの人数が制限される中、
保護者付き添い参加を余儀なくされた結果
大人の過干渉により、
自分のペースで自由に作るという
ワークショップの楽しみが半減しちゃうときがあります。

開催側の私たちとしては、
保護者同伴の場合は、
子供にあれこれ口出しせず、
静かに見守ることこそが、
楽しみや学びにつながること
保護者の方に理解していただく働きかけも必要になります。


子供が効果的に学ぶのに
もっとも大切なのは環境設定。

「子供のため」のゴール設定を見誤ると
子供のためにならないんじゃないの?
と気付かされた一件でした。

最後まで
お読みくださり、
ありがとうございます!



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