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違うベクトルで世界観を作る:「○万円で作れますか?」#2
お盆は工房にて引きこもる「K組のひと」です、こんにちは。
一昨日書いたこれの続きです。今回は4つのポイントの内、2からです。
ひとことで言ってしまえば、、、
多くのお客様は家具の値段を知らないけど、じゃ家具の価格を決める要素って何かというと、、、
1.供給量
2.手間/工法
3.素材
4.ブランド/ストーリー
で、これ受給のアンマッチがありそうなんで「青い海」を探しにひとつひとつ見ていこう。
というわけで今日は上記2からの続きをというわけです。
2. 手間/工法:熟練工とは違うベクトルで勝負する
前回も言いましたが技術的難易度を極めた「工芸品というかアートとも呼べる域の作品」というのは家具職人が目指すゴールかもしれません。
でもお客様の中にはそっちを向いてない方も多くいます。
そして私たちは未経験ゼロからのスタート、副業でアラフィフでバツイチで男の子二人抱えて時間が無い。
だからそんなんでも勝負できる場を探しました。
そして私たちが出した答えは「エクボのある男前」(笑)
注:家具の話です。
今後これについては詳細に説明/深堀りする予定ですが、ひとまず今回としては違うベクトルで勝負するとうことが重要ってことです。
3. 素材:良い素材とは世界観を作れるもの
比較的小さなダイニングテーブル用の天板60cmx120cm(厚み約4cm)を調達するとします。
前回高級材の例に出したウォールナット。突板(合板表面にスライスしたものを貼っただけのもの)ではなく無垢材なら私の知る限り5万円は下りません。
一方でホームセンターで普通に売られているSPF材。2x4を切って並べて作るといくらだと思います?
なんと千円でおつりがくる。
そしてこの事実が多くのお客様にとって知らない/いや少なくとも知る必要性を感じていない情報ってこと。
端的に言ってしまえばテーブルでもテレビボードでも10万円クラスの予算を持たない人にとっては「ウォールナット」というのは素材のことではなくカラバリのひとつ、つまり色の名前です。
しかも、、、ハンドメイド界隈ではその色としての「ウォールナット」ですら全然ウォールナットの色とは似ても似つかぬ塗料の品番でしかない。
具体的に踏み込むと、ハンドメイド界隈でよく使われるSPF材+ワトコオイルの組み合わせ。
ワトコオイルには「ダークウォルナット」というのがありますが、これをSPF材に塗っても全くといっていいほどウォールナットではない。というか本物に寄せてすら無い。
多くの作家が樹種を明記せずにこれをウォルナットと称して出品するものだから、何も知らないお客様はこれがウォールナットと誤認しそうな勢いの様相を呈しています。
閑話休題。
ではコスパの良い素材とはどういったものか?
もちろん相対的に安いことは重要なひとつですが、K組が狙うポイントは世界観。
世界観を作りやすい素材をチョイスしています。
これについても後々深堀りしていきます。
というわけで今回はここまで。お読みいただきありがとうございます。
次回はこのシリーズ最終回で4の「ブランド/ストーリー」。
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