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314 シン宮崎駿

はじめに

宮崎駿監督最新作「君たちはどう生きるか」がアカデミー賞長編アニメーション賞に輝きました。
アメリカ映画界で最高の栄誉とされるアカデミー賞ですが、日本の作品が長編アニメーション賞を受賞したのは、2003年以来です。前回の受賞も宮崎監督の作品でした。20年前の受賞作品は「千と千尋の神隠し」でした。もうそんなに経つのかと時間の流れを早く感じてしまいます。
宮崎監督はこれまでに引退を宣言したことは何度かあります。そのたびにファンは、絶対引退しないと確信してきました。「風立ちぬ」の時もそうでしたし、それこそ「千と千尋の神隠し」の時もそうでした。
今日の教育コラムでは、宮崎駿監督の引退宣言のもつ意味について私なりに少し考えてみたいと思います。

古い自分からの決別

引退宣言を撤回し、原作・脚本、宮崎駿という意欲作となった今回の映画は、7年の製作期間を費やしています。前作、「風立ちぬ」に続き戦争を背景とした作品なわけですが、その世界観には宮崎作品特有のファンタジーが描かれています。
今回の作品のストーリーは、太平洋戦争中に母親を失った少年が不思議な世界に迷い込むといった監督のオリジナルストーリーです。皆さんご承知の通り、すでに、アメリカでゴールデングローブ賞、イギリスのアカデミー賞においても、アニメ映画賞を受賞しており、国際的に高い評価を受けています。
宮崎監督は、今年で83歳となります。監督が描いた世界観は、卓越した技術のその先、新しい姿を追い続けた何かを感じずにはいられません。常に古い自分との決別を決意し、新たな挑戦をし続けているその意識が、監督に引退という言葉を使わせているような気もします。
私たちは、きっとシン宮崎駿を感じたことに今、感動しているのではないでしょうか。世界の宮崎駿監督は、だいぶ変わりものですがいつだってそんな変わり者が新しい世界を創っていくものだと改めて思う今日この頃です。

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