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329 スポーツ賭博


はじめに

過去にメジャーリーグを揺るがした違法賭博事件として有名なのが、ピート・ローズ選手の関わった事件です。
歴代1位の通算4256安打をマークしたローズ氏ですが、現役引退後の1989年に野球賭博をしたとして永久追放処分を受けています。大きな衝撃を与えたのは、1919年にホワイトソックスの8選手が賄賂をもらって八百長に加担したとされるブラックソックス事件です。

大丈夫?大谷選手

今回の騒動は、大谷選手がギャンブルのためのお金、またはギャンブルの借金の補填をしていたのかという点、そして、野球賭博に関わっていたのいかという点が大変重要になります。
しかし、心配は必要ないかもしれません。大谷選手は記者会見で明らかに通訳の知人が述べていることのほとんどを嘘だと明言しています。また、自己の資金を盗まれていたのであって、貸していたのではないことも明言しています。
メジャーの調査と警察当局の捜査が並行して進めば次第にその全容が解明されることと思います。

スポーツ賭博の必要性

スポーツベッティングは、日本では不法行為とされていますが、一部例外があります。競馬・競輪・競艇・オートレースが特別に公営競技として賭博が許されています。
また、賭博ではないですが日本では賭博は違法であるが、プロサッカーの試合を対象としたくじが「toto」の愛称のもと特別法により合法化され、販売されています。このようにスポーツくじと呼ばれるものはサッカー以外にもバスケットなどでも行われています。
スポーツの結果を予想し、当たれば当せん金が得られるのがスポーツくじなのですが、平たく言えば予想して当てるわけですからギャンブルなわけです。
では、このようなくじの売り上げがなぜ必要なのでしょうか。このくじの販売の目的を見てみると、子どもからお年寄りまで誰もが身近にスポーツに親しめる環境整備や、国際競技力向上のための財源確保のために導入されていることがわかります。
スポーツくじの売上金は50%が当せん払戻金として当せん者に支払われ、残りの50%から経費や特定金額を差し引いた残りが収益となります。その収益の1/4が国庫に納められ、3/4がスポーツ振興事業のための資金として活用されています。

スポーツをビジネス化

スポーツビジネスと言えば、オリンピックがすぐに頭に浮かびます。オリンピックがビジネス化するきっかけとなったのは、1984年に行われたロサンゼルスオリンピックからだと言われています。
スポーツの商業化は加速していき、ついにはスポーツ賭博にまでたどり着いたといったところでしょうか。スポーツ選手を広告塔にする方法もそうですし、ゲームや試合の放映料など様々な利権によって選手もスポーツ界も成り立っているわけです。
因みにコロナ禍で開催が延期された東京五輪2020ですが、当初は経済効果が30兆を超えるという説が大変な注目を集めていました。しかし。実際には東京オリンピックとパラリンピックによる、経済効果は約約 6 兆 1,442 億円にとどまりました。
東京オリンピック・パラリンピック組織委員会および東京都、国の赤字の総額は約 2 兆 3,713 億円と巨額の損失となりました。赤字が出るとオリンピックはその開催のレガシーが重要であるという話が出てきます。そういう話をする人はお金儲けのためではない、スポーツを愛する心が大切だと語ります。オリンピックの開催する前は経済効果をうたい、損失が出るとレガシーを語るという現状は、大変に違和感があります。

ギャンブルで集めたお金で作る社会

IR法案が通り、大阪万博の開かれた後には夢洲に巨大カジノができます。ギャンブル依存症も増えることでしょう。ギャンブルの売り上げの一部で豊かになっていく社会の仕組み自体に少し疑問を持つ人もいることでしょう。
同じようにスポーツとビジネスが密接に関わり合うことに疑問を持つ人もいるでしょう。
大谷選手が野球に集中できる環境が一日でも早く訪れることを願っています。また、一ファンとしても大谷選手のキャリアがこんなことで途切れてしまうことだけはあってはならないと感じています。
何をやるにもお金がかかります。スポーツもそんなものの一つであることを今回の件を通して改めて考えてしまった気がします。

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