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348 情報・データサイエンス学部


はじめに

ここ数年、新設されている大学の学部の中でも情報・データサイエンス学部に注目が集まっています。上位の国立大学でも情報工学科などの偏差値も上昇しています。他の大学でも情報系の入試が難しくなってきています。
今日の教育コラムでは、注目を集めている情報・データサイエンス学部について少しお話してみたいと思います。

どんな学部なの?

機械学習やビッグデータ解析などに必要な、学問としてのデータサイエンスの対する注目が大変高まっています。きわめて簡単に説明すると、データサイエンスとは、統計学に情報工学などの手法を組み合わせて、大規模なデータセットから問題解決に必要な知見を引き出す研究分野だと言えます。
今もありますが、これまでは統計学というものがあり、データをアンケートやデータから収集し、人が様々な機器を使いながら、分析し何らかの傾向を見ていたわけです。
しかし、近年は急速にコンピューターが発展し、プログラミングによる大量のデータの処理が可能になっています。するとこれまでの統計学ではなく情報工学の知識や手法が必要になるわけです。そこで独立した位置付けとしてデータサイエンスというものが、重要な学問として大学でも位置づけられているというのが現在の動きなのです。

どうかわるの?

データサイエンスでは、これまでの統計学では膨大すぎて扱いきれなかったデータの解析や画像などの定性的なデータを対象とすることができるようになります。
それを可能にしているのが統計学とプログラミングの知識なわけです。データサイエンティストがデータから課題解決の洞察を得るためには、仮説を構築した上で、データを収集し、必要なアルゴリズムや予測モデルの検証や実装をおこなった上で分析を行う必要があります。
この場合、重要なのはデータの解析なわけです。つまり統計学の知識が必要なのです。そして、その解析の前段階にあたる必要なデータの処理やモデルの実装にはプログラミングのスキルが必要となってくるわけです。
さらに、データをわかりやすくまとめるためにはデータビジュアライゼーションについての知識も重要になります。このように、データサイエンスとなると、それぞれの学問を切り離していては十分に機能しないため幅広い分野について学び、総合的にその知見を活かしていくことになります。

データサイエンスと統計学との違い

興味をもっていただいた人にもう少し、詳しく違いを2つ述べてみたいと思います。
1つ目の違いは、データエンジニアリングという視点です。プログラミングによるデータ処理などには、データエンジニアリングの技術が必要です。従来の統計学よりさらに膨大で複雑なデータを扱う必要がある場面では、この技術が無ければ解析できる範囲が限りなく狭いものとなります。このデータ量という単純な面から見ても限界を超えていくことができるわけです。

2つ目はかなり大きな違いで、数字に変換可能な定量的なデータだけではなく、数字で測れない定性的データも処理できるようになる点です。数字にできないデータとは画像や文章などをイメージしてもらえるとわかりやすいと思います。これらの定性的なデータの解析は大変に困難でした。
しかし、データサイエンスでは、プログラミングを用いますので定性的なデータも構造化し、形式を統一することができるため、分析することが可能になるのです。

【データサイエンスの活用方法として】
・顧客の購買パターンの分析
・気象条件などからトラブルを予測する
・気候や土壌条件などから作物の生育を予測する
・第一次産業の仕事における最適化を進める
・位置情報から目的地までの交通状況を分析し提案修正する
・複雑な状況を画像や地震情報から災害時の対応を検討する
・医師と連携し、検査情報や画像診断をより正確に行う

これからを担う学問分野のひとつ

このように、データサイエンスという領域は、世界の未来を担う実に重要な分野と言えます。大学進学を視野に入れている高校生のみなさん、ぜひこの分野での活躍を進路の候補のひとつに入れてみてください。

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