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RTA in Japan Online 2020 参加レポート#3(解説本番-FFUSA)

この記事は全5回構成の第3回となります。

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参加レポート#5(解説本番-DQ11S)

関連動画

解説を担当したゲームの動画を流しながらコメントする形式で、オンラインの反省会を実施しましたので、お時間ある方はぜひご覧ください。

RTA in Japan Online 2020 反省会(DQ11S)
RTA in Japan Online 2020 反省会(FFUSA、ドンキー3)

また、この記事でレポートする本番動画(Twitch/YouTube)はこちらです。

ちなみにYouTubeにアップロードされた動画のコメントに「サムネが人の顔に見えてびっくりしました」というものがありました。RTA in Japanのチャンネルにある動画一覧のサムネイルを見ると、確かにそう見えますね。パーツ単位で見ると、背景が髪の毛、敵のスケルトンが目、主人公と相方(ロック)が鼻、情報ウィンドウが口ですね。ちょっと怖いです。

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リハーサルでまさかの!?

事前に日程調整をしていた8月3日にて、リロイさんのDiscordサーバーでリロイさんから画面共有をして頂き、ゲーム画面を見ながらボイスチャンネルで通話をする形式でリハーサルに臨みました。本番でも同じような形式を取られています。

招待URLを頂いてリロイさんのDiscordサーバーに参加した時に、まずびっくりしてしまいました。参加人数の多さ、数多くのゲームや話題単位に分かれたテキストチャンネル、夜などのコアな時間帯はボイスチャンネルでリロイさんの画面共有兼Twitch配信と、それを見ながら数名が雑談しています。他の方が画面共有のライブ配信をしていることもあります。実際私がそうですが、個人のDiscordサーバーは何かのきっかけで作って最初はちょっと動かしたものの、そのうち開店休業状態になって廃墟になってしまいがちです。しかし、リロイさんのサーバーはほぼ毎日何かしらで賑わってたりします。人望って凄いなって思いました。

リハーサルは事前の意識合わせ通り、基本的にリロイさんが喋る方向で、私はなるべく邪魔にならない程度に合いの手を入れるスタイルです。プレイのスタイルは、FFUSAのRTAは基本的に記録狙いも一発勝負もチャート的にはほぼ変わらないので、リハーサルでも自己ベストを狙えればという感じでやっていました。実際に始まると道中大きな事故もなく、一番重要な運要素であるパズズで何と一番運の良い6階を引く勝負強さ!

その直後のvsパズズ戦自体も多少運要素が強いですが無事攻略し、割と真面目に自己ベスト=WR更新が見え始めてきたので、私もつい「このリハーサルスタイル、このまま続けます?」と、何ならWR狙い的にやりやすいスタイルに切り替えてもらってもと思いましたが、リロイさんは「いや、ちゃんとやりましょう!」ということでそのまま続行しました。

その後、ラストダンジョンも運要素で時間ロスの可能性があるボス達を無事切り抜けながら、2時間04分31秒で走り終えてWR更新となりました。リハーサル時点でのWRはリロイさんの2時間07分05秒でしたが、リロイさんの中では2時間05分を切りたいという目標があったとの事で、達成に立ち会わせてもらうことができました。本当におめでとうございます!

本番に臨むにあたって、これ以上ないくらいのリハーサルで結果を出すことのお手伝いが出来て、私としても非常に嬉しいエピソードです。このリハーサルそのものがWR提出動画となりましたので、この記録が更新されない限りは多少恥ずかしいですが、私が出演しているものとなります。ちなみに、そのリハーサルではラスボス手前のズーのHPを間違えて40,000と言ってしまい、すぐにリロイさんに20,000が正しいですと訂正して頂きました(40,000はラスボスのダークキングのHP)が、それはこいつのせいです。許すまじNTT出版。

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FFUSAの事前準備エピソードはこんなところです。

今回採用のFFシリーズとカテゴリの感想

FFUSA前後までのゲームの流れとして、開幕ゲームのFF6からレーシングラグーンまで、6つのタイトルでRPGが続くという順番です。ファイナルファンタジーシリーズだけでも今回は3つ採用されていて、最初のRPG連続6タイトルの流れのところに配置されました。RTA in Japanではゲーム選考や順番の選定基準は公開していないので、完全に私の個人的見解ですが、ゲーム順番は走者の都合を最優先にしつつも、その中で視聴者側のことも考えて同ジャンルや同シリーズのゲームを固める配慮がされているのだと思います。

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FF6はカテゴリがAny% Glitchlessということで、王道ゲームの王道カテゴリ枠、まさに開幕を飾るに相応しい選定だと思いました。
 ■注釈
 Any%:ゲーム内の達成度や達成率不問でとにかくクリアすること
 Glitchless:Glitch(グリッチ)=バグ、Glitchlessなので「バグなし」
 よって、Any% Glitchlessだとバグを使わずに達成率不問のクリアを目指す

FF3はカテゴリがAny%ということでいわゆる何でもありルールですが、FF3はバグが多くエンディング呼び出しができてしまいます。FF3自体は王道ゲームですが、カテゴリは走者のまんまるさんが事前のゲーム説明で述べられていた「最も酷いカテゴリ」ということで、時間も短く気軽に見られるような選定です。

そしてFFUSAはカテゴリがAny%ですが、エンディングを呼び出すような致命的なバグはなくとも、アイテム増殖や変化によって一部ストーリーはスキップして、それ以外はまともに攻略します。外伝的な作品かつFFらしからぬストーリーということで、変化球のゲームに王道カテゴリ枠で、これもまたFF6やFF3と違った目線で見ることができます。

このように、同じシリーズのゲームでも作品の性質とカテゴリを考慮して、楽しみ方が重複しないようなゲーム選定をしているのが本当に見事だと思います。

出番前後の動き

今回、自分が担当する解説3件とボランティアシフト3回はこのような時間帯配置となります。

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リロイさんのFFUSAは初日9/13のゴールデンタイムである20:20頃です。解説担当2つ目のスーパードンキーコング3が翌日9/14の朝6:30頃というスケジュールなので、FFUSAが終わった後はなるべくすぐに寝てスーパードンキーコング3に備えるという、昼起きて夜寝る基本的な生活時間帯としました。

出番約3時間前の悲劇

本番中にも解説されていますが、なぜセーブデータが消えているとダメなのかというと、FFUSAのバグの一つに、仲間のステータスや耐性は仲間になった瞬間では何故か更新されず、セーブ&ロードをすると初めて正しい情報が読み込まれるというものがあります。ではニューゲームを開始した初期状態ではどこが参照されるのかかというと、「3番目のセーブデータの仲間のステータス」です。色々検証した結果、最後に仲間になるフェイ2回目が最適とされていて、このセーブデータが必要なのです。

ちなみにフェイ2回目は石化の耐性を持っておらず、カレン2回目は石化耐性を持っています。敵の石化攻撃に後半かなり苦労させられるので、私も素人考えでなんとなくカレン2回目の耐性をチャートに組み込めないのかなと思っていましたが、リロイさんもそこはきちんと検証されているようです。

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FFUSAの予定タイムは2時間45分に対し、リロイさんがこのセーブデータ消失をツイートしたのが17:20頃、本番が20:20ということで約3時間前です。正確には当日の進行状況が少し押していたので、プラス数十分程度の余裕はあったと思います。ただし前述の通り、RTAチャートでは3番目のセーブデータにある強い仲間のステータスと耐性があるという前提です。一から始めるとなると仲間がそれよりも弱い状態で始めないといけないため、時間的にはかなりギリギリであることが予想されます。最悪、リロイさんが直近で購入していた北米版に変更してのプレイも検討されていたようです。

結果的には、セーブデータ作成RTAが無事完了して一安心でした。何とこの時も20%の運ゲーで一番速いパズズ6階パターンを引いたそうです。ツイート報告の時間差で見ると約2時間24分ということで、さすがリロイさんです。なお、再び消えないように、出番も近かったのでセーブデータ作成完了後は電源を入れっぱなしにしていたそうです。

さて、そんなバタバタがありながらも無事解決して、本番直前で準備に入りました。まずは、準備用のボイスチャンネルに入って、ボランティアスタッフの方が走者・解説のマイクチェックや走者の配信チェックをします。この時間のボランティア担当は、マリオシリーズのRTAをメインに活動していて、一見、悪徳に見えて、ただスーパーマリオRTAを勧めているだけの男としても有名(?)なOIL KENさんでした。こういう時に知っている方が担当というのはとても心強いですし安心します。後日に同じボランティア業務をやることにもなるので、他の人はどう対応しているんだろうなあという勉強にもなりました。事前チェックは問題なく、そのまま本番を向かえました。

本番中に心がけていたこと

解説準備編でも述べた通り、リロイさんはいつもご自身の配信をしている時のような、プレイしながら喋るスタイルが一番パフォーマンスを出せるという判断をしています。一方でRTA in Japanという大舞台で多数の視聴者に見られているという緊張はあると思うので、そこは走者としての経験はないけれども解説としてはある程度経験のある私がサポートすれば良いかなという思いでやっていました。

この点は、結果的には無用な心配で、私はリスナー的目線で「話し相手」をするだけで大丈夫でした。時折ここで解説した方が良いかなという内容は、私が解説まではせずに、キーワードだけを言ったりリロイさんに話を振る形で、リロイさんに解説してもらうように立ち回りました。

リロイさんと私の喋り出しが被ってしまった時は、必ず私のほうが引いてリロイさんに喋ってもらうようにしています。こういう時に、お互いに気を遣い過ぎて「どうぞどうぞ」というやり取りがたくさん発生すると、聴いている側にとっては不快になってしまうのと、時間の無駄になってしまいます。今回はリロイさんがメインで喋ってもらうということで初めて意識し始めたところですが、今後も走者の方が喋る場合は必ずこの対応方法にしようと思います。

それにしても、RTAプレイをしながら、ゲーム基礎知識・RTA知識・豆知識まで披露する、縦横無尽なリロイさんのトークスキルが本当に凄かった!

西のエアガイツ仮面

本番中に話題の出てきたこの件は、本番当時に知らなかったことを割と後悔しました。「エアガイツ」は1998年にアーケード筐体でリリースされ、同年初代プレイステーションで発売された3D格闘ゲームのタイトル名です。FF7のキャラがゲスト参戦するということで格闘ゲームを知らないゲーマーにも話題になったのではないでしょうか。私もその理由でタイトル名だけは知ってました。

さてそのエアガイツ仮面とは、「エアガイツ仮面」だけだと特定個人名ではなく、エアガイツというゲームが好きであれば名乗れるそうです。中にはエアガイツの布教活動のために他の格闘ゲームの腕を磨き、ゲームセンター主催の大会などに出場する人もいて、一番有名なエアガイツ仮面の方が、以下記事でも触れられている「東のエアガイツ仮面」だそうです。

リロイさんはこの記事でも少し触れられている「西のエアガイツ仮面」だそうです。この話題が出た時にTwitchのチャットがかなり反応して盛り上がりましたが、更にその中で核さんがしれっととんでもないことを書いていました。

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RTA in Japan 3(2018年の年末のオフライン)では、トーナメントまで行われてしまった内藤九段将棋秘伝RTAです。その創始者が東のエアガイツ仮面との事です。何がどういう繋がりでこうなってしまったのか、全く分かりません。偉大な人というのは、他の分野でも偉業を成し遂げていたりするのですね。

内藤九段RTA(個人的宣伝コーナー)

内藤九段の話を出してしまったので、ついでの個人的宣伝で恐縮ですが、私は2020年4月にRTA in Japanのチャンネル貸し出しで行われたイベントの、第3期内藤九段将棋秘伝トーナメントに出場しました。これまでRTAイベントでは解説だけの出演で、RTAのプレイは未経験だった私のRTAしかも大会のデビュー戦です。

大会は、ダブルエリミネーション形式(2回負けると脱落)のトーナメント優勝者が挑戦者となり、前期内藤九段位のyagamuuさん(なおRTA in Japan運営)と七番勝負を行います。そこそこ練習した甲斐もありまして、幸いにもトーナメントを勝ち上がり、内藤九段位のyagamuuさんへの挑戦権を得ました。結果は1-4と惨敗でしたが、普段RTAでイベントに出ている方々の緊張感を肌で感じ取ることができて、とても良い経験になりました。第4期もぜひ参加したいと思います。

個人的ベストバウトは、レモングラスさんがフレーム単位で精査した比較動画まで作って頂いた、0.01秒差となってルール上(自動ラップツールの誤差を考慮)、持将棋の引き分けとなった幻の第二局です。1分ほどで見られるのでこれだけでもぜひご覧ください!

フラグ回収

ラストダンジョン手前となるマックの船では、エンカウントを吟味する箇所があります。望むエンカウントじゃなかった場合は、一度逃げて再度エンカウントをするので純粋な時間ロスになるところです。ここでつい、逃げる必要のあるハズレエンカウントの内訳について触れてしまい、それが実現してしまう一幕がありました。

自分としては実際に言っていた時はあまり意識していなかったですが、OIL KENさんにクリップして頂いた動画を後程見てみると、リロイさんに怒られてしょんぼりしている感じになっていました。チャットの流れもそんな感じで少し盛り上がっていたので結果的には良かったです。

ズーの「ころしのダンス」

ラスボス手前の「ズー」は、RTA的には事実上のラスボスです。特に「ころしのダンス」という即死攻撃が仲間のフェイに当たると、主人公はレイズを持っていないため蘇生不可となってほぼ詰みです。ころしのダンスを使ってくるかどうか、使った時にフェイが対象になるか、対象になった時に当たるか外れるか、といった形で不安定要素が多く全滅しやすいボスで、RTAでは最後の難関です。

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ズー戦のみの戦闘時間は、WRでは全滅なしで2分30秒で突破していますが、本番ではあまりの暴れっぷりに約10分ほど掛かりました。上記画像がころしのダンスのエフェクトで、黄色い竜巻が発生します。Twitchチャットの流れは、最初のほうこそ「rtaPray」などの祈りのエモートが多いものの、途中から誰が見つけて来たのか、まさにころしのダンス専用と言わんばかりのエモートが投下され始めました。「duDudu」という誰でも使えるグローバルエモートのようです。

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本番中は考える余裕もなかったですが、振り返り配信で「よく考えると最初に使いだした人がいて、それが少しずつ伝染したんだよなあ」と思って、チャット欄をよく観察してみました。ズー戦に入ったのは、動画再生時間(コメントの左に表示されている時間)2:04:00あたりからで、そこから約5分は普通の流れでした。初出は2:08:56のコメントで、この時はチャットの流れも速いこともあって、すぐに流れていきました。その後、同じ方が2:11:43にもう一度使い、それを受けてなのか別の方が2:12:05に使い、それ以降多数の目の人に留まったのか一気に拡散されてチャット欄のエモートを占有していった様子が分かりました。ツイートがバズっていく様子と同じようなものかもしれませんね。

終わってみて

今までは、自分が主体的に喋って解説をするというスタイルがメインでしたが、今回は走者のリロイさんが解説も兼ねて喋ってもらうところに自分がサポートに付くという形で、走者のパフォーマンスを最大限に引き出せるような立ち回り方を新たに勉強させてもらいました。自分の解説スタイルの引き出しも増えたので、とても良かったと思います。

こういった貴重な機会を与えて下さったのは何より、今まで全く接点がなく、直前に何度か配信を見てコメントしていた程度の私からの解説志願に快く応じて頂いたリロイさんのおかげです。本当にありがとうございました!リロイさんはRTA in Japan終了後もTwitch配信にて、FFUSAの日本版他カテゴリ(100%)や北米版のRTAをされていますので、ぜひ応援よろしくお願いします!

あとFFUSAは普通にプレイしてもとても楽しいゲームです!中古レトロゲームを取り扱う店なら、数百円前後で買えると思います。セーブデータがどこか1つにでもフェイ2回目(Lv34)のものがあれば、3番目にコピーしてすぐにでもRTAができます、チャートを含む参考資料も盛り沢山です!

では、次回以降の記事もお楽しみに!

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