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RTA in Japan Online 2020 参加レポート#5(解説本番-DQ11S)

この記事は全5回構成の第5回(最終回)となります。

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RTA in Japan Online 2020 参加レポート
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参加レポート#3(解説本番-FFUSA)
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・参加レポート#5(解説本番-DQ11S)※この記事

関連動画

解説を担当したゲームの動画を流しながらコメントする形式で、オンラインの反省会を実施しましたので、お時間ある方はぜひご覧ください。

RTA in Japan Online 2020 反省会(DQ11S)
RTA in Japan Online 2020 反省会(FFUSA、ドンキー3)

また、この記事でレポートする本番動画(Twitch/YouTube)はこちらです。

疑似リハとなったGunma RTA Online

第2回記事の準備編で少し触れましたが、もう少し詳しく述べておきます。

Gunma RTA Online(略称:GRTAO)とは、RTA in Japanの理事および、Japanese Restreamの主催であるNakaさんによって立ち上げられたRTAイベントです。

GRTAO立ち上げのきっかけはC4 LANと呼ばれるオフラインイベントです。大きな会場内に座席がたくさん並んでおり、自分のPC(レンタルも可)やゲーム機、ボードゲームなど好きなものを持ち込んで、同じ空間内で遊ぶイベントです。参加者は少し高めのチケットで座席を借りることもできますし、入場だけのチケットで座席を借りた参加者のところに遊びに行くこともできます。会場にはメインステージもあり、各時間帯で主催によるイベントなどもあって一体感を持って楽しむこともできますが、それを無視して各自で楽しむのもアリです。GRTAOは元々オフラインイベントとして、このC4 LANで座席を借りての開催予定でした。なおRTA in Japanも、特別編としてRTA in Japan for #C4LANJP がC4 LANで開催されたことがあります。

C4 LANは年2回ほどの開催で、今までは東京の会場が使われていましたが、C4 LAN 2020 SUMMERが発表された時は、2020年4月にオープンのGメッセ群馬という新しい会場での開催が予定されていました。しかし、大規模なオフラインイベントということで昨今事情によりC4 LAN 2020 SUMMERは開催が中止となってしまいました。これによって、C4 LANに参加しての開催を前提していたNakaさんのイベントが計画の変更を余儀なくされ、群馬の名前を残してGunma RTA Onlineとして企画されたという経緯です。

ユーリルさんはGRTAOにPS4版DQ3で採用されていました。更にその前のRTA in Japan Online 2019(RiJO2019)でも同ゲームで採用されていて、この時の解説を私が志願させて頂いたのがユーリルさんとの最初の接点です。そこの繋がりから、GRTAOでの解説を打診頂き、有り難く引き受けさせて頂きました。こういう感じで、RTA界隈では以前の繋がりが新しい話に広がるということを感じることが多く、非常に有り難いことです。自分も対人関係はあまり得意とはしていませんが、ただ何となく待っていても新しいことは経験できないので、最初だけは勇気を出してイベントへの参加なり、解説を必要としていそうな人への声掛けなどをしています。

PS&Switch版ドラクエRTAリレー対決

ユーリルさんにとっては、RTA in Japan Online 2020(RiJO2020)の1週間前に大きなイベントが控えていました。ニコニコ生放送で開催している、PS&Switch版ドラクエRTAリレー対決です。PS&Switchのハードで発売されたドラクエ作品計6作品(DQ4、DQ8、DQM2、DQ7、DQ11S、DQ5)のRTA走者を4人ずつ集めて、チームを組んでリレー対決する形式のイベントです。ユーリルさんは、RiJO2020と同じくDQ11Sでの出場となっておりました。

特徴的なところは、最初から最後までぶっ通しのイベントではなく、3日間のイベント日程を1日2作品ずつプレイします。当然その日のプレイで各チームのタイム差が付きますが、これは運営側で集計していて、翌日はまた全チームが同時にスタートする形になっています。これによって、日ごとに見た目上の差がリセットされるので、見る側にとっては各作品で対決形式の盛り上がりをより楽しむことができます。また、2日目以降になれば、見た目上の進行度とは別に、総合的にはどのチームが勝っているのかという楽しみ方もできます。時間的には朝開始して夜の日付変わる前には終わるので、リアルタイムで全部見ようと思えば見られるスケジュールになっています。

RTAイベントでは複数日程で開催する場合、オフライン開催では設営の都合もありますし、より多くのプレイヤーにお披露目の場を与えたい、ということで会場が24時間で使用できるならぶっ通しで開催していると思われます。一方、オンライン開催では設営等の物理的な制約がなく、運営側の当日のシフト負担も多少軽減されるので、採用できるゲームが少なくなることを許容するのであれば、選択肢としてはアリではないかと思います。

RiJO2020と同じDQ11Sでユーリルさんがプレイされるのと、運営による4チームの画面を映したミラー配信では解説も付くため、これ以上ない予習の機会ということで、DQ11Sだけですがリアルタイム視聴しました。本家放送はニコ生ですが、Twitch同時配信もしておりアーカイブがご覧頂けます。

一番勉強になったのは、ユーリルさんのチャートの特徴です。複数走者が同じゲームのRTAをプレイするため、走者ごとにチャートの違いがあります。大きな違いで言うとボス戦で使う火力の特技で、ユーリルさんのチャートではタナトスハント、一般的なチャートでは心眼一閃が使用されます。

どちらの技も、最初に仲間になる相棒・カミュによる技ですが、タナトスハントは、毒・猛毒・マヒ状態の相手に通常攻撃の6.2倍の大ダメージを叩き出すスキルです。ボスでも毒状態にできるため採用されていますが、毒が効くかどうかが100%ではないため、仕込み時間が運によって左右されます。一方で、心眼一閃は通常攻撃の2.5倍のダメージということでタナトスハントよりは低いですが、条件なく使えるので安定しているため、現在の主流チャートになっているようです。個人的には大ダメージを出せるという見栄えもあるので、ユーリルさんがタナトスハントのチャートを採用している点は非常にありがたかったです。

その他、ゲーム全体を通じてミラー解説のほうで詳しいRTAテクニックの予習ができました。なおこのイベントでは、RiJO2020の開幕ゲームを飾ったFF6走者のむちはさんがDQ4で出場されておりました。また、3日目には我らが限界集落(PeerCast)勢の代表と言わんばかりに同じチームでDQ11S走者のありくいさんと、DQ5走者のping値さんのリレーとなっていて、この限界集落リレーは両者とも4チーム中1位で、3日目の区間賞でした。誇らしい!

コマーシャル

ーーーコマーシャル開始ーーー

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RTA Racingについては第1回第2回記事のコマーシャルを参照してくれ!

レース形式のRTAを専門にミラー配信をするチャンネル、RTA Racingがお送りする企画、RacingChallenge with SwitchOnlineの第3弾がもうすぐ開催だ!SwitchOnlineで新しく配信されたゲームの中で、RTA未経験者(通常プレイ経験は可)が一定の練習期間を積んでレースをお披露目するイベントだぞ!

今回のタイトルは、ワイルドガンズが10/13(火)、スーパードンキーコング2が10/15(木)、スーパーテニス・ワールドサーキットが10/20(火)で開催されるぞ!ガンシューティング、アクション、スポーツと、彩りのあるジャンルで楽しめるRTAイベント、これはもう見るしかない!

■ 関連リンク
Twitch】ここで配信しているので、フォローよろしく!
Twitter】レース情報の告知だ、こちらもぜひフォローしてくれ!
Discordサーバー】走者はまずここに参加してくれ、視聴者も大歓迎だ!
スケジュール】稼働日と受付済のレースがカレンダー形式で見られるぞ!

ーーーコマーシャル終了ーーー

本番の動き

前ゲームは、走者のnapoさんと解説のポンズさんによる、実況パワフルプロ野球12決定版でした。結果的にリタイヤとなってしまい残念でしたが、ユーリルさんとこの時のボランティアシフトに入っていたぼぶそんさんと私で、待機用のボイスチャンネルで通話しながら、最後まで緊張感のあるRTAを見ていました。野球中継をみんなで見ながら応援しているような感じで、とてもリラックスできた待機時間でした。ちなみに、ポンズさんの解説参加レポートもありますので是非ご覧ください!

そして本番開始をしましたが、まず意識したことは自分の立ち位置です。FFUSAのリロイさんと同じように、ユーリルさんもをRTAしながら喋るのが自然にプレイできるスタイルだと思います。実際、RiJO2019とGRTAOの時はそういう感じでした。RiJO2019の時は、まだまだ自分が解説という立ち位置についての理解不足だったことと、ユーリルさんと一緒にやる事が初めてだったこともあって、自分が少し前に出過ぎてユーリルさんの邪魔をしたような感じになってしまいました。GRTAOの時はそれを改善した立ち回りが出来ていたと思います。GRTAOが本番の約3週間前だったこともあって、やるゲームは違いますがユーリルさんと一緒に喋る練習ができたので、どういう立ち回りをすればよいかの確認を十分することができました。

解説用画面について、走者の画面はRTA in Japan配信用PCからのDiscord画面共有によって見ています。ただしこれは仕様上、画面と音声に2~3秒のラグがあって、画面よりも先に走者の声が聞こえる形となります。Discord画面共有は、走者からの直接配信だとほぼラグなく見ることができるのですが、走者PCから配信用PCへのエンコード&ストリーミングを一度経由している関係でラグになってしまうようです。前回のRiJO2019ではMixerという低遅延の配信ができる動画配信サイトを使って、ほぼ遅延なく見ることができていましたが、残念ながらこのRiJO2020前にサービス終了となってしまいました。運営の方々もおそらく代替の環境をどうしようか検討した上で、Discord画面共有がその中の最善の手段だったのではないかと思います。とはいえ、裏のこんなことを本番でいちいち表に出してもしょうがないですし、10秒までいくとさすがにキツイかもしれませんが、2~3秒では何とかなるレベルだったので、違和感のないように対応していました。ただ今後は、走者と事前のラグチェックはしておきつつ、走者に配慮させてしまうのは本末転倒なので、解説側で調整するという合意を取ってスタートするのが最善ではないかと思います。

予定タイムが6時間半という今回のRiJO2020では最長の予定タイムのゲームとなるので、基本的なスタイルは自分の解説デビュー戦だったRTA in Japan 2のPS2版DQ5(走者:ping値さん、予定タイム6時間10分)と同じでした。RPGのRTAでは、走者の方がラップを取っているような丁度良い区間の区切りがあるので、おおよそその単位で話したいことをまとめておいて、本番ではその時間の中で喋るスタイルを取っています。それでもRTAテクニック的な話だけでは時間が余りますが、ゲームのストーリー・設定・豆知識的な話で割と繋げます。ドラクエみたいな喋るネタ満載の名作ゲームであれば尚更です。ただし、ビアンカVSフローラ戦争みたいな多少ネタに昇華されているような要素はいいにしても、ガチで荒れそうな話題については気を付けるようにしています。

今回は同時接続数が最大47,000という数字を出したこともあり、コメントの流れもそこそこ速かったです。DQ11Sは深夜開始~朝終了という、全体の中では視聴者が少ないであろう時間帯でしたが、それでもコメントが常にスクロールしているくらいの速さだったので、拾うのは基本的に諦めていて、偶然目にしてかつネタにできそうなタイミングだった時だけ拾うことにしていました。この点は、FFUSAとドンキー3でも同様の対応です。他のゲームの走者や解説の方でも、コメントがなかなか拾えなかったというご意見を聞きましたが、私としては「基本拾わなくて済むようになって、都合のいい時だけ拾えるようになった」とポジティブに考える事にしています。

今後意識しておきたい点としては「イベント期間中に起きたミームの把握」です。こういったイベントでは、それまでのゲーム内で起きた面白い出来事は視聴者としても次以降のゲームでネタとして使うことがあります。去年のRiJO2019で言えばデメント、今回のRiJO2020ではレーシングラグーンです。しかし24時間で動いているイベントであること、ボランティア業務、解説準備などの要素で、視聴者として余裕を持って見ていられる時間があまりなかったりもするので、必ずしも自然と把握できているとは限りません。実際に私は今回、レーシングラグーンはスケジュール都合上、丁度寝始める時間だったので、横になりながら聞いた最初のほうだけうっすら覚えているかという程度でした。せっかくのお披露目の舞台でそのようなオイシイ流れに乗っかれないのは非常に勿体ないので、走者に「本番で使おうと思っているこれまでのゲームのネタはあるか」の確認と、ツイッターあたりで「ここまでに盛り上がったゲームがあったか」程度の情報収集はしておいて損はないかなと思いました。

個人的に一番楽しかったのは、プチャラオ村マラソン大会の下りです。イベント都合上、街を何往復もさせられる退屈になりそうな場面を、ユーリルさんのネタによって見事に楽しくしてもらいました。私はただ視聴者として笑っているだけでした。クリップ作ってみたので是非ご覧ください。

プチャラオ村マラソン
クリップその1
クリップその2

その他にも、細かいネタを含めてここには書ききれないくらい、ユーリルさんのネタやトークスキルに助けられる形で、約6時間の長丁場がアッという間に終わりました。自分で喋るのも楽しいですが、話し相手的なポジションで長時間対応するという経験もできたので、これも自分にとって新たな立ち位置の引き出しが増えたのではないかと思います。

終わりに

Switchの抽選販売が当たり、その時点ではDQ11のSwitch版(DQ11S)が出ていることすら知りませんでした。結果的にはそれがきっかけで、ゲームすら未プレイだったRTAの解説までさせて頂く事になりました。完全に勢いでの解説志願でしたが、快く受け入れてくれたユーリルさんには本当に感謝しかありません。解説ロケハンと称し通常プレイを遊んでいるだけの長時間配信に何度も来てもらい、コメントでRTA解説上のポイントを色々と教えてもらいました。どうもありがとうございました!

ユーリルさんは、ニコ生でドラクエシリーズのRTA配信をされています。Twitterとニコ生コミュニティアドレスはこちらです。

ユーリルさんは直近のイベントでは、Sapporo Offline Speedrun 2020にインフレクエスト2でプレイ予定となっております。そのほか、個人的な関わりがあるランナーの方を紹介しておくと、剣神ドラゴンクエストをプレイ予定のMaruさん(LSSoJのPS版DQ4で解説担当)と、東方緋想天をプレイ予定のぷろぐれさん(PeerCast勢)です。Sapporo Offline Speedrun 2020は札幌で行われるオフラインイベントとなっております。私は現在東京在住ですが、出身・実家は北海道なので、昨今事情もありますがこのタイミングで帰省しつつ現地会場での観戦ができるかなと検討をしています。

さてこれで、5回の記事に分けた私のRTA in Japan Online 2020のレポートは以上です。本番が終わってから、その直後にも色んな予定やイベントがあったとはいえ、書き上げるまで2か月近くも掛かってしまいました。年末に行われるRTA in Japan 2020の応募受付が既に始まっていて、もう200以上の応募があるそうです。今更の参加レポート記事で正直旬を逃した感もありますが、自分なりに今後もこういった活動は続けていきたいのでそのための情報整理と、記事内のどこかの記述が誰かの何かの参考にでもなれば幸いです。

RTA in Japan以外でも、RTAイベントにてこういった解説や話し相手の請負はしていますので、ぜひご相談ください!


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