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寂しいDI室 【こちら覆面DI室 #007】

最初に断っておきますが、このコラムは2012年に書かれたものになります。

いま病院薬剤師の話題と言えば、薬剤師の病棟常駐です。
(話題なのは今も変わらないかな)

平成24年度診療報酬改定で、病棟薬剤業務実施加算が認められました。
専任の薬剤師が病棟に常駐することにより、週1回100点が加算されます。
しかも、これは施設フィーのため、全患者に対しての適用となります。

新100点業務などと呼ばれていて、かねてより病棟常駐をアピールしていた病院薬剤師会としては、悲願達成となりました。

ところが、この加算を算定できている施設はまだ少ないのです(今は多いですよ)。

問題なのはこの加算の要件として、
全ての病棟へ毎週20時間以上常駐しなければいけないということ。
1日4時間、つまり半日です。
(これは今も同じです)

今までも、薬剤師は病棟に行ってたよね...と思われる方も多いと思いますが、
患者へ服薬指導する薬剤管理指導業務は病棟薬剤業務とは別、
と考えないといけないのです。

つまり、残る半日で薬剤管理指導業務を行うのです。
なので、どの施設も人員が足りずまだまだ...という状況。

さて、今回のタイトルの「寂しいDI室」なんですけど、
平成22年度より「医薬品安全性情報等管理体制加算」という、
いわゆるDI加算を算定できていたんですけど、
この加算は、病棟薬剤業務実施加算の要件に吸収されてしまったのです。

つまり、2012年3月までDI室によって算定できていたのに、
病棟常駐を行わないと、2012年4月以降算定できなくなってしまいました。

寂しいDI室、というわけです。
MRの皆さんWinkでもして慰めて下さいね。

ここからは追記

現在は、多くの病院で病棟薬剤業務実施加算を算定しています。
病棟薬剤業務実施加算を算定するためには、
DI業務をきちんと行っていないと算定できないような要件になっています。
だからちっとも「寂しいDI室」、なんてことはないんです。

「こちら覆面DI室」は休刊となった週刊approach誌に連載されていました。
そのコラムを少しだけ改編して掲載しています。

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