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レセプトデータの抜け穴 【こちら覆面DI室 #056】

「オペ室に払い出した注射本数と、
レセプトの本数が全然合わないんですよ…」

医療情報システムのSEをしているQさんと話しているときに、
嘆いていました。

聞くと、オペ室で使用した注射薬をカウントするシステムを構築して、
某施設で運用を開始したとのこと。

カウントした注射薬の総本数とレセプトから出て来た総本数を確認して、
請求誤差を追求したいそうです。

使った注射薬の本数と、保険請求した本数が合わないということは、
①使用したけどちゃんとカウントできていない、
②開封したけど使用しなかった、
③破損してしまった、
こんな理由が考えられます。
(④盗難・紛失も考えられますが)

しかし、聞いていると請求との本数があまりに違うので、
そもそも保険請求していないのではないか、と思えてきました。

「ひょっとして自由診療とかが抜けているんじゃないのかな。
調べてみたら?」
 とアドバイスしてみたところ、
そのとおりだったようで、、、

どうやら、労災、自賠責、自由診療などのデータが抜けていたようです。
確かにレセプトに載ってきませんからね。

支払基金のレセプトデータも同じです。
保険請求しないものは入ってこないので、
この数字が全てではありません。

データを見て、
「売り上げ低いんじゃないの?」
と追求されたら、
「自賠責で使われてるみたいです」と、逃げられるかもね。


「こちら覆面DI室」は休刊となった週刊approach誌に連載されていました。そのコラムを少しだけ改編して掲載しています。



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