映画の暴力の真髄!深作欣二とポール・ヴァーボーベンの不思議な繋がり
どうもこんにちは
今日は
故深作欣二監督が全ての日本映画を監督すればいいのにっと思っていたことについて語っていきます
そもそも深作欣二監督とは
日大芸術学部を卒業して東映で助監督などをやりつつ、仁義シリーズや必殺シリーズなどの監督として一躍脚光を浴びて昭和時代のエンタメ邦画やテレビのアクションドラマなどを世界級に押し上げた第一人者と思っております
邦画のアクション映画もこの人がいなかったら開拓すらされていないのではないでしょうか?
深作監督といえば仁義シリーズ
言わずもがな仁義なき戦いシリーズのことをさしてます
自分の一番推したい仁義シリーズはほぼ独立した作品といってよいであろう
仁義シリーズ2作目広島死闘編ですね
暴力世界に身を投じてしまう純粋な若者がその社会システム構造にのまれていき結局は犬死にしてしまう様を描いています
アメリカンニューシネマ的な趣もありつつ
暴力そのものを描く事で暴力の悲惨さとヤクザ社会における仕組みそのものの根本的な問題提起にスラなっているのではないでしょうか?
下っ端は利用されその使い倒された挙句に待っているものは何もないという無常感
たとえヤクザ社会だけでなく、もしかしたら大きな社会システムの中で生きている人間そのものを俯瞰的に描いているからこそ多くの人に無意識にでも刺さる内容なのではないか?と思うのです
深作欣二の暴力性
アクションもさることながら、バイオレンス映画の巨匠としても名高い深作欣二監督の演出ですが
バイオレンスの意味とはやはりこの世の暴力をみにしみてわかっているからこそ描ける真実性がそこにあるのではないかと思っています
深作監督は幼少期の戦争体験によって爆撃により亡くなった同級生の遺体を片付けたことがあるそうです
ある意味で狂った状況の中で昨日まで生きていた友達が肉塊となってそこにいるという不条理さこそが暴力そのものへの深作監督の原体験なのではないか?と思うのです
ポールヴァーボーベンと深作欣二の類似性
ポール・ヴァーボーベンはオランダの映画監督で1938年生まれと深作欣二監督よりは8歳ほど年下(深作欣二監督は1980年生まれ)
この人も深作欣二監督が体験したような戦争体験を幼少期に体験しており
自分の住んでいた町が連合軍によって空爆され住民のバラバラになった遺体を少年時代に見たそうです
ポールヴァーボーベン監督はのちに映画監督として暴力映画、バイオレンスアクション映画の鬼才としてハリウッドで名を馳せますが
ポールヴァーボーベン監督も深作欣二監督と同じように暴力そのものへの日常的な異常さを真に迫る形で体験していたのです
暴力を描く事への執着と信念、執着と葛藤、戦争によって歪んでしまった性癖すらもそこにあるような気がしてきます
しかし、その暴力のある意味で、渇望こそが
映画における暴力を描くことに対する真実性を生み出してしまい暴力映画の面白さを生み出す
コンプレックスは表現における最大の武器、を地でいくような、本人がある意味でもしかしたら最も嫌悪する暴力というものを面白くさせてしまう人間の矛盾を感じてしまうのです
映画におけるバイオレンス
バイオレンスとは?暴力、映画における暴力とは?
有無を言わさず力でねじ伏せる解決方法とも言える
その描写が強烈であるほど暴力が描かれる
よく暴力映画は暴力を肯定していると受け取られがちですが
実際そんなことはないと思っています
確かにそう言った側面をある意味で感じることはあるでしょう
なにしろ映画の中の暴力は
人間の根本的な、部分で刺激を与えてしまい
面白い!っと思わせてしまうのだから
まるで
グラディエーターを見る観客のように、、
つまり、
アクション映画における暴力性というのは必然的でもあると言えるのですよ
アクション映画を銘打っていて暴力を全く描かないのが無理なように暴力を否定するのに暴力を描かないということ自体は不可能なのであり
暴力そのものをいくら否定していても人間はそこに娯楽性を見出してしまうという人間の怖さを孕んでいることに気づかないかぎり
暴力の危険性自体をそもそも感じることなど不可能であると言えるのです
しかしそれでも暴力映画はやはり
有無をいわせず面白いんです
バイオレンスアクションムービーの中毒性
上記の通り人間の根本を刺激してしまう暴力というものを芯を持って描けるからこそ面白くしてしまう深作欣二監督とポールヴァーボーベン監督
この二人の作る映画は刺激にまみれていて
まるで見る麻薬、これを知ったからにはもっと次を
もっと血を!もっと刺激を!
っとなってしまうのです
観客はそこに取り憑かれより刺激を求める自分のような輩にはその本質など微塵も感じる暇もなく深作欣二映画を漁っていた時期がありました
それこそがもしかしたら深作欣二監督自身が嫌っていた暴力を求める人間でもあるかもしれないのに
他の日本の映画監督の生半可な暴力性では飽きたりませんでした
グロテスクじゃないゴアでもない、暴力が見たいんだ!っと、、笑
深作監督のバトル・ロワイアル
2000年公開の深作監督の遺作になった本作
最後に社会現象を巻き起こしてこれが遺作になるなんて、、本当にカッケー人だな、、と思ってしまった自分がいます
しかも内容は中学生が殺し合うという純粋な暴力映画、暴力映画はそのパワーで見る人を圧倒してしまう魅力があるのです
あとがき
バトル・ロワイアルを見た時
小学生あたりだった自分は中学生に上がってから
15歳未満禁止の映画をレンタルか何かで見て
衝撃を受けたことを今でも覚えてます
こんな激しくてどこか切なさを感じる映画があるのかと、、
映画の刺激って本当に怖いなと思った次第です