見出し画像

成田、ドバイ、アフリカ|旅のしたく

日本とアフリカを行き来して暮らす20代会社員の日記。今週は日本を出発してアフリカにやってきました。

2023.05.08 成田空港

出発。台所のゴミを捨て、冷蔵庫のコンセントを抜く。スーツケースにパスポートとクレジットカード、イエローカードが入っていることを何回も確かめる。このイエローカードはサッカーとは関係なくて、黄熱病の予防接種記録を示す書類だ。国によっては、ないと入国審査で返されてしまう。

成田空港へ行く親子のような大きなスーツケースと小さなスーツケースを引いて中央線に揺られる。京成線が車両の故障で遅れていたので、慌てて別の電車に乗ることにした。電車は空港へ向かい、それに伴ってぼくの家からぐんぐん離れていく。

家を離れてどこか遠くへ行くことには、蛇が脱皮するように、からだの薄皮がはがれていくような緊張感がある。温かい布団から出ていくときにいつも感じる気分の重さ、重たい鎧がはがれ落ちて身軽になっていく爽快感、神経が研ぎ澄まされていく感覚がそこには同居している。

この緊張感にはいつまでも慣れない。慣れないからいいのかなと思う。慣れたら、旅をするのも楽しくなくなってしまいそうだから。

2023.05.09 ドバイ

ドバイで飛行機を乗り換える。今回は機内でよく寝た。日本からアフリカへの乗り継ぎは中東(ドバイかドーハ)が多いのだけど、免税店や通路にあふれる「人間に限界はない」「テクノロジーはすごい」「未来は明るい」という雰囲気の広告にいつも圧倒される。

ドバイ空港は床まで磨かれてきらきらしている。

ドバイの空港はいろんな国の人がいてきらきらしていて近未来的だけど、こういう広告の雰囲気はすごく若いというか、今の日本で同じ広告を出したらむしろ時代遅れに聞こえるだろう。

四時間の待ち時間を経て、乗り継ぎ。

2023.05.10 八丈島

無事アフリカに着陸し、入国。この前来たのは二月だけど、陰性証明書の確認がなくなり、空港の入国手続きは緩和されていた。ぼくは小さなこの空港を出ると、決まって「空が広い」と思う。長旅で疲れていても、ちょっと落ち込んでいても、不思議と元気が湧いてくるような空の広さだ。

首都のホテルに無事着いて、夜はUberでレストランへ食事に行く。夕方の渋滞に捕まる。迎えに来てくれたUberは日本車で、カーナビ上のぼくらはなぜかずっと八丈島付近の海上にいることになっていた。

アフリカにいるのに……

2023.05.12 北部

南部の首都から北部に車で移動。六時間も車に乗って、ぼうっと窓の外を眺めていると、しだいに景色が移り変わる。濃緑の木々。それが330kmの旅路の半分を過ぎたあたりから背の低い木や草が多くなっていく。

理由がある。この国は気候区分でいうと南部が熱帯雨林気候で、年中を通して降水量が多く、植物の生育が旺盛なのだ。それに対し、中央部から北部はサバナ気候で、雨の降らない乾季がある。乾季があると、そこで一度草木が枯れてしまうので、植物も背が低くなるのである。

だから、この国は北部のほうが乾燥に強い作物(ヒエとかモロコシ)の生産量が多い。旅をすると、人間の生活は本当に自然環境に左右されるんだなあと実感する。ドバイの空港の力強い広告との落差も際立つ。

夕方、ホテルに着く。顔なじみのフロントスタッフが「Welcome back!」と迎えてくれる。経験則だけど、このホテルのクーラーはだいたい二分の一の確率で壊れている。今回の部屋はクーラーの電源が入ったのでよっしゃと思いきや、風がぬるい。全然涼しくならない。暑い中、寝た。

(つづく)




この記事が参加している募集

#旅の準備

6,496件

#わたしの旅行記

1,307件

この記事が気に入ったらサポートをしてみませんか?