その名はカフカ Modulace 3
2014年10月プラハ
まるでクリスマスが焦って登場のタイミングを間違えたかのような感覚を覚えながら、レンカは卓上の幾種類もの茶菓子を並べた大皿を見つめていた。同時に用意されたまだ湯気の立つ淹れたての紅茶にも菓子にも手を付けないレンカをちらりと見て、レンカの斜め向かいに座るジョフィエは
「遠慮なく始めてよ」
と言いながら直径三センチメートルほどの花型のジャムサンドをつまみ上げ口に放り込んだ。
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