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聖ミクラーシュの日について解説を試みる。



久々の登場のかしゅたん&パツキンスキー、なんとオチをコーヒー豆氏に持っていかれてしまった……!

……冒頭の漫画を読んでいただくだけでは訳が分からないと思いますが、これでもクリスマス行事の解説記事です。汗
何とか、かしゅたんとパツキンスキーの解説不足を補ってみたいと思います。
お付き合いいただければ幸いです。

キリスト教の12月の伝統行事、クリスマス(一部のユリウス暦採用の正教では1月)。
そのクリスマスでプレゼントを配ってくれると言われるサンタクロースは四世紀前半に小アジアで司教であった聖ニコラウス(英語からのカタカナ表記なら聖ニコラス)に由来すると言われます。

noteでも過去二年ほどのクリスマス記事で、「チェコではクリスマスにプレゼントをくれるのはサンタクロースではなくJežíšek(赤ちゃんの姿のイエス・キリスト)である」と紹介していますが、聖ニコラウスがチェコにおいてまったく活躍しないわけではなく、彼に関する伝統行事も根強く残っています。

聖ニコラウスはチェコ語で「Svatý Mikuláš」、以下「聖ミクラーシュ」もしくは「ミクラーシュ」と表記しますが、これは聖ニコラウスの名前でもあり、行事の名前でもある、とご理解いただければ良いかと思います。

聖ミクラーシュの日は12月6日。
チェコでは大抵前日の5日の夜にミクラーシュの行事が行われます。これは、昔の(この地の)人々は新しい日の始まりは日の沈んだ瞬間から、と考えていたことから5日に行われる伝統になったそうです。
……今調べて初めて知りました。実は「なぜ前日に?」と前々から疑問だったんですけど、クリスマスもメインの日は24日だし、単に前倒しが好きな国民性なのだと思っていました、失礼しました。

12月5日の夜、聖ミクラーシュは悪魔と天使を引き連れて子供たちを訪ねます。
子供はまずミクラーシュに歌を歌い(詩を読む、という話もあります)、ミクラーシュは「この一年、良い子にしていたか」と聞きます。そして携えている本を開き、子供が本当のことを言っているか確認します。
天使は子供を褒めるため、悪魔は悪い子を叱るために連れているらしいです。
そして悪い子にはジャガイモや炭を、良い子には果物やお菓子が贈られます。

……しかし、実際に天から聖ミクラーシュが降りてきてくれたとしても、一晩ではすべての子供のところを回れないからか、5日の街中はミクラーシュと天使と悪魔のコスプレ(笑)で溢れます。

そこで、冒頭の漫画のネタが生まれたわけでして。
豆氏に「良い子にしていたか」なんて聞かれても、迫力ないですが……。

特に悪魔の仮装は皆さん、気合いが入っていまして、去年はトラム(路面電車)の中で、瞬時に目を逸らしたくなるほどおぞましいメイクをされていた方を見かけました。
もし今年、街中で気合いの入った仮装を激写できたら、コッソリこちらに追記で載せます。

ミクラーシュ前の数週間は、ミクラーシュ関連のお菓子も売られます。

お菓子はperníkといういろいろなスパイスを入れて作ったパサついたパンのようなものにジャムを薄く挟んでチョコレートコーティングしたもの。
自分じゃ絶対食べないので、スーパーでこっそり撮ってきました。
中身は上の写真と同じ。
普段から売られているお菓子に特別ミクラーシュの絵が付く場合も。
聖ミクラーシュ、スキ―板を履いています。

チェコのミクラーシュの伝統については以上です。


聖ニコラウスやサンタクロースに関するお話は、m.Aさん世界の人に聞いてみたさんのこちらの御記事がおすすめ(ちなみにお二人には2021年にクリスマス記事を書いたころに出会ったので、私の中でクリスマスのイメージが強いお二人でもあります)。

ちなみに、こちらの世界の人に聞いてみたさんの御記事のコメント欄にて、2022年12月17日に私、このようなコメントを残していたようです。

このロシア・東欧版のサンタさん、ジェド・マロースはチェコ語で言うděda Mrázですね。チェコの、特に古い世代の人はいい顔しないヤツです。
どうも50年代に共産政権の押しつけでチェコスロバキアの伝統のMikuláš(聖ニコラス)とJežíšek(イエスの赤ちゃんバージョン)を排除してロシア文化を浸透させようとしてジェド・マロースが奨励されたらしいです。

世界の人に聞いてみたさんの御記事「世界を豊かに彩るサンタさんたち」への拙コメントより


過去二年間の私のクリスマス関連記事はこちら。


note上でクリスマスに関する伝統を紹介する記事は今回で最後かな、と思います……いや、まだ何か紹介していないことを思い出すかもしれませんが、その時はまたお付き合いいただければ幸いです。


日本帰省に使わせていただきます🦖