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正しさより共感

20代から30代前半まで、私は仕事では
「正しいことが正義」と思っていました。

誰から見ても「正しい」
「間違っていないこと」をやろうとしていましたし、
間違ったことをしている人を見ると
「正しく直そう」としていました。

今思うと、融通の効かない
頭の硬い扱いにくい女性だったと思います。

当時、会計担当だった私は
お金を締めるたび、1円でも合わないと
先輩に徹底的に質問され、
どの患者さんの時に間違えたのか思い出すまで
業務が終わらないということがありました。

お金のやりとりは絶対間違えてはいけないことは
理解できますが、気をつけてはいても
お釣りの数え間違いは生じてしまいます。

私は、人から注意されるのがともかく嫌で
会計に座るのが嫌で仕方ありませんでした。
1件、1件、慎重に、
お金を扱うときは3回数え確認する
というマイルールを決めてやっていました。

おかげで私のミスはほとんど無くなり
(記憶する限り無いと思います)
集中して業務をこなし、終わったらグッタリするという
感じで、それくらい神経を擦り減らしていました。

そんな私も先輩になり、
新しく入った後輩が、会計が合わないという
状況になりました。

私は先輩に教えられた通り後輩を指導し、
どこでやり取りの間違いがあったのか
思い出すまで付き合いました。
時に、2時間以上残業することもあり、
会計担当者は、いつも定時で帰れることはありませんでした。

私はそれが「正しいやり方」だと思っていたのです。

しかし、ある時その後輩が
責任が重すぎるので辞めたいと言い出したのです。
特に、私からの指導が厳しいというので
私は上司に「話を聞かせて欲しい」と
別室へ呼ばれました。

私は自分が会計の担当者として間違ったことを
していたつもりはなく、
先輩から指導された通り指導していること、
そもそも間違える後輩が悪い、
むしろ、いつも最後まで付き合っている私は
丁寧に関わっているつもりです、とお伝えしました。

正しさ全開。


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私の正しさは、後輩を追い詰めてしまっていたのです。

これは一例です。
自分で意識している、していないに関わらず
「正義感」が強く「真面目」でコツコツ努力する上
「〜すべき」が多い私は

会議の時は、上司やドクターに対しても
正しさで理論的に説明していました。

確かにミスの少ない仕事のできる
スタッフだったかもしれませんが
周りの人を緊張させ、
近寄り固い人になっていました。

そんな私は【怖い人】だったと思います。

私自身も、いつも完璧であろうとして
疲れ果て、家に帰ると緊張の糸がプツンと切れたように
何もせず、寝てしまうこともありました。

一方、いわゆる天然キャラで抜けることも多いのに
愛されキャラの人はいませんか?

患者さんにも何度かご迷惑をおかけし、
謝罪のお電話をするほどのミス。
でも、その人はいつも笑顔で
「すみませ〜〜ん」と言って
「あの人、また?しょうがないね」
と受けて入れてもらっているお得な人。


正しいことは何も解決しない。


その人はいつも「自分はミスをする人」
「周りの人に助けてもらっている」
だから人がミスをした時、その人の気持ちが
わかるんです、とおっしゃっていました。

【共感】を言葉や態度で現していました。


正しさを振りかざす人より
愛嬌があって共感できる人の方が
周りから助けてもらいやすいのです。
起こった事象について白黒つけようとしたり、
相手を追いつけてみても恨みを買うだけなんですよね。


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次からどうするか、にシフトした方が
人も、自分も楽しくお仕事ができる。

このことに気がついたのは
子供を授かった時です。
妊娠すると、身体も心もこれまでのようにいかないことが
多くなります。
そう、完璧なんて当然、無理なこと。


仕事でも家庭でも、正論を振りかざして頑なに主張しても
そこから先は広がっていきません。
相手を追い詰めてしまうばかりか、
自分も追いつめてしまうことになります。

自分だって完璧であることは苦しいのです。


妊娠、出産、子育ては
一人でできる限界を感じずにはいられません。
特に子供に対しては「正しさ」より「共感」が大切。

誰だって誰かの「子供」です。
誰かの「かけがえのない大切な人」なんですよね。


大人の女性は
自分が正しいかどうかは横において、
謙虚な姿勢で相手の意見も傾聴することができる人。

笑顔で相手の話を聞き、楽しく明るくいる。
相手の意見と自分の意見の違うところがあれば
柔らかく自己主張する。

しなやかでエレガントに、
仕事でも人生でもどんどん「楽しい」を感じながら
前に進んでいただきたいと願っています。
どうか、私のような経験をしないで済みますように🌹








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