30年の病院勤務/③起業するまでの自治体病院(公務員)時代
病院勤務30年の実務経験から、
現場がわかる医療コンサルタント
髙村松世(Matsuyo)です。
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医療事務を目指したきっかけ
30年の病院勤務
①初ものづくし/民間病院時代②こうして診療情報管理士の道へ
40歳。
自治体病院のスタートは
委託職員からの洗礼で始まりました。
「髙村さん、この病院を
改革しに来られたんですよね?
できると思ってるんですか?」
満面の笑みで「はい!」
と答えたわたし。
そこからドラマのような人生が始まりました。
恐ろしいほどの請求漏れを発見。
恐ろしいほど患者さんの書類が溜まっていて
スタッフはクレーム対応で1日追われている。
患者クレームに耐えきれなくて
泣きながら仕事をしている職員もいました。
業務が煩雑で、職員は疲弊。
医師も看護師も、コメディカルも
「個」「単体」で仕事をしていて
チーム医療とは程遠い印象でした。
入職2日目から1年近くは、
午前0時過ぎまで
ほぼ休みなく仕事。
通勤に車で片道2時間弱かかっていたので
睡眠時間も4時間ないくらいの日々。
やること山盛り、これ、いつ終わるの?
という状態に、
仕事人生初の「無理かも・・・」
の4文字が頭によぎったくらいです。
もう、それはそれは
仕事に明け暮れました。
それまで培った知識と経験をフルパワーで発揮。
家には、ほぼ寝に帰るという状態。
それが功を奏して
1年後に収支が2億5千万円改善。
翌年、更に2億5千万円改善し、
トータル5億の収支改善という
素晴らし結果を得て、
ローカル誌に取り上げられるほどの成果を残しました。
もちろん、私1人の力ではありません。
当時、私のように外部から何人かが
採用されていました。
そして私は、ただ仕事をこなすだけではなく
学会やセミナーでも発表しまくり、
人生=仕事。
趣味=仕事。
相変わらず仕事づくめの生活を
送っていたのです。
そして、この実績の影で、
それまでの人生で受けたことのないパワハラ、
セクハラを経験します。
実績を出すためには、
これまでの膿みを出す作業が必須です。
これまでやってきた人にとっては鬱陶しくて
触れられたくないこともありますよね。
彼女たちにとって私は
「迷惑極まりない」
「鬱陶しい」存在。
ある日、
「髙村さんが、委託職員の人権侵害をしている」
と会議の場で言われました。
驚く言葉でした。
会議中に「お前、殺すぞ」と机を叩き、
殴りかかられそうになったこともあります。
朝出勤してから帰るまでに
私が発言した内容が逐一、上司へ報告され
そのことで別室へ呼び出し。
「草野球チームに大リーガー選手は要らんねん」
と言われたこともありました。
(今では褒め言葉と取っています)
同じ課内の人等からの
信じられないような反応に
え?
呼ばれて来たのに・・・
結果も出してるのに・・・
それでも受け入れらない私って・・・
民間病院時代のことも相まって、
私に問題があるんだと思い始めるようになり、
私がいたら迷惑をかける??
完璧主義で生真面目な私は、
どんどん自分を責め始めます。
年齢的なこともあったのでしょう、
これまでにないほど身体の疲れを感じ、
ある日、”朝起きたら、身体が動かない・・・”
”何故か涙が出てくる・・・”
人生二度の休職を経験します。
この体験がのちに、
私の仕事に対する人生観を大きく変える
きっかけになりました。
様々な経験を通して、いろんな人の気持ちが
わかるようになったと今では感謝しています。
そして!
復活した私は
県内で診療情報管理士の
職能団体を立ち上げることになります。
民間病院時代も、
地域で交流会を持とうと
団体を立ち上げましたが、
今回はさらに枠を広げて。
そこからまたパワフルに仕事をしまくります。
私は新たに『がん登録』という分野の
勉強を始め、県下で数名という資格を取得します。
このように濃密なキャリアを積んだことで
率先して、地元の後進の育成や、
診療情方管理士の社会的地位向上に、
さらに尽力していくようになります。
その活動をご覧になってくださった
とある院長からお声をかけていただき、
人生2度目のヘッドハンティングのお話しを
いただきました。
そこは、民間と自治体病院を統合して
新しく新病院を建てるという
プロジェクトでした。
民間と自治体病院の統合は、
業界でも
2例目という、
注目の案件でした。
高度医療の提供と、しっかりした経営基盤を
目指し、
・各病院内の再編成を行う
・部門トップを中心に意識改革
・それらを統合しつつ、
新病院での運用も構築
・組織編成
・
入院患者さんの移動
(重症患者さんも新病院へ移動する必要がある)
・人事の再編成
・全ての施設基準の届け出し直し
・学会、加盟団体への変更届け
などなど。
様々な問題を扱いながら統合し、
5カ年計画を2年で達成するという
驚異的な結果を生み出しました。
5年後には全国の自治体病院で
純利益No1の病院になり、
全国でも有名な病院となりました。
このような幸運な経験をさせて
いただいたことに
とてもとても感謝しています。
全てが財産です。
50歳。
人生の計画通り、
サラリーマン人生にピリオドを打ち、
2020年、医療コンサルタントとして起業しました。
波乱万丈の30年間でした。
この知識やノウハウを
組織の枠に囚われず、
広いフィールドで発信し、
一人でも多くの方、医療機関様の
お役に立ちたいと考えています。
まず、地域医療への貢献。
多くのクリニック、病院が経営的に苦しい
状況にあります。
医療機関が失くなってしまうと
困るのはその地域の患者さんです。
地域医療の根幹は、そこに病院がある、
ということ。
そのことに取り組みたいと考えています。
次に、病院のおける医療事務の社会的地位向上。
医療業界は、医師、看護師をはじめ
有資格者の団体です。
その中で医療事務職の地位は低く、
社会的地位も低いため、
特別な知識を習得しても
給与が一般の2/3程度なのです。
大学を卒業した若い人たちが
就職したい職業に『病院事務』が
ランキングすることを願っています。
そして、8割以上が女性という職種にも
関わらず、
管理職の8割は男性という現実。
医療事務は教育ラダーがないところが多いため、
キャリアを積むことに戸惑う人も
多いでしょう。
そんな女性の働き方を応援したい!
長く勤めたいと願う女性に
キャリアを途切らせることなく続けられる
ことを伝えていきたい!!
病院で働く女性が
生き生きと活躍する世界を作る。
それが私の使命だと思っています。
最後までお読みいただき
ありがとうございました。🎀