(わずかにネタバレあり)『怪物』、好きじゃない映画だった
残念ながら好きじゃない映画でした、是枝監督の『怪物』。
母と2人で観てきてもう数日経つんですけど、ずっとイライラモヤモヤしています。
あんまり貶すことは書かない方がいい気もするんですけど、世の中が大絶賛してるしいいよね!ということで書きます。
本当は……
「この映画をきっかけに、ずっと気になってた坂元裕二さん(脚本家)にハマれるといいな!」
という下心があって見たんですけどね。
まさかその脚本がダメとは。カンヌ脚本賞?
カンヌどないなっとんねん。
はい。
まず一言で言えば
伏線回収に納得がいかない
これに尽きます。これなんです。
序盤に伏線(謎。違和感)をたくさんバラまいて中盤から後半で回収する、これはいいんです。
最近流行ってますし、好きな構成です。
ただね、そこは上手くやらないとダメです。
普通、伏線回収されると
「そうだったのか!😳」
ってなると思うんですよ。醍醐味です。
でも『怪物』は
「いやそれならそうはならんやろ😩」
ばかりでした。
ほんと、半分以上それでしたよ。ダメです。
たとえば印象深い、走行中の車のドアを突然開けて飛び出すシーン。
あのさぁ……みなと君、君ね、ただでさえ遅くまで外出して心配かけて謝った後だよね?
その理由でそうなる?100歩ゆずって、「車を止めて!」でしょうよまずは。
たとえばその2。これも印象深い、水筒から泥が出てくるシーン。
いやいや、あの状況なら水筒の中ササっと洗って帰れるよね?
しかも散々心配かけた後だよね?てかそもそも泥多すぎ。
そもそもで言うと僕、「なんで小学生なんだろう?」って疑問だったんですよ。
伏線回収の構成で描くなら高校生くらいの方が説得力が出ていいんじゃないかと。
結果的にですけど、雑な伏線回収の言い訳に感じるんです。
「小学生ですから、そんなに考えずに行動しちゃうんですよ」って。
いやいや、小学生だからこそ必死に考えちゃうことだってあるでしょう。てか、それがこの作品の重要な要素でしょうが。
怪物だーれだ?
の投げかけとともに、いろんな人を怪しく見せたかったのは分かります。
でもね、あんなにひどく見える小学校はそうそう無いと思うし、安藤サクラが演じた母親は全然モンスターペアレントに見えませんでした。
すべて伏線回収が雑なせいです。
リアリティが感じられない。
そうなってくると……厳しいことを言いますけど、
脚本にリアリティを持たせられない人に、このテーマを語ってほしくはなかった
こうなります。
僕、この映画で描かれてるテーマに、けっこう関心があるんですよ。わりとど真ん中なんです。
それだけに、けっこう嫌でした。
「怪物だーれだ」のミスリードのために、しかも出来の悪い伏線回収のために、道具のように使ってほしくはなかった。
非常に残念です。
最後に。オチについて。
うん、たぶんそういうことなんでしょう。
一見ぶん投げエンドに見えますけど、細かいヒントや前振りはたくさん出てましたから。
安藤サクラ可哀想すぎるだろ!
見てられんわ!
そのお話をやりたいならせめて、しっかりと描くべきだったと思います。匂わせるだけ匂わせてぶん投げは、不誠実と思う。
僕からは以上です。
あ、是枝監督の撮り方は好きでした。
安藤サクラさんの演技はサイコーでしたヽ(´∀`。)/