ディレカびと 和食 ほそ川 対談インタビュー
2021/10/13
ディレカ × ほそ川
神楽坂の日本料理店「ほそ川」
店主 / 細川 敦史さん
栄養士の免許をもった異色の経歴を持つ店主にこだわりや食に対する思いを聞いてきました。
“食べた時の感情を揺さぶる料理を作る”
ーー 活水器ディレカの開発、製造、販売をしている株式会社TAMURAの原田です。今日はよろしくお願いします!
細川さん:ほそ川店主の細川です。よろしくお願いします!
ーー まず初めに、「ほそ川」のご紹介をお願いいたします。
細川さん:神楽坂の日本料理店「ほそ川」です。2008年に新橋で始めて10年弱ほど、それから神楽坂に移転してきました。新橋で独立する前に、修行していたお店にご縁がありまたここ神楽坂に戻ってきました。
ーー 和食の世界に入られたきっかけはなんだったんでしょうか?
細川さん:元々栄養士として勉強していたので、料理をやろうと思ったきっかけも、栄養士としてのスキルアップでちゃんと料理ができた方が栄養士としてより向き合えるなと思っていました。がっつり料理人になるつもりは最初はなかったんです。病院食など、そういうのをやるのに役に立つのは和食だなっていうのがあって、やるからには腰掛程度ではなく、きっちりやってみようと思って和食を始めました。
ーー 最初に修行された店が、今の「ほそ川」を構えているここということですね。
細川さん:はい。「旬の膳 弥生」というお店でした。
ーー このお店をやられるうえでの信条だったりこだわりというところを教えてください。
細川さん:当初の2008年、毒入り餃子というのが流行った時期で、、、世の中的に食材に対する安全性などの注目度がすごく上がってきていました。
食材に対して当初はいいものを使う意識はありました。例えば市場よりも直接買う方が良いみたいな、そういう試みをやろうと思っていたのですが、やってるうちに市場に集まってくるものの良さに気づきました。直接取引ももちろん良いのですが、市場には全国から食材が集まってきます。その中で更にアジだったらアジを30年間目利きしているプロの人が仕入れや買い付けに来ていて、その中でそのプロが〝今日これがいいよ“ っていう、実はすごい職人の目によって選別されていることがわかってきたんです。自分ではまだわからないところに精通しているプロの凄さを市場に通うようになって感じました。それからは新鮮であることも踏まえ、さらに目利きの人やプロフェッショナルの人達が選んだものにも興味を持つようになりましたね。
ーー 自分で見てというのももちろん経験されて、目利きの職人さんへの印象が変わったんですね。
細川さん:今考えると当時は新鮮さしか考えてなかったという部分があって、でも実はそうじゃないんだよみたいな。</span>
ーー 今は市場の目利きの方との信頼関係を非常に大切にされてらっしゃるんですね。日本食という仕事でのやりがいですとか難しさについても教えていただければと思います。
細川さん:やはり食というのは、良いことも悪いこともストレートにわかるので反省する部分はあります。ときに注意されたりもすることがあります。反面喜んでもらえることも多くあり、同じだけダイレクトに受け取られるっていうことですね。あとは13年ほど店をやっていて、真面目に続けることで評価してくれるお客さんも出てくることです。そういうことがだんだんわかってきて。だからもう地道に実直にやっています。それで喜んでもらえたらと思っています。料理が元々好きなので、好きなことをやって、やり続けることによって評価してくれる人がおられる。おかげでどんどん料理にハマるじゃないですけど、そういうやりがいはありますね。
ーー 栄養士さんから料理人になった方っていうのは異色の経歴かなとは思うのですが。
細川さん:そうですね。栄養士のときはそんなに美味しさを考えていませんでした。カロリーだとかその病気に合わせたものとか、計算機で献立を作るようなことが普通だと思ってました。献立を作るのは栄養士ですが、実際に調理するのは調理師です。ところがそこの関係性はあまり良くない場合が多くて、なんでだろうなと思っていました。それで実際に調理人になったら、やっぱり作るからには美味しく作りたいということがわかりました。
調理人であれば、このレシピでどう考えても美味しくならないよっていう、そこで衝突はするんだということがわかりました。やるんだったらやっぱり料理やってる方がストレートに楽しいですね。
栄養士的な考えも入れようか考えた時代もありましたが、今はそれは置いといて、それだったらこのお水だとか安全なものを使って適切な量を食べてもらって。健康食じゃないですけど、そういうことに重点を置いてますね。
■食べるときの感情を大切にしている
ーー 「健康食」というワードが出ましたが、今サプリメントとか完全食などが流行っていますね、そこに関してはどういうお考えをお持ちですか?
細川さん:健康補助食品ってすごく便利で必要だとは思うんですけど、健康補助食品は食べても嬉しくもないし、楽しい気分にもならない。やっぱり何かを食べたとき、お酒を飲んだりしたときに湧き出る『美味しいな』っていう気持ち、その感情自体が免疫を活性化するのに重要だったりすると思っています。だからもう極端な話、天気がいいな、気分が晴れるなみたいな。そういう何か気持ちの変化っというのはサプリメントだと体験できないこと思うんです。
きちんとした量を取れて摂取することだけで、味とか香りとかではないので、補助食品は補助食品として便利なものっていう考えですね。
ーー 食べるときの感情、そこを非常に大事にされてるというのが今の短いインタビューでも感じられました。ところでジビエ料理も出されているとお伺いしました。
細川さん:肉はやっぱり洋食屋さんの方が火の入れ方もうまいし、和食では別に使わなくてもいいかなと思っていたのですが、北海道の北見の人がサンプル持ってきてくれ、とても美味しかったんです。
ただそれを和食で使うのはどうかなと思ったときに説明されたのが、鹿熊猪って元々日本にいたもので、それこそ正倉院とかに鹿革で作ったものが残っているらしいんです。ということは、この日本の国の大昔の人たちって、それら食べてたっていうことですね。
だとしたら、牛豚を使うよりも、鹿猪熊って日本人の先祖が大昔から食べたものを使うことは、和食としては理にかなっているなと、それから積極的に使うようになりました。
ーー どのような提供の仕方をされているのですか?
細川さん:炭焼きが一番多いですね。
牛とか豚は飽和脂肪酸ですけどジビエ類の油は、魚と一緒で不飽和脂肪酸なんです。DHAとかそういうのが含まれている油なので、食べてもいわゆるベタつかず、すっと入っていきます。これだったらコースの中で出てきても急に重たくなることもないし、味とその背景にある〝昔から食べてる“ ということで使っています。
ーー 食材の安全性は気にされてると思いますが、どういうところを特に見てらっしゃいますか?
細川さん:実際に食べてみての違和感だったり、あとは扱っている人の人間性みたいなのはすごく見ますね。
ただ売ればいいだけの人ではなく、売る商品に対してどれだけの愛情というか、思い入れがあって、自信を持って売ってるか、、、そういうのを見ています。そういう人は、駄目なものは駄目で、よくないので出しませんとか、そういうところをはっきり言ってくれる人が多いですね。
ーー 弊社のディレカ導入していただいている農業や水産業のみなさんは、そこのこだわりが良い意味で強い方が多い印象を受けます。料理自体、食材も含め水がかなり密接に関わるところだと思います。
ここからはディレカや水について伺っていきたいと思います。まず「水」に対するイメージをお聞かせくださいますか?
細川さん:東京生まれなので、小さい頃から水道水は飲まない家庭環境でした。浄水器がその当時ついていたのです、そのカルキの臭いとか、そういうのに対しては子供の頃から敏感に育てたと思います。
水道水が出てくるお店だとちょっと水飲めないなあとかそういうのはありました。
ーー 実際ご自身のお店をはじめられるにあたり、水へのこだわりは考えていたのですか?
細川さん:結構いろんな水関係の営業は来ていました。その度にその水を調べていましたがピンとこないのと、本当に変わってるという実感がなく変えようとまでは至ってこなかったです。
ただディレカの場合は飲んでわかりました。今のお店の水を飲んだときに、あっ違うっていうのは何かわかったのと、それから使ってる人の話を聞き、気になってすごい良いなと思いましたね。
ーー 水が料理に対してどういう影響を与えましたか?
細川さん:基本は昆布とカツオで他にも貝柱やいりこなど、だいたいを乾物を水に浸けて戻すという方法で出汁をとることが多いんですけど、入れたときにどれだけ出汁が出るかというのはすごく重要になってきます。その出方がディレカだとはやはり良い気がします。
ーー ちなみに最初にディレカに期待したことというのは、素材の味を出してくれるとかそういう部分が大きかったのでしょうか?
細川さん:そうですね。あとは抗菌作用というか野菜類やそれこそ魚を洗うときですね。洗うことだけでも、そういう細かい変化が出るとこまでできるのはいいなと思いましたね。あと浄水器ですとカートリッジをすぐに変えなきゃいけません。ディレカはそれがないのもいいですね。
ーー 他にディレカを入れてから感じられた変化はありますか?
細川さん:例えばお魚を煮るときに、水とお酒だけで煮るとどうしてもちょっと物足りなくなった感じがしていたですよ。
だから出汁をちょっと加えたりしてバランスを取るところがあったのですが、兜煮などを作るとき、水とお酒を少しだけでも味が非常にでます。余計な味付けをしなくても素材の良さが出るようになったところはありますね。
また味がすごいクリアになりますね。お吸い物とか作ると、味が早く決まるようになった感じがしますね。ぼやけてる部分が少ない。それまではどうしても味が決まらないときがたまにあったのですけど、そこら辺のぼやぼやがなくなりました。その味の輪郭みたいなもがクリアに感じられるようになったと思います。
このことは、実は使い始めて結構してから気づいたことでした。はっきりとそう思うようになったのはディレカを付けて1年ぐらい経ってからですね。普通に当たり前にやっていましたけど、新橋のときはこういうふうにやってなかったって思って。ちょっと出汁を足したり調味料も入れてましたからね。調味料を入れる量が減り、その分素材の味を感じながらということができてきている感じがしています。
ーー 本日はお店のこだわりや貴重なお話がお伺いできて大変有意義な時間でした!ありがとうございました!
現在ランチ営業もされています。ぜひほそ川さんの美味しい料理を堪能してみてください。
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