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担当者レポート②

あくまでも担当者視点での振り返りなのでそのように認識してくださいね。

こんにちは。小川です。

先の記事でも自分なりに三者の視点で整理したと書いてみましたが、一応もう一回書きます。
G7:
コロナ禍によって社会が変化したことによる教育構造の見直す方針を話し合う(って言ってた)
国 :
大きな事件・事故なく会合を終えること
2県連動型開催の成功
地元(富山):
なるべく多くの子どもたち(若い世代)に会合に関わった実感を少しでも持って欲しい
地元の魅力発信

このうち地元の魅力発信にスポットをおいて振り返ってみようかと思ってます。

とりわけこういった大きな事業が地方で開催されることの意義は、なんと言ってもシティプロモーションだと思ってます。
特に国際会議ともなれば、その場所での議論がそのまま地方の事業に反映されるかというとそうすんなりいかないと思います。

宣言に沿った事業を単純につくりだそうとしても、会合で話されている内容の大部分の主語は国。
ましてや教育というまた特殊な分野においては、未来を担う若い人材育成。
地方が主体で事業を行うためには、宣言を咀嚼して組み立て直して、かつ、地方が抱えるヒューマンレベルの課題に沿った上で、説明できないといけないですしね。
単純に市政・県政に反映とはいかないかと思ってます。


それはさておき、自分が主に関わらせてもらったプロジェクトで地元PR、地域の魅力発信の分野がありました。
今回の事業の中でも海外から来訪された方に
・魅力的な場所を知ってもらう【プレスツアーやエクスカーションなど】
・食文化を知ってもらう【歓迎夕食会など】
・工芸品に触れてもらう【お土産、記念品など】
・上であげる以外にも色々なものを見てもらう【体験や展示など】

って感じです。


チームの方針というか自分の立ち位置が、スクランブルというか縦割り無くしてなんとなく関係ありそうなところは関わるって感じだったので、幅広く色んなことに関わらせてもらいました。
これ以外にも市役所・市教育委員会との橋渡しやフォローとかも担わせていただきました。



今回の地域の魅力発信方法やコンテンツを考えるにあたって、短期間で県内について広く深く知る必要がありました。

自分のルーツはやっぱり、富山大学芸術文化学部時代の高岡エリア、それに加えて、社会人10年の富山市エリアです。
それ以外は知らないことが多く、伝統工芸、伝統文化、自然、産業など、富山県というフィールドに立ってみて改めて富山という地域の深みを知るきっかけになったことは自分の中で財産になったと思います。


まず、全体プロジェクトの中で一番最初のプロジェクトとなったプレスツアー。
※県外から記者を誘致して、記事を書いてもらうためのツアーです。

ただし、ただお金を積めば来てくれるという単純なものではなく、「①記者個人が興味があり、かつ、記事として書きたいと思えるもの」、「②記者の都合がつくこと」、「③(海外メディアの在京記者の場合は特に)母国にある本社に認められている内容のもの」の3つが絶対条件です。

これを度外視してしまうと、プレスツアーそのものが成り立たないのでご留意ください。
(誰宛てかわかりませんが参考になれば)

あと、「4〜5月は全国で大臣会合が相次ぐ時期で3〜4月はプレスツアーが乱立する時期だったのでよっぽどの内容じゃないと記者が参加してくれない」という謎のプレッシャーを与えられておりました…

加えて今回は、石川県と合わせた一泊2日ツアーだったのでお隣とのバランスも大事でした。

ちなみに富山市でいうと、委託先からの情報によると前市長時代にプレスツアーは沢山実績があって、コンパクトなまちづくり、路面電車(南北接続後の展望を含め)、ガラス美術館などの主たるコンテンツは既に取材され記事化されており、大きな変化や工夫がない限り上のコンテンツが主でも参加することはないと言われ、何度も組み直しを行いました。
※この辺は石川県の兼六園や金沢城、東茶屋街なども同じ

このことから、いろいろ模索した結果、両県共に「場所」や「事業」をメインとしたではなく、『人』にスポットを当てたツアーの方針として組み立てることとしました。


そこで組み上げた富山のプレスツアーを組み上げる上での
メインテーマは、「伝統を守る・支える人」
サブテーマは、「富山の工芸と伝統を守り続けるための人材育成(教育)」
です。

行き先と内容は、こんな感じです。
【集合場所】富山駅フロアシャンデリア
 →路面電車南北接続、連立立体交差などに関するイントロダクション
【道中】
 →立山連峰や富山湾など富山地域の説明
 →富山の水の配布と紹介

①雲龍山 勝興寺
 →平成の大修復を請け負った宮大工の取り組みと修繕技術の継承
 →勝興寺の歴史

②富山県美術館 ビビビとジュルリ(昼食)
 →富山クラフトの器と県産食材を使ったランチ
【道中】
 →映像で富山を紹介

※ガラスの映像を使いましたがYouTube上にないので割愛

③Taizo Glass Stadio
 →富山ガラス造形研究所一期生 最前線で活躍するガラス作家

④富山ガラス造形研究所
 →ガラス工芸の未来を担う人材育成の場の見学

⑤富山ガラス工房
 →SDGsの視点で取り組むプロジェクト「リメルトガラス」
 →市民県民がガラス制作に身近に触れることができる体験工房の見学
 →工房がバックアップするガラス作家支援とガラス作家のインタビュー
 →ショップやレンタル工房の紹介
【道中】
 →次の行き先の建設の背景にあるコンパクトなまちづくり政策の説明

⑥富山市ガラス美術館
 →富山におけるガラスの歴史の紹介
 →ガラス工芸人材育成の発表の場であり、かつ、図書館と併設された誰でも気軽にガラス作品に触れられる環境の紹介

【その他】
 →最後は、富山湾鮨を堪能できるお店に送り届け

内容としてとてもニッチで個性的なツアーとなりました。
プレスツアーだけでも細部までこだわって組み上げたことは既に懐かしく遠い昔のようです。

勝興寺では宮大工の実演
若手へ継承される技術も目を見張るところがあります
プレスツアーに参加した記者もカンナ体験
Taizo Glass Studioではガラス作家安田さんが解説
ガラス芸術・技術の学びの場 富山ガラス造形研究所にて
富山ガラス工房第二工房では、見学や体験
ショップでは工房オリジナルガチャガチャでミニ作品をプレゼント


結果として、10名募集のところ9名。
コーディネートをしてくれた事業者曰く、G7閣僚会合やプレスツアーの乱立時期であるこの時期にこの人数が集まったことは異例中の異例とのこと(伝わりにくいですよね。)で、事業者にとっても良い機会となったとのこと。
今回集まった記者は、伝統文化、伝統芸能、社会問題などをメインテーマにしている方が多くいらっしゃっており、国際問題として、「継承」に課題を抱えていることがわかりました。

G7推進班に異動するまでの2年半は、富山市のプロモーションを担当していたけど、発信したいものベースに考えて試行錯誤しながら取り組むことと、求められている情報ベースに発信する情報やアプローチの方法を精査して取り組むことでこんなにも異なった成果が出てくるとは思いませんでした。

どちらが良いかと言う点においては、それぞれ良し悪しあると思いますが、今回のプレスツアーをスタートから組み立てて、当日運営とアテンド、事業まとめまで携われたのは中々体験できない財産になったと思います。

そして、イタリアの記者さんからその場で「東京に戻ったらすぐに本社に企画をあげてガラスに関する記事を書くために改めてここに来るよ!」と言われたので、すぐにガラス工房のスタッフに繋ぎ、調整に入ることも嬉しかった出来事の一つ。
英語で話されたけど、はっきりと内容がわかりました。
在京メディアの報道やレポートはいつ出るのかわからない部分も多々ありますが、ひとつ、ガラスをしっかりとPRしてもらえたのは良かったです。

最後に本日時点で、また別の記者がガラスに特化した記事をあげてくれてます。
それも嬉しかったです。


レポート①はこちらから

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