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2023年読了した本・小説のふりかえり

2023年に読了した本(漫画は除く)を振り返ろうと思う。漫画は数が多いので、別の機会で。ブクログの本棚を見ていると、今年の読了した本は30冊くらい。その中から、ジャンルごとの良かった本と、総合ベスト本を書いていきます。


総合ベスト本
『アラスカ 風のような物語』 星野道夫

実は正月に読んだ本。年明け一発目に読んだ本が、総合1位になってしまった。このころはnoteをやっていなかったので、何にも書いていないが、今だったら長文感想を書いていただろう。それくらい感動した。

写真家である星野道夫さんが書いたエッセイ。彼のことは、高校の英語の教科書で知ったのが最初。美しいアラスカの自然を撮影する写真家として紹介されていた。

この本もそうした自然のことについて語った本なのかなと思っていたのだが、違った。もちろん、自然の美しさの描写もたくさんあるのだが、メインで書かれるのは、その自然と一緒に過ごす人々の物語だ。

エスキモーたちや、同じくアラスカの自然を撮影する同僚たち。飛行機のパイロットや、安らぎを求めて移住してきた人々。アラスカの雄大な自然とともに生活している色んな人々のことが描かれる。そして、それらを通して、「人間と自然」という雄大なテーマを描いているのだ。


といっても、偉そうに環境保護を語るような本では決してない。彼の素朴で優しい文体で、ポツポツと語られる人間の営み。そこには、人間によって破壊されることも、一つの自然の状態だという、ある意味シビアな彼の受け止めも描かれる。漫画『寄生獣』と同じ考え方で自分はすごく好きになった。

本当に、彼は素直な人なんだと思う。アラスカの自然のように、ありのままの姿で感じたことを書かれる文章はすごく美しかったし、読んでいて心に残るフレーズだらけだった。


ベスト小説部門 
『キドナプキディング 青色サヴァンと戯言遣いの娘』 西尾維新

今年は小説をほとんど読んでいない。これを入れても4、5冊くらいか。小説好きとしては恥ずかしい結果である。そんな数少ない小説の中で、この本を選んだのは、純粋な本の面白さだけではなく、読書体験としてすごく印象深かったからだ。

この作品の『戯言シリーズ』は西尾維新の中で唯一好きなシリーズで、高校生のころからずっとファンだった。何度も読み返したし、読み返すたびに1日があっという間に消えていった。

そんなシリーズの外伝ではないシリーズ続編。超絶久しぶりの刊行である。すごくワクワクしていた。秋葉原の本屋を何店舗か周り、売り切れの多さにこのシリーズの人気を再実感しつつ何とか購入。

我慢できずに、近場のファミレスに入り、その場でビニールを破いて本を読み始める。「本の発売を心待ちにする」体験がおそらく初だったので、そこも含めて思い出深いのだ。


もちろん、内容も良い。昔の西尾維新が帰ってきた、という感じで、相変わらずの文体、セリフ。『クビキリサイクル』ほどの衝撃はなかったものの、シリーズ復活作品としてはすごく良いクオリティだったと思う。

でもそれを上回る、あのドキドキが忘れられない。余談だが、この本を読んだ後、ずっと発言の後に「戯言だけどね」と思うのが癖になっていた。恥ずかしくて声には出してなかったけども。


ベストエッセイ本 
『月と散文』 又吉 直樹

星野道夫さんの作品もエッセイだが、あの本は全ジャンル含めたベスト本ということで。それ以外のエッセイだと、この本になるかなと思う。非常に悩んだ。

とにかく、「はじめに」が最高すぎる。同じ表現者(というとおこがましいが)としてすごく共感できた。もちろん、それ以外の話もさすがの文章力。とりあえず読んでいて損はない。詳細は別記事で書いているので、どぞ。

色々とエッセイは購入はしているので、積んでいる本を消化したいと思う。スキマ時間に気軽に読めるのがエッセイの良いところ。


ベスト評論本
『取材・執筆・推敲――書く人の教科書』

評論本はエッセイ、小説以外のジャンルのこと。個人的には1番心に残ったのは、この本。

何といっても、自分の2023年はnoteをはじめたのが1番の変化だった。割りと日常から大きく変わったと思う。

そんな自分が、「書くこと」ってなんだろうと考え始めた時に出会った本。ドンピシャだった。文章術とかではなく、「書くことの心構え」的な内容になっている。これも別記事で1つ出しているので、ぜひ読んでほしい。3,000文字を超える長文記事になるくらい思い入れがある本。


まとめ

ブクログをやっていて良かったと思った。読んだ本はKindleを見れば分かるが、本当に今年読んだかは分からないので、非常に助かった。
読書記録はマメにつけていきます。

しかし、カウントしてみたら意外と多くの本を読んでいて驚く。月1冊くらいかなと思っていたら、2,3冊は読んでいたとは。去年のほうが、面白いと思える快作が多かった印象だったのだが、何だかんだこうして振り返るとそれぞれの本から学びや思いがあったことを思い出した。いい機会になった。

他に私が読んでいた本についての感想は、メモレベルですが、ブクログというサービスで残しているので、お暇なかたはどうぞ。本棚形式で読んだ本をデジタル上で並べられる、良いサービスです。

#今年のベスト本

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