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【旅行記】遺「跡」の良さを実感した岐阜旅行

岐阜旅行に行ってきた。20くらい年上なのだが、色々とウマが合い、仲良くしている元上司とふたり旅。相手は関ケ原が目的、自分は愛知の犬山城、ということで、中間地点の岐阜県を中心に2泊3日の旅行の旅となった。

道中や夜は美味しい飯と酒を楽しんだが、振り返ると、観光地として存在する遺「跡」の魅力を考えさせられる旅だった。


1日目 関ケ原~陣取りのセンス~

1日目の関ケ原。人生初の関ケ原。レンタサイクルを借りて、1日かけて探索。割りと瞬殺で見どころなんかないだろうと高をくくっていたが、全然そんなことはなかった。

陣跡と言われる、各武将が陣地を取ったと言われる場所を巡る。これが思ったより楽しかった。もちろん、見栄えは全然よくない。小高い丘の原っぱに、石柱が1本立っていて「〇〇の陣跡」と書いてあるだけだ。

でも、関ケ原全体の流れや結果を学んでから、その陣跡に行き、そこから見る景色を見る。そうすると、凄く面白い。なにが面白いって、その陣跡から見ることのできる光景から、考えるのが楽しいのだ。


家康の最初の本陣なんかは、戦闘指揮を詳細までするつもりはなかったのか、全体は把握できなさそうな後ろの陣。一方、三成は自軍の状況をしっかりと把握できる小高い丘の要所を取っている。

黒田長政の陣跡なんかも見ると面白い。全体を見通せる位置関係、かつ本体の石田三成を横から奇襲できる、絶妙なポジショニング。親のほうが有名すぎるけども、息子だって伊達じゃない。

小早川の陣跡の位置を見て、裏切りそうなやつがあのポジションにいたらダメだよなぁ、とか。

絶対に、インスタ映えなんかはしないし、何も情報がない中で訪れても面白くはない場所。それは間違いない。でも、その「跡」がある場所と、歴史の事実を組み合わせて、色々と考える。そこがこうした遺跡巡りの醍醐味かもしれない。


2日目 苗木城~建物がないからこそ、ある魅力~

2日目は、自分が希望していた馬籠宿に行くことに。その途中で、日本有数の山城跡、苗木城に行ってきた。正直、その日の目的だった馬籠宿よりも、ずっとこっちのほうが良かった。

あいにくの天候だったが、個人的にはそれがより魅力に拍車をかけた気がする。

下手くそ写真なので、魅力は伝わっていないかもしれない。何が良いってこの「荒廃した感じ」。絶妙な残り具合だと思う。

柱跡しか残ってないような城跡だと、さすがに想像で補わないといけない部分が多くて、そんなにテンションは上がらない。でも、この遺跡は違う。
石段などは確実に残っていて、そこに蔦や木が絡まっている感じ。アニメ好きとしては『天空の城ラピュタ』を想起してしまう。

また、巨岩好きとしても大興奮スポットだった。こんなデカい石がこの世に存在するのか、と思うくらいな巨岩がそこら中にある。それをベースにして城を建てているのも凄い。


この城の魅力は、城として「残っていない」ことが大きな魅力になっているのだろう。

正直、山城としての「城感」は、故郷の岡山の誇る現存天守閣、「備中松山城」のほうが高いと思う。建造物としてのレベルも、多分あっちのほうが高いだろう。

でも、見ていて興奮するのは不思議とこっちなのだ。
きっと、これは城「跡」だからこそだと思う。巨岩やそこに積み立てられた石たち。そこに絡まる草花。そこに長い時の流れを感じたり、そこに建っていた人工物の存在に想いを馳せる。そうした「楽しさ」は現存天守閣にはない。

当時はこんな感じだったらしい


観光地の楽しみ方を学んだ旅だった

3日目は犬山城に無事に行けたり、台湾ラーメンを食べたりと色々と楽しんだが、特に大きな学びはなかったので割愛。

今回の旅では、観光地の楽しみを再認識したというか。自分の中で観光地に行った時に感じる「楽しさ」に種類があることを認識できた良い旅だった。


こんな建物があって「凄い」と感動する受動的な楽しさと、真逆の「想像すること」の能動的な楽しさ。
どちらも違う楽しさで大事にしたいが、今回の旅で感じたのは後者のほうだった。

遺跡の「跡」であることの魅力を感じた旅。そんな旅でした。いい場所だったので、また行きたいな、岐阜。



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