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「隠されし遺産を求めて~トリニティの課外活動~」 感想 

今年のブルアカの夏イベの感想をつらつらと書きます。一応、ネタバレあるので注意。

夫婦漫才

まずイベントストーリー。

このストーリー自体は、すごく単純。ウイ・ヒナタの古図書館ペアとコハル・ハナコの補習授業部ペアで、シスターフッドの遺跡を探索しようというお話。

何が面白いって、ハナコとコハルの夫婦漫才のようなやり取り。ハナコが下ネタを言って、コハルが「エッチなのはダメ!死刑!」とツッコむだけの、すごく懐かしさを感じるギャグ会話。なんというか、2000年代のエロゲのギャグシーンを見ている感じがする…

この2人の会話のテンポがいいし、いい感じのコミカルな雰囲気が助かる。正直、ウイとヒナタだけだと、何とも言えない緊張感のある雰囲気でシンドかったと思う。


ハナコの退化と成長

今回の物語は、ただ単なる遺跡の話だけだと、ボチボチな話で終わっていただろう。途中、1話挿入されるハナコのエピソードが凄く良かった。本当に賢こすぎて、苦労する子やで…

このエピソードでは、ハナコが今回の小旅行を計画した思惑を語る。それは、補習授業部で海に行きたい、友達になれそうな子と遊びに行きたい、という少女らしい純粋な動機だ。でも、その甘えや欲を正直に言うこともできず、遺跡の調査だったり、そういった社会に利益をもたらす合理的な理由がないと誘えないのだ。

しかも、そんな自分の面倒くさい側面も、賢いから客観的に認識している。分かっていて、自己嫌悪しながらも、治せない。苦労する性格だよなと思う。


でも、今回の夏イベでは、先生と2人きりの時にその少女らしい自己の欲望を打ち明ける。

エデン条約編でも、最終編でも、参謀役や対立する人々(ヒマリとリオのような)取直す「大人」に近い役割を果たし続けたハナコにとって、初めて「子供」らしい側面を出すことがでたエピソードだった。
これは、ある意味では、「退化」とも言えるかもしれない。子供らしいワガママを言う、非合理的な選択。でも、そんなことを素直に打ち明けられるように、「成長」したとも言える。1つ、人間らしくなった。


ある意味で、この話はハナコにとっての救いのエピソードだったと思う。
彼女は、自分の合理的で打算的な性格、そんな自分が嫌いなのに、人々がその役割を押し付けようとしてくることに嫌気がさしていた。
そんなハナコが、ワガママを言い、友達と遊ぶ、そんな普通(ちょっとエッチだけど)少女でいられ、そしてそれを受け入れてくれる人々と居場所をようやく彼女は見つけられたということ。

アズサもヒフミも、ミカもアリウスもエデン条約編で救われたが、この夏イベがハナコにとっての本当の救いのエピソードになったのだろう。
最後の補習授業部の水着勢ぞろいシーンも含めて、本当に見たいものを描いてくれるよ、ブルーアーカイブは…


改めて思ったウイの魅力

ウイは元々好きなキャラだったが、今回のイベントで改めてその魅力を感じられた。

今回は、何度も自分の思い込みでノンデリな発言をしてしまい、後悔してしまうウイが描かれる。その気持ち、凄く分かる。ノンデリ発言をしてしまう人は、それを後悔しないわけではないのだ。言った後で、後悔する。


後は、ヒナタやコハルとの関係性も面白かった。まさに、陰キャの思考、人付き合いの考え方だ。

純粋でまっすぐなヒナタに、眩しすぎて目を背けたくなる気持ちも分かる。でも、そのまっすぐさに魅力を感じ、惹かれてしまう、というのも分かる。だから、本当は凄く好意(Like的な)があるのに、態度で上手に表現できずに、「離れてください」なんて言っちゃう不器用さ。カワイイ。

後は、コハルとは全く仲良くならなかったのも、リアルで良い。そうだよね、互いに人見知りで、友人の友人ってポジだったら、あーなるよね…
変にみんな仲良し大団円、という結末にしなかったのは好意を持てる。


そして最後の遺跡、そこにある歴史に対する語り。

そもそも……遺物というのは、歴史を後世に伝えるだけの存在とは限りません。
そういった意志のもと残された物もありますが…思い出として、その地に自分たちの足跡を残したいという、純粋な気持ちのものもあるはずです。
(中略)
たとえ誰の目にも触れなかったとしても、大切な思い出を形として残したかった。
…それがあの子の使命であり、責務だったと思います。
それをわざわざ掘り起こして、保管庫に収めたり、博物館に展示するのは…
あの子を軽んじる行為です。

イベスト10話より

これは自分もハッとさせられた。自分も歴史が好きで、遺跡だったりにも頻繁に行く。

でも、ウイが言った通り、何でもかんでも観光資源としてしまうのは、どうなのだろうかな、とも思った。権威を見せびらかすために建造された神殿とかならともかく、個人の手紙なんかも偉人の展示会だと見せられている。
確かに、歴史や偉人への思いやりがない行為だ(自分だったら絶対に嫌だ)。


イベストは良かったけども…

良いセリフもあったし、新たなキャラの魅力の深掘りもあった、良いイベストだったと思う。ただし、ミニゲーム、あれは少し残念…正直過去で一番シンドいかも…

周回前提なのに、攻略サイトなど熟読しないと、1周するのにもめちゃくちゃAPかかるし、運ゲーがすぎる。復刻の時に修正入るのを期待してます。
以上、ブルアカの夏イベの感想記事でした。


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