このアルバムにはたくさんのソウルが入っている。「最高のニューミュージック」と称賛されるアルバムとは!? Kali Uchis - Red Moon In Venus (2023)
Kali Uchis(カリ・ウチス)は、コロンビア人の父とアメリカ人の母を持つアーティストで、2012年にミックステープ「Drunken Babble」でキャリアをスタートさせました。その後、2015年には、Tyler, The Creator、KAYTRANADA、DiploなどがプロデュースしたEP「Por Vida」が話題を集め、彼女の才能が世界中から注目されることになりました。
2017年には、コロンビアのミュージシャンJuanesとのシングル「El Ratico」がラテン・グラミー賞の「年間最優秀レコード賞」にノミネートされ、カナダ出身のシンガーDaniel Caesarとのシングル「Get You」はグラミー賞の「ベストR&Bパフォーマンス賞」にノミネートされました。
続く2018年には、デビューアルバム「Isolation」をリリースし、2020年にはスペイン語アルバム「Sin Miedo (del Amor y Otros Demonios)」を発表。このアルバムに収録された「Telepatía」はSpotifyで8億回以上ストリーミングされ、ビルボード誌の「2021年のベストソング」でも5位に選ばれる快挙を達成しました。
そして、3年のブランクを経て、待望のアルバム「Red Moon In Venus」をリリース。
「Red Moon In Venus」は、彼女のこれまでの作品と同様に、多様なジャンルを融合させた楽曲が特徴です。アルバムの中で彼女は、ポップ、レゲトン、ファンク、ロック、R&Bなど、さまざまな音楽スタイルを探求しています。
ここでは、このアルバムについて解説します。
レーベル : Geffen Records & Interscope Records
リリース日 : 2023年3月3日
名前 : Kali Uchis
本名 : Karly-Marina Loaiza
年齢 : 28歳
出身地 : バージニア州アレクサンドリア
2枚のアルバムを同時に制作?
2022年4月に「3枚目アルバムと&その次が両方完成した」とアルバムが完成したことをツイートし、1枚は英語、もう1枚はスペイン語で、その後2023年に両プロジェクトをリリースすると発表しました。
また、このアルバムは2018年頃から制作しており、スペイン語のアルバムと同時に進行していたようです。
2022年末、彼女はTikTokにアルバム曲の一部を投稿し、ファーストシングルを選ぶようファンに呼びかけ、そこで選ばれたシングル「I Wish you Roses」は、2023年1月にリリースされました。
この曲のMVでは、1999年に公開された映画「アメリカン・ビューティー」のワンシーンを再現しており、彼女はこの曲について次のように明かしています。
Kali Uchis - I Wish you Roses
アルバムに込めた想いを明かす
5年の歳月をかけて制作されたアルバムのタイトルは、「Red Moon」、つまり「ブラッドムーン:皆既月食」を意味しており、このタイトルは時に不吉な予兆のようにも感じられるかもしれませんが、彼女は「セクシーだと思う」と話しています。
そう明かす彼女の今作は、全15曲が収録され、ゲストにはDon Toliver、Summer Walker、Omar Apolloが参加。
アルバム3曲目の「Worth the Wait」は、インディアナ州ホウバート出身でメキシコ系アメリカ人のOmar Apolloをフィーチャーし、2人のハーモニーが心地良いスローナンバーとなりました。
Kali Uchis, Omar Apollo - Worth The Wait
6曲目の「Fantasy」は、カリ・ウチスの現在交際しているDon Toliverをフィーチャーしています。
この曲は、数々のヒットソングを生み出しているナイジェリアのプロデューサーP2Jとの共同プロデュースで、2人の歌声と彼のアフロビーツが相俟って、このアルバムの中では数少ないアップテンポなナンバーとなっています。
Kali Uchis, Don Toliver - Fantasy
9曲目の「Endlessly」は、Destiny’s ChildやMichael Jacksonといったスターの楽曲を数多く手掛けたRodney Jerkinsが共同プロデュースしており、彼女は著名なヒットメーカーとの制作についてこう振り返っています。
Kali Uchis - Endlessly
Summer Walkerを迎えた13曲目の「Deserve Me」は、2019年に書かれた曲で、アルバムの中で最も古い曲となりました。
また、この曲を作るにあたり、より良いものにするために何度も模索し、見直してきたようです。
Kali Uchis, Summer Walker - Deserve Me
アルバムからのセカンドシングルとしてリリースされた14曲目の「Moonlight」は、Ed SheeranやJustin Bieberといったポップスターを手掛けたbenny blanco、またKanye WestやThe Weekndのヒットソングを手掛けたCashmere Catが共同プロデュースしています。
Kali Uchis - Moonlight
おわりに
今作にはスローなR&Bやソウルが多く収録されていますが、カリ・ウチスは音楽のジャンルをあまり深く考えず、「ソウル」が自分の音楽の根底にあると語っています
前述したように、今年は2枚目のスペイン語のアルバムをリリースすることを明らかにし、4月からは、シンガーRAYEをオープニングアクトに迎えたツアー「Red Moon In Venus Tour」をスタートさせるなど、パンデミックによる鬱憤を晴らすかのような動きを見せるカリ・ウチス。
彼女の最新作は、音楽メディアサイトPitchforkで10点満点中8.2点を獲得し、「最高のニューミュージック」と称賛されています。そして、彼女の音楽はまるでレッドムーンのように熱く、情熱的で、鮮やかな色彩を放っています。
あなたも、カリ・ウチスの音楽に身を任せ、その魂に触れてみてはいかがでしょうか。彼女の音楽はきっと、あなたを魅了し、感動の旅に出発させてくれることでしょう。
今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️
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