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「未来的なR&Bとソウル」をコンセプトに掲げたニューアルバム!! Don Toliver - Love Sick (2023)

Don Toliver(ドン・トリヴァー)は、トラヴィス・スコットの記念すべき超大作アルバム「Astroworld」(2018)にフィーチャーされ、2020年のアルバム「Heaven or Hell」に収録された「No Idea」がTikTokでバイラルヒットし、一気にその名を広めました。

2020年には、Internet Moneyとのシングル「Lemonade」が全米チャート6位を記録するヒットとなり、翌年に発表したセカンドアルバム「Life of a Don」(2021)は全米チャート2位を記録。

また、エミネムカニエ・ウェストナズのアルバムにも抜擢され、ジャスティン・ビーバーとコラボシングルをリリースするなど、業界からも高く評価されています。

そんな彼が、約2年振りとなる待望のアルバム「Love Sick」(2023)をドロップ。

ここでは、このアルバムについて解説します。

レーベル  : Atlantic Records & Cactus Jack Records
リリース日 : 2023年2月24日
名前    : Don Toliver
本名    :    Caleb Zackery Toliver
年齢    : 28歳


出身地   :    テキサス州ヒューストン

リリースに至るまで

前作のアルバムのリリース後、DJ KhaledWizkidSZAなどその年を賑わせたアルバムに参加し、Metro Boominのアルバム「Heroes & Villains」では3曲に参加するなど、多くのゲストワークをこなしてきたドン・トリヴァー

そんな中、2022年4月にTwitterで初めてアルバムタイトルを明らかにし、その後のインタビューでは「未来的なR&Bとソウル」をコンセプトにした作品になると明言していました。

俺は今、本当になりたかった場所、未来的なR&Bとソウルにたどり着いたところなんだ。

11月には、アルバムからのリードシングル「Do It Right」をリリース。
Amazon Prime Videoで初公開されたリアーナの「Savage X Fenty」のショーで初披露されたこの曲は、ファンクグループThe S.O.S. Band「Take Your Time (Do It Right)」(1980)をサンプリングしています。

Don Toliver - Do It Right 

The S.O.S. Band Take Your Time (Do It Right) (1980)

2023年2月、ドン・トリヴァーはシングル「Drugs N Hella Melodies」(2021)での共演以来2度目のコラボレーションであり、恋人でもあるKali Uchisをゲストに迎えたセカンドシングル「4 Me」をリリース。

この曲では、The NeptunesがプロデュースしたBeenie Manのヒットシングル「Girls Dem Sugar」(2000)をイントロからサンプリングしています。

Don Toliver feat. Kali Uchis - 4 Me

Beenie Man, Mya - Girls Dem Sugar (2000)

この曲のリリースから2日後には、Lil DurkGloRillaをフィーチャーしたシングル「Leave The Club」をリリース。
前半では軽快なビートでLil Durkとラップを披露し、後半は重厚感あるトラップビートにスイッチされ、GloRillaらしい印象的なパフォーマンスが炸裂した1曲となりました。

Don Toliver feat. Lil Durk & GloRilla - Leave The Club 

アルバムについて

最新アルバムには、全16曲が収録され、FutureJustin BieberWizkidBrent FaiyazCharlie Wilsonなどのゲストが参加しています。

アルバム2曲目の「Let Her Go」では、ドン・トリヴァーのハイトーンなオートチューンが全開で、イギリス出身のシンガー兼プロデューサーのJames Blakeが参加。

James Blakeは自身の作品をリリースするだけでなく、フランク・オーシャンビヨンセドレイクなどのトップスターにバックコーラスを提供し、ケンドリック・ラマー「ELEMENT」ではプロデューサーとバックコーラスを担当した経歴を持っています。

「Let Her Go」でも彼のコーラスが、ドン・トリヴァーのコンセプトである『未来的なR&Bとソウル』の幻想的な世界へ導いてくれます。

Don Toliver feat. James Blake - Let Her Go

5曲目の「Go Down」では、テキサス州ミズーリシティ出身のラッパー兼プロデューサーのTisaKoreanがゲスト参加。
この曲では、TisaKoreanの2022年のプロジェクト「1st Round Pick」に収録されている「Backseat」がサンプリングされています。

Don Toliver feat. TisaKorean - Go Down

TisaKorean - Backseat (2022)

9曲目「Private Landing」は、ラップスターのフューチャーとポップスターのジャスティン・ビーバーが参加。
冒頭でも触れたように、ジャスティン・ビーバーとはこれまでSkrillexとのシングル「Don’t Go」(2021)「Honest」(2022)で共演しており、今回が3度目のコラボレーションとなります。

Don Toliver feat. Justin Bieber & Future - Private Landing

10曲目「Slow Motion」には、5枚目のアルバム「More Love, Less Ego」(2022)でも共演したナイジェリアの歌手Wizkidがゲスト参加し、この曲ではドン・トリヴァーに引けを取らないハイトーンな歌声が披露されています。

Don Toliver feat. WizKid - Slow Motion

14曲目の「Bus Stop」は、新進気鋭の若手シンガーBrent Faiyazをフィーチャーした、今流行のジャージークラブ・ナンバーです。
Hit-Boyとの共同プロデュースのこの曲は、イントロからR&BグループBlackstreet「I Can't Get You (Out of My Mind)」(1996)をサンプリングしています。

Don Toliver feat. Brent Faiyaz - Bus Stop

Blackstreet - I Can't Get You (Out of My Mind) (1996)


アルバムから注目曲をざっと紹介しましたが、お楽しみいただけましたでしょうか。

これまではスローテンポのビートにオートチューンを絡めて独特の世界観を作り上げてきましたが、今作はR&Bのエッセンスを取り入れつつ、過去の名曲をサンプリングしてさらにファンタジックなサウンドに昇華させているようです。

また、彼のInstagramでは各曲のアートワークや、ストーリー仕立ての動画も投稿しており、ビジュアル面でも大変楽しめるアルバムに仕上がっています。

デラックス版にはトラヴィス・スコットが参加!

アルバム発売日にドン・トリヴァーはInstagramでライブを行い、3日後にデラックス版をリリースすることを発表しました。その中にはトラヴィス・スコットとの新曲も含まれており、短いプレビュー動画も投稿されました。この動画は、多くのファンから注目を集め、350万回以上再生されました。

2/28に発売されたデラックス版には、予告通り、トラヴィス・スコットとのコラボレーションを含む全4曲が追加で収録され、ティーゾ・タッチダウンをフィーチャーした「Not Gonna End」も追加されています。

アルバム『Love Sick』にトラヴィス・スコットを入れたかったし、アルバムにティーゾ タッチダウンを入れたかったし、ファンに2、3曲、もっと曲を提供したかったんだ。彼らは多くを求めていたように思う。
アルバムはとても素晴らしかったし、ファンにすぐに曲を提供するチャンスはなかったんだ。アルバムをリリースした後、「ファンにもっと音楽を届けたい」と思っていたから、チャレンジングだったね。
でも、あまりにもたくさんの音楽があるので、それを4曲に分解してこのアルバムに入れなければならなかったから、ちょっと大変だったよ...。
4曲のうち1曲はファンが求めたもので、他の3曲はアルバムに必要だと感じたものだよ。ティーゾ タッチダウンはテキサス出身で、俺もテキサス出身で、テキサス出身のアーティストには常に注目してて、彼らがやっていることは何でも好きなんだ。

Don Toliver feat. Travis Scott - Embarrassed

終わりに

アルバムのリリース前に彼は、「今年は素晴らしい年になるだろう」と語っており、さらに「これから数カ月間、たくさんの仕掛けを用意しているよ」とも話しています。このような彼の言葉からは、今後も彼が継続的に新しい音楽やプロジェクトを発表していくことが期待されます。

アルバム『Love Sick』は大きな話題を呼びましたが、彼の才能やクリエイティブなアイデアはこれで終わりではありません。今後も彼の音楽を楽しみに待ちましょう。


今回紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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