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バスタ・ライムス:無冠の帝王が放つ「BLOCKBUSTA」の衝撃!!

1980年代からラップシーンに君臨するBusta Rhymes(バスタ・ライムス)は、そのユニークなスタイルで広く認知されています。迅速なリズムと強力なフロー、創造的なラップ技術が彼の特徴です。彼はこれまでに10枚のソロアルバムをリリースし、その中の7枚が全米アルバムチャートのトップ10に入りました。
特に「What's It Gonna Be?!」(1999)「I Know What You Want」(2003)といったシングルは、全米シングルチャートで3位に達するなど、数々のヒット曲を生み出しています。しかし、グラミー賞への12回のノミネートにもかかわらず、受賞の栄光にはまだ手が届いておらず、彼は「無冠の帝王」としても知られています。

そして2023年11月、待望の11枚目のアルバム「BLOCKBUSTA」をリリース。この記事では、彼の最新作に焦点を当て、新しいアルバムの魅力に迫ります。バスタ・ライムスのファンはもちろん、音楽に興味のある方々にも、ぜひ最後までお読みいただきたい内容となっています。

レーベル  : The Conglomerate Entertainment & Epic Records
リリース日 : 2023年11月24日
名前    : Busta Rhymes
本名    :    Trevor George Smith Jr.
年齢    : 51歳
出身地   :    ニューヨーク

アルバム制作の背景とインスピレーション


2023年5月、Swizz Beatzのインスタグラム投稿により、バスタ・ライムスが新しいアルバムを制作中で、Swizz BeatzTimbalandPharrell Williamsといった著名なプロデューサーたちが関与していることが明らかになりました。

これはバスタ・ライムスを称賛する投稿だ。
私のブラザーは長い間キャリアを積み重ねてきた。ラップグループ、"リーダーズ・オブ・ザ・ニュー・スクール"の一員から始まり、あらゆる主要なフェスティバル、ツアー、ショーのヘッドライナーになるまで。リーダーズは80年代で、バスタはその時からずっと活躍している。

2023年だ。俺のブラザーは全く新しい契約を結び、新しい音楽をリリースしている。俺はバスタ・ライムスに対する感謝の気持ちを表したいと思っている。彼の長いキャリア、独特なスタイル、声に対して。みんなもバスタ・ライムスのように長いキャリアを築いてほしい。彼は1番の大物だ。
彼とスプリフ・スターは、ステージで古い曲と新しい曲で駆け引きをしない。彼は最高のアーティストたちとチャートインしている。ジャネット・ジャクソンやメアリー・J・ブライジと一緒にステージに立った週もあった。

私のブラザー、バスタ・ライムスに乾杯。この男の新しい音楽を聞くまで待っていてくれ。アルバムはスウィズ・ビーツ、ティンバランド、ファレルによってエグゼクティブプロデュースされている。それがどのような音になるか、想像してみてくれ。

※Spliff Starは、かつてバスタ・ライムスの立ち上げたヒップホップグループFlipmode Squadのメンバーで、バスタ・ライムスとの曲でも知られています。

バスタSwizz Beatzは、2006年の Touch It や1998年の Tear Da Roof Off のようなパーティーを盛り上げる曲でコンビを組んでおり、ファレルやネプチューンズとの作品には、Pass the Courvoisier Part II (2002)As I Come Back(2001)Light Your Ass on Fire (2003)などがある。
Timbalandは直接的なコラボレーションはありませんが、彼が手がけたMissy Elliottの「Pass That Dutch」のリミックスにはバスタ・ライムスが抜擢されており、これら4人は長いキャリアの中で繋がりを持っています。

10月、バスタ・ライムスは自身のYouTubeチャンネルで、TimbalandPharrell WilliamsSwizz Beatzがアルバムのエグゼクティブプロデューサーであることを正式に発表しました。その動画の中で、Timbalandは「バスタが俺を選んでくれて、バスタの遺産の一部になれることに本当に感謝してるよ」と述べ、Pharrell Williamsも「バスタは本当に輝いてると感じるんだ。その輝きが人々に伝わり、共感されると思うんだ」と語りました。
これらのコメントからは、彼らのこのアルバム制作への真摯なコミットメントとワクワク感が伝わってきます。


収録曲について

バスタ・ライムスの新作は、火山の爆発をモチーフにしたアートワークが特徴的で、デザインは高級ファッションブランド「AMIRI」のCEO兼クリエイティブ・ディレクターであるMike Amiriが手がけました。

アルバム自体も非常に印象的で、全19曲が収録されており、Chris BrownYoung ThugDaBabyQuavoKodak Blackなどの音楽シーンを牽引する著名アーティストが参加しています。さらに、Burna BoyGiggsJNR CHOIShenseeaBlxstBIAといった若手や世界で活躍するアーティストも多数加わっており、この多様性がアルバムに特別な魅力をもたらしています。

「BEACH BALL」

「BEACH BALL」は、3曲目に収録された曲で、フィメールラッパーのBIAがフィーチャーされています。この曲はHitmakaが共同プロデュースし、先行シングルとして6月にリリースされました。
MVは斬新な横スクロールの映像で夏の雰囲気を表現しており、その中でDJ KhaledRick RossSpliff Starがカメオ出演し、監督はTy Dolla $ignMachine Gun KellyのMVも手がけたMichael Garciaが務めています。このMVは、その斬新なスタイルと著名なアーティストのカメオ出演によって印象的な作品となりました。

Busta Rhymes feat. BIA - BEACH BALL

「LUXURY LIFE」

6曲目に収録された「LUXURY LIFE」は、Coi Lerayをフィーチャーした曲で、アルバムからのセカンドシングルとして9月にリリースされました。
エグゼクティブプロデューサーを務めるSwizz Beatzがプロデュースし、さらにJAY-Zのシングル「Ain't No Nigga」(1996)でもサンプリングされた
The Whole Darn Family 「Seven Minutes of Funk 」(1976)を使用しています。

Busta Rhymes feat. Coi Leray - LUXURY LIFE

JAY-Z feat. Foxy Brown - Ain’t No Nigga (1996)

The Whole Darn Family - Seven Minutes of Funk (1976)

「BIG EVERYTHING」

7曲目の「BIG EVERYTHING」は、DaBabyT-Painをゲストに迎え、バスタ・ライムスが得意の疾走感あふれるラップを展開しています。
この曲はBun Bの2005年のヒット曲「Get Throwed」をまるっとサンプリングしており、これにDaBabyの巧みなラップとT-Painの情感豊かなフックが見事に融合し、約20年前のトラックに新しい命を吹き込んでいます。

Busta Rhymes feat. DaBaby, T-Pain - BIG EVERYTHING

Bun B, Pimp C, Z-Ro & JAY-Z feat. Jeezy - Get Throwed (2005)

「STAND UP」

11曲目の「STAND UP」は、シングル「To the Moon」で脚光を浴びたガンビア出身で、現在はイギリスを拠点とするアーティスト、JNR CHOIを迎えたトラックです。JNR CHOIの持つイメージを反映するかのように、この曲はドリルビートで幕を開け、中盤でアフロビーツ調のリズムに突如として変わります。このテンポの変化とトランジションは、曲の個性をより一層引き立てています。さらに、この楽曲は、2022年に亡くなったCoolioのヒット曲「Gangsta's Paradise」をサンプリングしており、バスタ・ライムスが故人へのオマージュを表していると感じられます。この巧みなサンプリングが楽曲に新しい次元を加え、Coolioの伝説的な曲を現代的な解釈で蘇らせています。

Busta Rhymes feat. JNR CHOI - STAND UP

Coolio feat. L.V. - Gangsta's Paradise (1995)

おわりに

バスタ・ライムスの最新作は、数々の著名プロデューサーや多様なゲストアーティストの協力により、彼の音楽的才能とキャリアを更に引き上げました。
特に注目すべきは、若手アーティストや海外で活躍するアーティストの参加、新しい音楽ジャンルへの挑戦、そして東海岸、西海岸、南部のヒップホップクラシックのサンプリングなどで、彼の多様性と進化を色濃く反映しています。

この進化の背景には、2023年のBETアワードでの功績賞受賞スピーチがあります。彼はこのスピーチで、ヒップホップカルチャーの成長と発展への貢献の重要性を強調しました。また、長年のサポートをしてくれたファンや仲間への感謝を表し、彼らと共に歩んできた愛情を示したのです。

俺はカルチャーを発展させ、シーンに貢献し続ける義務を果たそうとしているだけなんだ。ここにいる皆は、俺が長年にわたって知り合い、一緒に成長してきた人たちだ。君たちは俺の成長を見守ってくれている。俺は君たちを愛しているし、君たちも俺を愛してくれている。

彼の言葉からは、カルチャーへの深い献身と、ファンや仲間に対する強い愛情が感じられます。このアルバムは、長年のファンにとって待ち望まれた作品であり、バスタ・ライムスの音楽的な革新性とユニークさがふんだんに散りばめられています。グラミー賞を逃した無冠の帝王としても知られている彼ですが、才能と創造性は今もなお輝きを放ち、音楽シーンに新しいインスピレーションを与え続けています。50歳を超えた今でも、彼の将来の音楽活動に対する期待は高まるばかりです。



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