"コイ・リレイ:「Coi」で描く自身のストーリーと音楽的進化"
2021年、Coi Leray(コイ・リレイ)は、シングル「No More Parties」にてLil Durkとの大きな反響を呼んだコラボレーションで全米チャートデビューを果たしました。この曲がTikTok上で爆発的な人気を集めたことで彼女の知名度は一気に高まりました。
その後、彼女はシングル「Twinnem」(2021)をリリースし、再びTikTokで注目を浴びました。その成功が評価され、彼女はXXL誌の「Freshman Class 2021」に選ばれました。そして、彼女は待望のデビューアルバム「Trendsetter」(2022)を発表しました。
そして今回、彼女が待望のセカンドアルバム「Coi」(2023)をリリースしたことが話題となっています。この記事では、その新作アルバムについて詳細に掘り下げていきます。
レーベル : 1801 Records, Republic Records & Uptown Records
リリース日 : 2023年6月23日
名前 : Coi Leray
本名 : Coi Leray / Coi Leray Collins
年齢 : 26歳
出身地 : ニュージャージー州ハッケンサック
OGから認められた「Players」の成功
2022年の11月、コイ・リレイはアルバムのリードシングル「Players」を公開し、音楽業界に大きな波紋を広げました。この曲では、Grandmaster Flashの1982年のヒット曲「The Message」が巧みにサンプリングされ、その大胆さが注目を集めました。
その人気はTikTokで顕著で、リリース前から盛り上がりを見せ、現在では7000万回を超える再生回数を記録しています。さらに、Spotifyでは驚異的な3億回以上のストリーミングを達成し、彼女のキャリアにおける初めての全米チャートトップ10入りを実現しました。
Grandmaster Flash & The Furious Five - The Message (1982)
彼女はこれまでに幾度もTikTokでのヒットを叩き出してきましたが、自身がどのプラットフォームに分類されるかについてはあまりこだわりを持っておらず、TikTokアーティストと呼ばれたとしても、それに対して怒ることはないと語っています。
また、以前の記事でも述べたように、過去に突拍子もない発言やボディ・シェイミング(容姿を批判すること)によるヘイトの対象になったこともありました。
大胆なサンプリングによる「Players」のリリースには、最初は批判が予想されました。しかし、驚くべきことに、この曲のリリースからわずか1週間後、彼女は実際にGrandmaster Flashと食事に行ったようです。
Grandmaster Flashからの支持を受け、またGrandmaster Flash自身も自身のInstagramでこの曲のリリースを祝福し、次のように明かしています。
アルバムについて
アルバム名に彼女自身の名前「Coi」を採用したことは、彼女自身の体験と感情をより深く反映した作品であることを示しています。彼女は自身の音楽を通じて、自分自身をさらけ出し、リスナーとのつながりを深めることを試みています。このアルバムは、彼女が自身の感情を音楽に込め、自身のストーリーを共有するための新たなステージとなっています。
前作の「Trendsetter」では、さまざまな困難に直面しましたが、「Players」での成功により、彼女は自信を取り戻しました。
そして、最新アルバムでは、彼女は「自分自身と自分の幸福、そして自分の物語」に焦点を当て、個人的な側面やストーリーを公開することで、彼女は自己表現を追求しているようです。
収録曲について
彼女自身の体験を元にした、今回のアルバム「Coi」には、合計16曲が収録されています。その中には、Lola Brooke、Saucy Santana、Giggs、David Guettaといった豪華なゲスト陣が参加している曲も含まれています。
「Bitch Girl」
アルバムのオープニングを飾る「Bitch Girl」は、イントロからDaryl Hall & John Oatesのシングル「Rich Girl」(1976)をサンプリングしています。
Daryl Hall & John Oatesは、フィラデルフィアで結成されたロックデュオで、「Rich Girl」は全米チャート1位を獲得しています。
この曲は、コイ・リレイが自身の強さと自立を歌ったもので、彼女のラップとDaryl Hallのコーラスが交錯する形で進行します。歌詞は、自身の成功とそれに伴う困難、そしてそれを乗り越えていく強さを描いています。
Coi Leray - Bitch Girl
Daryl Hall & John Oates - Rich Girl
「Bops」
アルバムの2曲目に収録された「Bops」は、2023年4月にセカンドシングルとしてリリースされました。
「Bops」は、コイ・リレイが自身の成功と自立を称え、同時にネガティブなエネルギーから距離を置く様子を描いた楽曲です。彼女は、この曲を制作する際に、前奏、ブリッジ、コーラスなど、曲のあらゆる要素に集中する必要があると感じ、その結果、彼女の音楽性とメッセージが強く反映された楽曲が完成しました。
Coi Leray - Bops
「Man’s World」
フランスのプロデューサーDavid Guettaが共同プロデュースを手掛けたアルバム13曲目の「Man’s World」は、イントロからファンクの創始者とも言われているJames Brownの「It's a Man's Man's Man's World」(1966)をサンプリングしています。
歌詞は、コイ・リレイが自身の経験と感情を率直に語り、男性主導の世界についての彼女の視点を描いています。
「It's a Man's Man's Man's World」は、これまでに70曲以上でサンプリングされており、James Brownの死後もサンプリングソースとして親しまれています。コイ・リレイがこの曲をサンプリングしたことで、彼女の音楽が過去の名曲とつながり、新たな解釈と生命を与えていることがわかります。
Coi Leray - Man’s World
James Brown - It's A Man's Man's Man's World
おわりに
最後にコイ・リレイは、今作は彼女の序章に過ぎないと述べ、さらに今後の目標について次のように明かしています。
コイ・リレイは「タイムレス」という言葉を頻繁に口にしており、彼女は世代を超えた存在を目指し、単なるラッパーの枠にとどまらず、ファッションアイコンやビジネスウーマンとしても多様な分野で活躍したいと考えているようです。
彼女の才能と個性は業界のプロデューサーやアーティストからも注目されており、Metro Boominの最新作「Spider-Man: Across the Spider-Verse」に抜擢されるなど、その才能は広く注目されています。
まだ26歳という若さながら、彼女はフィメールラップシーンのリーダーとなる可能性を秘めています。彼女の音楽的な成長と進化を体感するためには、前作「Trendsetter」からの彼女の進歩をあなたの耳で確認することが一番です。
その才能と進化は、聴く者を確実に魅了することでしょう。
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