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ネット上でのヘイトを乗り越え「憎しみは愛へと変わる」と言い切ったフィメールラッパー Coi Leray - Trendsetter (2022)

今日紹介するCoi Leray(コイ・リレイ)は、2020年のデビューEP「Now or Never」収録の「Slide」がYouTubeで2000万再生を記録するヒットとなり、シーンに頭角を現した人物です。

また翌年に発表したシングル「No More Parties」(2021)は、TwitterでLil Durkにコラボを依頼して実現したリミックスがヒット。
彼女のキャリア初の全米チャート入りを果たし、同年ヒップホップメディア誌XXLの「Freshman Class 2021」に選出されました。

しかしこの企画の風物詩となっている「Freshman Cypher」では、彼女のフリースタイルの質の低さからオーディエンスや批評家から酷評を浴びるなど、ある意味記憶に残る年になってしまっています。

そんな彼女ですが、この度ニューアルバム「Trendsetter」(2022)をドロップ。

ここでは、このアルバムについて解説します。

レーベル  : 1801 Records & Republic Records
リリース日 : 2022年4月8日
名前    : Coi Leray
本名    :    Coi Leray / Coi Leray Collins
年齢    : 24歳


出身地   :   ニュージャージー州ハッケンサック

アルバムリリースの延期とヘイトに耐えかねて引退宣言?!

当初、今作はKanye Westのアルバム「Donda」の発売から数日後、Drakeのアルバム「Certified Lover Boy」(2021)と同日の9月3日にリリースする予定だったようです。
彼女はTwitterで、この日にリリースされなかったことに少しも動揺していないとファンに伝えています。

私のアルバムがドロップされてなくて嬉しいわ。
ドレイクとカニエの間にね。
全てに理由があるんだ。
これでもっと気を引き締めることができる。
二人から何か学ぶことがあるかもしれないわ。

前述した「No More Parties」(2021)のヒットで新たな名声を得た彼女ですが、ネット上ではボディ・シェイミング(容姿を批判すること)や音楽に対するヘイトの対象となり、繰り返し叩かれることが散見されました。

中でも、無反応で棒立ちのオーディエンスに向かってパフォーマンスするRolling Loudでのパフォーマンス動画が拡散され、前述したXXLの「Freshman Cypher」を見たオーディエンスから『フリースタイルを見たい』と野次られたり、Twitterでは『マネキンチャレンジ』と笑われるなど、アンチの多いラッパーとして知られてしまいます。

このような嘲笑に耐えかねたのか、2022年の年明けに『トレンドセッターのみんな、がっかりさせてごめんね』とツイート。
引退を示唆するようなこの投稿は、多くのファンを不安にさせましたが、現在は削除されています。

このまま押し通す気にはなれないわ。
自分が脳死状態になっているような気がするの。
みんなが流行を作り続け、努力し続けることを祈っているわ。
いつ戻れるかわからないけど、考えたくもない。一生愛してる。

アルバム "Trendsetter" に込められた意味とは

アルバムタイトル「Trendsetter」は、2021年に大成功を収めた彼女の曲「No More Parties Remix」「TWINNEM」「BIG PURR (Prdd)」がTikTokでバイラルとなったことからインスピレーションを受けたようで、Instagramでは次のように明かしています。

これは世界で最も大きな女性アーティストのアルバムの1つになるだろうし、私はそれに人生をかけているわ。
これはレースじゃなくて、トレンドセッター・マラソンなんだ。

アルバムには全20曲が収録され、H.E.R.A Boogie Wit Da HoodiePolo GFivio ForeignNavLil Tecaなど若手ミュージシャンの参加が目立っています。

しかし前述したように、ヘイターが多い自分の作品に誰も参加してくれなかったら・・・という不安もあったと明かしています。

誰も私と仕事をしたがらなかったら、とても変な気分になってしまうわ。
私の音楽に共感してくれる人がおらず、誰もその仕事をしたがらないとしたら、私は何のためにこれをやっているのだろうという感じ。
分からないけど、私は自分のフィーチャリングリストに載っている人たちを聴いて育ってきたし、彼らと実際にコラボができるなんて、今でも夢が叶ったように感じてるわ。
どんなにビッグでも、たとえ自分がそこにいるアーティストよりビッグでもね。
自分のプロジェクトに参加してくれた人たち全員と一緒に仕事ができるなんて、夢のようだわ。

その中でも、Nicki Minajはアルバムからの5枚目のシングルである
「Blick Blick」にゲスト参加し、共演したコイ・リレイは次のように明かしています。

アイコンであり、伝説であり、それは経験だったわ。
なぜなら彼女はとても謙虚なの。
ここにいる伝説的な人が、とても謙虚で純粋であるなんて......これ以上のことはないわね。

Coi Leray & Nicki Minaj - Blick Blick! (2022)

またアルバムについて『新人だからヒットソングも入れないといけないと思った』とコイ・リレイは語っています。

たくさんの人と一緒に仕事をしたんだ。
20曲あって、プロデューサーが2人、それにWalloとGillieを入れたわ。
『No More Parties』や『TWINNEM』『BIG PURR』も入れたよ。
私はまだ新人だから、この曲たちは入れないといけないと思ったんだ。
まだ世界の多くの知らない人たちに紹介しているところなの。

終わりに

待望のデビューアルバムのリリースに至り、コイ・リレイは次のように明かしています。

気分はいいけど、ちょっと参ってる。
全てにおいて色々なことが起こっているわ。
これは私のファーストアルバムなんだけど、いろいろな話が飛び交って、やっと私の出番が来たって感じだわ。
そして、みんなはようやく私の音楽と私が本当にやっていることを評価してくれるようになったわ。
憎しみが愛に変わるんだ。
敵を身近に置いておくだけでいいんだ。

多くのヘイターに叩かれたコイ・リレイですが、自信がついていることの現れでしょうか、それらをポジティブに捉えて『憎しみが愛に変わる』と述べています。

色々と話題が尽きない彼女ではありますが、この機会にアルバムに触れてみて、その自信の片鱗を感じてみてはいかがでしょうか。

こちらで紹介した楽曲のDJプロモーション音源はこちら⬇️⬇️⬇️

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