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デジタル社会で注目を集めるWell-beingとは

こんにちは、デジテック運営事務局のやまたんです。暑い日が続きますが、皆さん、お元気ですか?初夏になるといつも思い出す本が、梨木香歩さんの「西の魔女が死んだ」ですね。女子中学生が、山の中の家で暮らすイギリス人の祖母と、ひと夏を過ごす中で成長していく小説です。陽の光が降り注ぐ美しいイングリッシュガーデンをはじめ、自然描写がとても鮮やかで、森林浴に出かけたような清涼感を味わえる一冊だと思います!

Well-beingって何?

さて、最近やまたんが気になっていた言葉があります。そう、Well-being(ウェルビーイング)です。正直最初は、Wedding(ウェディング)と聞き違えて、「コロナも落ち着いてきて、結婚する人も増えているのかな?」と思っていました。はい、本当に勉強不足で、すみません。

掲載記事やネットを見ると、どうもWell-beingという言葉は最近デジタルの文脈で使われることが多いようです。これは、デジテック運営事務局の一員として、見逃すわけにはいきません!そこで、私なりにWell-beingとデジタルの関係について、調べてみました。

まず、Well-beingって何?ということですが、日本語では「健康」「幸福」「福祉」と訳されることが多いようで、身体的・精神的・社会的に「良い状態」を指す概念とのこと。

では、なぜデジタル分野でWell-beingの露出が増えているかというと、現在国が推進している「デジタル田園都市国家構想」で、新たなまちづくりの中心概念の一つにWell-beingが位置付けられたことが一つの要因のようです。

デジタル田園都市国家構想実現会議資料より抜粋

デジタル田園都市国家構想とWell-being

国が今年6月に閣議決定した「デジタル田園都市国家構想基本方針」の基本的考え方では、次のように書かれています。

本構想を通じて、暮らす場所、年齢、性別にかかわらずあらゆる国民が、それぞれのライフスタイルやニーズに合ったゆとりと安心を兼ね備えた心豊かな暮らしを営むことができ、地方における仕事や暮らしの向上に資する新たなサービスの創出、持続可能性の向上、Well-being の実現等を通じてデジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる社会、いわば「全国どこでも誰もが便利で快適に暮らせる社会」を目指す。

デジタル田園都市国家構想基本方針

はい、はっきり書いてありましたね。「Well-being の実現等を通じてデジタル化の恩恵を国民や事業者が享受できる社会」を目指すと。全国各地でWell-beingの実現に向けた取組が活性化してくるのは、必然の流れのようです。

しかし、ここでふと一つの疑問が浮かびました。
Well-beingの実現って、どうやったらできるんでしょう?
私的には、Well-beingや幸せとかって、個人ごとに感じ方や価値観も違う気がして、まちづくりの目標としてみんなが共有するには少し漠然としているイメージがあったからです。

この辺り、いかがお考えなんでしょう?なんて思いながら、情報収集を進めていると、「Well-being指標」というワードにヒットしました。え、指標?Well-beingって測れるの?

Well-being指標

国の資料によると、Well-being向上に向けた事業間の好循環と政策評価(EBPM)を進めるため、各種統計データを指標化した客観指標と、市民などのアンケート調査結果等を指標化した主観指標によって、各地域のWell-beingを計測する方針のようです。

デジタル田園都市国家構想実現会議資料より抜粋
デジタル田園都市国家構想実現会議資料より抜粋

具体的には、一般社団法人スマートシティ・インスティテュート(SCI-Japan)が開発したLiveable Well-Being City指標(LWC指標)が計測指標として活用されることとなっています。

現在、デジタル田園都市国家構想推進交付金の採択自治体を中心に、指標の活用が進められており、今後、計測ツールを改善しながら、他の自治体にも活用が拡大していくと予想されます。

そして、この7月1日には、SCI-Japanさんのサイトで、暮らしやすさの客観・主観データやLWC指標利活用ガイドブックがダウンロード可能となったようです。(主観データは主要30都市のみ)

参考に、暮らしやすさの客観・主観データをサイトからダウンロードして、自分のパソコン端末で、山口県山口市の客観データを選択してみると、以下のレーダーチャートを見ることができました。

暮らしやすさの客観データのレーダーチャート(例:山口市)

県内全19市町分について、上記のようなレーダーチャートをはじめ、様々な客観データが公開されています。

なお、この指標は、各エリアのランキングではなく、自治体が「個性を磨く」機会を創出するためのものだという点は注意すべきようです。
今後、LWC指標を活用した、Well-beingの向上に向けたまちづくりが可能な環境が、着々と整備されてきていると言えるのではないでしょうか。

新たな山頂 Well-beingに向かって

私なりにまとめてみると、デジタル技術の急速な進展によって、スマートシティなど社会へのテクノロジー導入の動きが加速する中、「一体、何のためにデジタル社会を目指すのか」とみんなが考える中で、社会の目標として注目されてきたのが、心豊かな暮らし、Well-beingなのではないでしょうか。

こうしたデジタル社会の新たな目標、山頂に向けて歩みを進めるために必要なことは、みんなで進むことではないかなと思います。

山登りでいえば、一人で登るよりみんなで登った方が、ルートを間違えたら注意してもらったり、それぞれの道具を駆使して難所を越えたり、辛い時には励まし合ったりできますよね。
それになにより、山頂での景色は、みんなで見た方が、きっと素晴らしくて気持ち良いと思うんです。

Well-beingに触れたばかりの身ですが、私もメンバーの一人としてWell-beingという山頂を目指して頑張りたいと思います。では、また!

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