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プロジェクト途中経過③「獣害を軽減するためサル等を追い払いたい」

こんにちは。デジテックfor YAMAGUCHI運営事務局のもんじゃです。

築後数年の我が家の庭にも春がやってきました。
タンポポです。庭の一部に咲いています。咲き誇っています。
心は晴れやか?違います。庭の草抜きワークが大量発生しているのです。
小学校で習いました。タンポポは根が深く1mを超えるときもあります。
あぁ…綿毛もある。細心の注意でもって駆除せねば。

山口県のデジタルコミュニティ「デジテック for YAMAGUCHI」では、会員同士で課題解決に挑戦するシビックテック活動に取り組んでいます。

宇部市小野地区のサル被害の解消に向けて、サルの目撃情報を報告できるサイト「獣害マップ」を開発するプロジェクトが出口に近づいてきましたのでご報告します。

前回の「途中経過②」では、小野地区でプロトタイプを2か月間実証した結果をお知らせしました。

住民の方にアンケートやインタビューを行い、小野地区でのサル獣害の詳しい実情などを知りました。効果的な対策に向けて「獣害マップ」でもっと集めたい情報が明らかになり、取得する情報項目を増やすことにしました。

取得する情報を追加してみた

インタビューなどから分かったこと

・サル害で本当にやばいのは「明け方」の「群れ」
・実際に農業被害があったときが深刻
・朝からギャーギャー言っていて見えないけど場所はわかる

こうしたご意見を踏まえ、このように情報を追加しました。

デジタルデバイド?

報告する項目を複雑にすると高齢の方は使いづらいのでは!?と思われるかもしれません。
これは今回の実証を通じてわかったことですが、実は地域の皆さん意外とスマホ持っていますし、LINEも投稿できます。この「獣害マップ」を活用するのに十分なリテラシーをお持ちなのです。

何より実証から半年たった今でも小野地区の方々は定期的に目撃情報を報告されています。
もはや「獣害マップ」は、小野地区の方々にとって拒絶したくなる「得体の知れないデジタル」ではないのです。
項目が増えたという理由でやめる方は小野地区に一人もいません!(絶大な信頼)

…とはいえ、デフォルトで現在の時間を出すなど使い勝手に注意を払いつつ
投稿画面はこんな感じです。

改修は、4月に小野地区の方々に説明しつつ本番環境に反映されます。

出口をどうする

どうしよう

サイトの改修は概ね終わりました。
正直、シビックテック的には「サル害対策のためにこんなの作りました。必要な人はどうぞ使ってください」ということでほぼほぼ終わりです。

当初、小野地区での自立的な運用を想定していましたが、運用にはサーバー代と年間のドメイン代で月1万円程度のランニングコストが必要です。
目撃情報のデータ収集のため、ずっと小野地区が負担するのは現実的ではありません。

「せっかく作ったので活用されてほしい。。。」
ここからは事務局の出番なのかもしれません。

出口探し

そこで、県で鳥獣の適正管理を目的に調査を実施する担当課に売り込んでみました。
話を聞いてみると、現在行っているサルやシカの調査も、目撃場所や頭数などを紙に記録しているとのこと。これは、、、デジタル化のチャンスでは。

「試しに1年間、「獣害マップ」をその調査に使ってください!」
(気持ちは土下座)

その結果、試験的に1年間、県内の調査で使ってもらえることに!!
いろんな課題が出てくるとは思いますが、まずチャレンジしてもらえることに感謝ですね。

1つのハッカソンイベントから生まれた試作品が、県のDXに貢献し、定期的に集まるデータがオープンになり、広域な獣害対策に活用される姿を夢見ています。

なおコンテストでも受賞

年末から3月にかけて、オープンデータの活用を促進する全国的なコンテスト「アーバンデータチャレンジ2023」が開催されました。
そこで「獣害マップ」の取組をエントリーしたところ、見事「実行委員会特別賞」を受賞しました。

審査委員の講評では、「この取組を多くの人に知ってほしいという思いから選んだ」とコメントをいただき、取組がまた違う形で実を結びました。

メンバーが審査員に個別に話を伺ったところ「他の審査員がサル被害にピンと来ていなかった。でも農業分野に詳しい審査員はイチオシだった」とのことでした。
この「獣害マップ」が、多くの人に地域の課題を考えるきっかけになるといいですね。

まとめ

途中経過③としながら、まるで結果報告のようなテンションで書いてしまいました。
プロジェクトとして、これまでのような大きな動きはないかもしれませんが、この「獣害マップ」がこれからどうなるのか。。。気にかけていただけると嬉しいです!