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デジタル改革とは、文化やマインドの改革と見つけたり。(?)

デジテック for YAMAGUCHI運営事務局 兼 Y-BASEスタッフのハラマルです。いつものごとく、本編には関係のないレノファ山口の件ですが、今週は水曜日に試合がありましたが、日曜日にもホームのみらスタで試合があります。中3日というハードな状況で選手も大変ですが、家庭の事情を調整して中3日でスタジアム観戦するサポーターも頑張ってください!

気が付けば、世の中の企業や行政機関では、入社式や着任式などが行われているようですね。新しい季節が始まった実感がありますね。が、なぜか私の周りは、ぬるっと新年度が始まっていました(笑)※あくまで個人的な感覚です!

さて、山口県が進めるデジタル改革の一端を担わせていただき、ちょうど1年が経ちました。まだまだ、何かを成し遂げたわけではないのですが、これからの道を確認するためにも、一度振り返ってみたいと思います。

昨年度1年間は、山口県のCIO補佐官を始め、いろいろなセミナーやためになるお話をたくさん聞いて、マインドが大きく変わったなぁと思います。「AIを使って…」という枕詞は、将来的には「PCを使って…」というくらいの意味になるんだなぁということが実感できました。私が子供の頃(だいぶ前ですね)は、「PCを使って…」と聞くと、それだけですごいことのように思いましたが、今や、そんなこと言おうものなら、「そんなん当たり前やんかー!いや、PC使うのはいいっちゃ。それで何をするほ?」と山口弁で思いっきし突っ込まれるでしょう!というわけで、AIは単なるツール、重要なのは「何を解決するために使うのか」だと認識するようになりました。

「AIを使います」「○○アプリを開発します」「○○システムを導入します」というのは、単にツールの導入であって、改革ではありません。では、「デジタル改革」って何でしょう

昨年度、CIO補佐官から、「サービスを提供することがゴールではない、サービスを提供して、その後、満足度を高めるようにアップデートを重ねなくてはいけない」といった趣旨のアドバイスを何回かいただきました。サービス提供を開始した日がゴールではなく、スタート(day0)ですよと。それだけ、我々に意識が薄かったということでもあると思います。このアドバイスを実践しようとすると、顧客や住民ニーズを把握するような仕組みがないといけません。新しいサービスを開始するときは、そのサービスを受ける方の反応を捉える仕組みもセットしておくことが「当然」の世界だと。この「当然」は、まだ我々には馴染みの薄いものなので、しっかり根付かせていかなければいけないと思いました。

また、CIO補佐官からは、「県民を対象にしていますというのは常套句ですが、具体的には主なターゲットのペルソナ設定はできますか?」と投げかけられることもありました。「『県民』という言い方は便利ですが、それで誰向けなのかぼんやりとしてしまい、誰にとっても、まあまあ使いやすいし、まあまあ使いにくい、つまり誰にとっても満足度の低いサービスになっていませんか?」という問いは、非常に本質を突いていると思いました。まずは、例えば一番課題をお持ちの層や、シェアが大きい層など、優先順位を決めてターゲット設定するアプローチ(当然、その後、他の層をターゲットとした戦略策定もします)も、我々は今まで持っていなかった考え方だったと思います。

上長から言われた言葉で最も印象的だったのは、「予算がありません、時間がありません、費用対効果が分かりません、など、やらない・できない理由を考えるの簡単。その状況下で、『どうやったらできるか』を考えられる人は少ないし、貴重だ。」というものです。

これを痛感した事案があります。メタバースです。ちょうど1年前、我々が活動を始めた際に、メタバースがこれほどホットなテーマになるという想定はありませんでした(見通しが甘いと言われれば、全くその通りです汗)。徐々にメタバースのことが世間でも話題になるようになりましたが、予算もありません、担当者もいません、費用対効果も分かりませんでした。そんな中、Y-BASEスタッフのLouisくんが、「ちょっとやってみましょうか?」と、無料のプラットフォームを使ってY-BASEを模したメタバース空間を構築してくれました。これを体験することで、他のスタッフも、メタバースってこういうものなのか、と理解することができましたし、「こういう機能が今後付加されれば、こんなことに使えるようになりそうだね」といった議論ができました。そして、これは他の方にも体感していただいて、いろんな意見をいただこうと、イベント出展にまで至りました。

ちなみに、これ、スタッフの間ではメタバース上のY-BASEということで「メタベース」と呼んでいますが、「メタバース」の誤記では?と言われたりしていますので、正式にリリースする際には考えないといけないかもです(笑)4月中には、デジテック for YAMAGUCHIの会員向けに、仮称メタベースを使った交流イベントも考えていますので、もう少しお待ちください。

話は逸れてしまいましたが、こうしたチャレンジは、これまでだったら、「新年度の予算が取れたらやってみてもいいけれど、そんな予算通る?」とボツになっていたかもしれません。そしたら、メタベースも実現せず、メタバースの活用についての議論は進まなかったと思います。「試しにやってみる」ことの効果が表れたのかなと思います。もしかしたら、冒頭、新年度がぬるっと始まったという感想をお伝えしましたが、「年度」という区分にこだわらずにチャレンジできる環境があるからこそなのかもしれません!(かといって、年度の区分を軽んじている訳ではありません。決算報告や事業報告など、定期的な観測と報告の重要性も認識しています。)

ということで、大げさなタイトルをつけてしまいましたが、この1年間で至った考えは、デジタル改革はツールを導入することではないということ。そして、デジタルで課題を解決するためには、まず、我々の文化やマインドを変えていく必要があり、それこそが改革の重要な一歩なのかなということです。

この改革を成し遂げるためにも、今年度は、新たに、「デザインシンキング」に関する研修を実施する予定にしています。我々も、デザインシンキングが何たるかやその本当の効果など、十分に理解しきれていませんので、県のCIO補佐官から意見をいただくなどして、たくさんの方にとって有益なものとなるよう、しっかりと設計していきたいと思います。楽しみに待っていてください。最後になりましたが、今年度もよろしくお願いします。