【SIMフリースマホと香港~シンガポール縦断バスの旅1】寝台バスで深夜の中国を爆走!!
旅バカライター中山が、2013年秋に香港からシンガポールまでバスを使って陸路で移動した旅行記です。現地SIMの通信プランや各種価格は当時のもの。週刊アスキーPLUSで連載した記事の再掲ですが、3年近く経過しているので、デジタル&SIMフリースマホ事情をふくめいろいろと情勢はかなり変わってきていますので、【3年たって……】を文末に追記しています。
旅バカライター中山です。旅バカに明け暮れていたら、連載の仕事がひとつ終了してしまい、ちょっとヒマになってしまいました。ということは……旅に出られるよね! と、性懲りもなく日本を飛び出しちゃうのが私です。
とはいえ仕事がなくなったわけですから、フトコロは寂しい……ならばなるべくお金をかけないで行こうと思いついたのが、香港から中国→ベトナム→カンボジア→タイ→マレーシア→シンガポールの陸路をすべてバスで行くという旅。
地図だとこんな感じ
↑ザックリと書くと、このようなルート。いったい総ルートは何kmになるのだろう? ベトナムは数年ぶりに行くので楽しみです。
東南アジアはバス路線が充実していて、国内ルートはもちろん、国境を越えるバス路線もあるため、調べた限りではバスだけでも問題なく移動できそうです。ただ、正直いうと、移動手段としてのバスはあまり得意でないんですよ。しかも東南アジアのバスというと、狭くてギューギュー詰めのイメージがあり、ちょっと及び腰ではあるのですが、最近のバスには一等席やVIPクラスなど、かなり高級感のある座席もあるとのこと。旅行ついでにバス旅嫌いが克服できるといいなぁ、というのが今回の狙いです。
【11月14日~16日:香港・中国】
■格安航空LCCで香港へ
そうと決まれば、早速香港までの航空券の手配。お金をかけないで旅をするというのも今回の旅の狙いなので、飛行機はLCC(格安航空会社)を使います。ちょうど11月から香港エクスプレスというLCCが、羽田~香港便を就航しており、15kgの荷物料金も含めて、なんと片道131.2ドル(約1万3100円)で購入できちゃいました。
ちなみに、帰りもLCCを使って帰ってくる予定ですが、シンガポールまでどれくらい移動日数がかかるか分からないので、帰りの航空券は買っていません。
LCC定番のA320
↑羽田空港で待機する香港エクスプレスの機材。LCC定番の、A320(エアバス製)です。
気になる香港エクスプレスの機内ですが、思ったほど悪くはありませんでした。LCCと一般的なフルサービスキャリア(レガシーキャリア)との大きな違いは、
●機内でのドリンクや食事は有料
●パーソナルモニターなし
●毛布やマクラが有料の場合もある
といったところ。
気になる座席ですが、最近はフルサービスキャリアでも短距離用の機体はシートピッチが狭くなっている傾向にあるんですが、香港エクスプレスはほかのLCCとくらべて、シートピッチがほんの少し広め。おかげでシートが狭いという印象はありませんでした。また、飲み物の持ち込みがオーケーで、搭乗前にペットボトルのお茶を買って、機内で飲めたのもよかったです。
座席にパーソナルモニターはなく、羽田を深夜の1時30分出発ということもあり、安定飛行に入ると機内は真っ暗。飛行機は寝て過ごすという人には逆にピッタリかもしれませんね。
実際に私も安定飛行に入るとウトウトし始め、機内サービスをしていることにほとんど気が付きませんでした。ちなみに機内で食事や飲み物を購入する場合には、クレジットカードか日本円はお札のみしか使えません。
機内は左右3席
↑通路を挟んで左右3席ずつの配列。全席エコノミーで、最前列など足下の広い席は追加料金2000円を払えば指定可能。
シートピッチは広め
↑シートピットは約30インチ(約76センチ)。身長176センチの筆者でも十分余裕がある。
機内食は有料
↑シートポケットの機内食メニュー。60香港ドル(約770円)の点心セットが美味しそう。裏面はドリンクメニューでソフトドリンクが20香港ドル(約260円)でした。
5時間のフライトののち、香港国際空港に到着。現地時間5時半と早朝なので入国審査も人がまばら。機内に預けた荷物もピックアップして、スムーズに香港へ入国です。
早速現地での通信回線確保のため、空港内のキャリアショップに向かいます……が、朝早すぎて開いていません。香港在住の山根博士によれば、7時からオープンとのこと。(ちなみに香港は宿代が高いので山根博士の自宅に居候させてもらいました。ありがとうございます!)
「早すぎたんだ……閉ってやがる」
↑早朝7時にオープン。街中でもカンタンに買えるので、時間がもったいない人はさっさと街中に移動したほうがいいかも。
香港国際空港内は無料のWiFiサービスが使えるので、1時間ちょっとの待ち時間なら苦になりません。ベンチでPCを開いて、メールをチェックしたりウェブを見たりして時間をつぶし、キャリアショップのオープンと同時に飛び込んで無事にSIMをゲットしました。
3(スリー)のSIMを購入
↑Hutchisonのブランド“3(スリー)”のSIMを購入。価格は198香港ドル(約2550円)で、198香港ドルぶんのチャージが加算されています。
今回の旅に持参したSIMフリースマホは、『iPhone5s』と『Xperia Z1海外版』、『Xperia Z Ultra』の3台。すべて欧州で入手したモデルです。Hutchisonでは、店員にiPhone5sを渡すと日本語表示にも関わらず、APNなどをテキパキと設定してくれます。さすがはSIMフリーケータイ天国の香港。自分で設定する場合は、APNなどの項目は下記の通り。
APN:imobile.three.com.hk
ユーザーID:空白
パスワード:空白
データ通信量は1日最大28香港ドル(約360円)。使用したぶんだけチャージからマイナスされていきますので、通話などに使用しなければ7日間くらいは使える計算です。また3(スリー)のSIMは、海外定額ローミングのサービスが1日168香港ドル(約2160円)で利用でき、日本キャリアのローミング代2980円/日よりも安い。陸路で国境を越え、次の国のSIMを入手するまでの“つなぎ用のSIM”としても利用する予定なので、ショップでさらに300香港ドル(約3860円)をチャージ。最終的にボーナスで100香港ドルぶんがプラスされ、合計598香港ドルぶんが利用できるようになりました。
■LTE対応SIMとバスのチケット購入
通信回線も確保したところで、山根博士の自宅へ荷物を置き、街中へ長距離バスチケットを購入しにいきます。その前にSIMを販売している屋台が集まっているサンスイポー(深水?)で、さらに2種類のSIMを購入します。サンスイポーについて詳しくは山根博士のレポート(関連記事)を参照ください。
屋台でSIMを追加購入
↑露店でカンタンにSIMが購入できるのが香港の素晴らしいところ。
買ったSIMのひとつは、香港内で使用するための、LTE対応SIM。今回持参したSIMフリースマホは3台ともLTE対応なので、ちょっと試したかったわけです。
LTE対応のプリペイドSIM
↑中国移動香港のLTE対応プリペイドSIMを50香港ドル(約640円)で購入。価格は店によって上下しますが、だいたい55香港ドル前後でした。
このSIMには、80香港ドルが最初からチャージされていて、通信は28香港ドル/日で定額利用が可能。チャージなしで2日間は使える計算です。香港滞在は1泊だけなのでこれで十分。APNなどの設定は下記の通り。
APN:peoples.net またはcmhk
ユーザーID:空白
パスワード:空白
期待していたLTE通信ですが……うーんエリアが狭い(笑)。山根博士も「エリアは香港最弱ですからね」と言っていましたが、本当にその通り。街中でも3Gで通信していることが多いです。香港滞在も1泊だけですし、これは買わなくても良かったかも……。
速度はさすがのLTE
↑ギリギリLTE電波をキャッチした状態で計測。下り11.74Mbps、上り8.12MbpsとLTEらしい速度をマーク。
もうひとつのSIMは中国での通信用。滞在せずにバスで通過するだけの予定なので、中国でSIMを購入している時間がないのと、中国ではFacebookやTwitterなどSNSが規制されていて、海外SIMでないと接続できません。そこで中国内で安くローミングできるSIMを選んで購入します。
中国キャリアの香港SIM
↑中国のキャリアChina Unicom(中国聯通)が、香港で提供しているSIM。これなら中国内でSNSができる。
SIM自体は66香港ドル(約850円)。さらに100香港ドル(約1290円)をチャージしておきました。通信料は1日300MBあたり38香港ドル(490円)です。APNなどの設定は下記の通り。
APN:3gwap
ユーザーID:空白
パスワード:空白
これでひとまずSIMの準備が完了。続いてバスチケットの購入です。モンコック(旺角)にある、中国旅行社という会社がバスチケットの取り扱いをしているため、そちらに向かいます。
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