見出し画像

DC版悪のアベンジャーズ!?スーサイド・スクワッド感想

AmazonPrimeでスーサイド・スクワッドが無料配信されたので、早速見てみた。

感想を書いていくが、

・具体的に内容を書いてはいないと思うが、一応ネタバレ注意

・DCとMARVELを比較することがあり、ファンだと読んでて気分を害するかもしれない

・あくまで個人的な感想

以上に注意していただきたい。傍線のあといきなり始まっている。


ーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー


時間に対してボリュームおかしくない?

今作はDCコミックスを代表するヴィラン(悪役)たちがチームを組んで敵と戦う様を描いている。ジャスティスリーグの悪役版という感じであり、わからない人向けに簡単に言うとメンバー全員悪役のアベンジャーズである。こんなわくわくする題材もないだろう。みんな大好きなキャラ同士が、目的を同じくして一つの画面の中で動いてしゃべるのだ。このオールスター結成が面白くないワケがない。

しかし、問題はそこにある。通常、オールスターを成立させるには、個々のキャラクターが十分に知られている必要がある。コナンVSルパンなどはその典型だろう。アベンジャーズでも、まず個々のキャラで一本の映画を作り、キャラを認知させたうえでまとめ上げて一本の映画にした。

一方で、このスーサイド・スクワッドという映画は、キャラ紹介~チーム結成~戦いまでの全工程を二時間の映画に詰め込んでいる。必然的にキャラの特技や、性格・背負っている過去などの紹介は短い時間で行われる。
また、キャラクターの扱いに結構差がある。これはオールスターという特性上仕方がないことかもしれない。しかし、これが上述の通り、一本の映画の中にギュッと詰め込まれた場合、問題が生じる。

キャラが弱くない?

これがその問題だが、はっきり言ってデッドショットとハーレイクインとディアボロ以外あまり印象に残っていない。上記の三人はキャラは過去も描かれ、特にディアボロはその過去がストーリー上大きく意味を持つのだが、正直言うともっと時間を割いてほしかったと思う。見ていただければわかるが、彼は結構な過去を背負っている。「そんないいバックボーン持ってるのに二時間ちょっとの映画でちょろっと使われるだけ?一本映画作れただろ」と思ってしまう。

また、人間の能力の範疇に収まる連中が多いので、アクションが白兵戦メインとなる。CGも使われてはいるが、もっぱら人工物の破壊の描写が多く、スーツの装着から攻撃までふんだんにCGを用いるMARVELを見慣れていると、物足りなく感じてしまう。キャプテンブーメランとかほぼ刃物を振り回す一般人だし…

悪である意味なくない?

こういうチーム物は、「半強制的に集められたバラバラなメンバーが、とある理由をきっかけに団結して立ち向かう」という黄金の展開で進むと少年たちは喜ぶ。とある理由とは、大抵は「悲しい出来事」で、例えば「国家の危機」だとか「共通の友人の死」だとかだ。本作はどうかというと、きちんとこの展開を踏襲している。意外なほど忠実だ。しかし、忠実過ぎたのだ。
さっきから散々言っているが、スーサイドスクワッドのメンバーは全員ヴィラン(悪役)なのである。
銀行を襲って、人を傷つけて、バットマンに負けて捕まって、減刑を条件に無理矢理チームを結成させられた連中だ。私はこう思わずにはいられなかった。
「そんなヤツらが悲しい出来事くらいで団結するのか…?」
もっと言えば
「ヴィランがそんなに素直に団結するなよ…」


チーム結束の動機など、逆に薄っぺらいほうが良かった。(と個人的に思う)メンバーで分けて余りあるめちゃくちゃな大金が手に入るとか。
そして、薄っぺらな利害の一致と能力の高さから来る付け焼刃ながら抜群のコンビネーションと、油断のならない寝首のかきあいが見たかったのは私だけだろうか。とにかく、せっかく悪役なのに、普通に団結してしまったのがすごく残念だった。常に王道ならいいというわけではない。勉強になった。

でも、結構おもしろくない?

ただ、ここまで読んで、つまらないのだなと切り捨ててほしくはない。ここまでさんざん文句言ってきたが、私はこの映画を普通に楽しんでいる。いいところもあるんだぞ?プリンちゃん。

キャラ良くない?

さっきと言ってることが違うようだが、急にスポンサーがついて手のひらを返したわけではない。「キャラが弱い」の項でも言ったことだが、キャラクターのバックボーンそのものにはかなりの魅力を感じるのだ。ディアボロの過去もそうだし、ハーレイクインとジョーカーの過去なんかも絶対に面白い。デッドショットが捕まるまでを描けば普通に1本映画できるんじゃね?あれ?さっきも言ってなかったっけかこれ?とにかく、原作コミックスを先に予習しておけばよかったとかなり後悔した。

また、キャストの演技もいい。ハーレイは文句なしに可愛くてエッチだし、ウィル・スミスは渋いパパだし、いろいろ言われているジャレット・レトのジョーカーもちゃんと狂気してて私は大好きだ。

結局のところ

結論を言うと、この映画はそこそこ面白いのだ。ただ、本来持つべき面白さの中核になるポイントを既存のファンに頼りすぎた。結果、「面白い」というより、「面白そうなのにな」と観ながら思う映画になってしまった。

逆に言えば、作中に描かれる部分から自分でキャラを補完できる方なら、存分に楽しめるだろう。素材が良い分、ストーリーとキャラの掘り下げはもっと丁寧に扱ってほしかった。

これは決して悪い映画ではない。ただ、綿密な描写で積み重ねていくべき部分を見る人の予習に頼りすぎただけなのだ。

ここまで読んで興味を持った方はぜひ見てほしい。


そして

こっちもよろしく。

おわり

金額に応じて私の生活の質が上がります