【事業所DX】スタッフの配置
note発信からの気づき
noteを始めて1年半。これまで、ワーカーの働き方について数多くの記事を出してきました。
そこで気づいたのは、デジKAMAワーカーの働き方について綴った記事よりも、社会資源や各種制度についてスタッフが解説した記事のほうが「スキ」がつきやすいことでした。鎌倉市外からアクセスしている人が読むとしたら、ワーカー寄りかスタッフ寄りかを問わず、より日々の実践の参考にできることのほうがよいですよね。
そこで、これから何回かにわたって私たちスタッフの仕事環境を紹介していこうと思います。ITの現場にいる人が見たら吹けば飛ぶような仕組みもあるかもしれませんが、それでよいのです。私たちの願いは、この環境があればさまざまな状況に置かれたスタッフもワーカーも効率的に働けると実感してもらい、全国に賛同者が増えることです。官民連携事業発、【事業所DX】です。
第1回のこの記事では、事業所DXの大前提となるスタッフの配置について考察します。
スタッフの定義
BPO事業仕様書において、スタッフは「就労支援担当者」として定義されています。
「就労支援担当者」から、どのような印象を持たれたでしょうか。たとえばこのサイトでは「求職活動の支援や職場開拓等を行う就労支援員」と記載されているのですが、デジKAMAスタッフの役割ではありません。当BPO事業の大元である鎌倉市二千人雇用事業の名を背負った別の機関「鎌倉市障害者二千人雇用センター」が就職活動の支援や職場開拓を行っています。労働習慣作り、健康管理、金銭管理、日常生活に関する相談も受けているので、生活支援員の役割も担っていそうです。また、障がいに限らない課題がある人は、社協が運営している鎌倉市就労準備支援事業「スリー・プラス」もあります。これらの関係機関についてはまた別の機会に紹介します。
では、デジKAMAのスタッフは何をしているのか。先のサイトの説明を借りると、私たちは「技術指導や職業訓練を行う職業指導員」、「作業を通じて必要な指導を行う作業指導員」に近いみたいです。以下のように、仕様書に基づいた分掌をしています。
それなら「指導員」と名乗っても良さそうなところですが、以前にも書いたように、対等な立場で共に働く仲間に接しようと思ったら、「支援」「指導」だと何だか違和感がありました。だから、「支援員」「指導員」より「センターにいるスタッフ」だったし、「利用者」でなく「ワーカー」。スタッフは、就労経験が浅かったり、障がいや病気の後遺症があったりする人の仕事の進め方に「工夫」をする毎日です。使う言葉は、私たちの価値観の表れです。
スキルや人物像
スタッフは事業を受託運営している企業の従業員です。ワーカー人数の増加に伴って新規採用をする際は、前述の職務を担えるよう、以下のような求人を出しました(2024年8月現在は募集を締め切っています)。
スキル
社会福祉士 または 精神保健福祉士の資格取得を目指している(既に持っていれば大歓迎)
教本のないITツールを自ら実践しながら習得し、ワーカーに展開できる
業務に関するタイムリーな情報共有および引き継ぎができる
人物像
コンプライアンス意識および不整合への気づきと報告ができる
会社のミッションのみならず、就労困難者と真摯に向き合いその挑戦を支援できる
ポジティブ・ネガティブに関わらず事実(ファクト)をしっかりと整理し、事象に対して高解像度で仕事に向き合える
自信のないこともトライをして、高速でPDCAを回しながら成長を志していける
各拠点、各部門、各ステークホルダーの仕事のつながりを理解し、他者を尊重しながら貢献することを大切にできる
従来の障害福祉サービスと異なるがゆえに、既にある様式やツールをそのまま適用できないという大変さは確かにあります。しかし、敷かれたレールがない分、従来では考えられない最短距離で行けたり、そもそもレールを敷設するどころか飛べたりもする、と前向きに捉えることができるのはこれらのスキルであり人物像に合う人たちです。
こうして集まったスタッフたちは、属性こそバラバラですが、以下の共通点があります。新しく加わったスタッフも染まっていきます。
ないものはオリジナルで作るし、一度作ったものでも効果がなかったら思い切って捨てる
やらかしたときは自分でも気づけるし、他のスタッフから指摘されたときも謙虚に受け止められる
いいことも悪いこともすぐ言うし、言いっぱなしにしない
私たちが実践するデジタル就労支援について、2回目以降の記事ではすでに打ち出している4本柱よりもさらに掘り下げていこうと思います。ご期待ください!