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Medit Designで作成する3Dプリントデンチャー

こんにちは、 3D歯科 です。

今回は、アップデートによる進化の著しいMedit Designを利用して
デジタルでの総義歯製作を行います。

よろしくお願いします。



義歯製作を行う方法

CADで義歯製作するための方法は2つ。

印象面から義歯床自体をデザインし、人工歯を結合させる方法

咬座印象時の形態をそのまま義歯床とし、人工歯を結合させる方法

です。

多くの義歯専用CADソフトやモジュールは前者の方法で、
アナログ技工と同様にマージンラインを模型上に引いて製作します。

3D歯科 は後者の方法を用いることが多く、
特に旧義歯がある場合などでは、慣れた義歯の咬合のみ変更できるなど
臨床現場での応用が効きやすく、直感的と思っています。

今回は、後者の
咬座印象時の形態をそのまま義歯床とし、人工歯を結合させる方法
を紹介させていただきます。


必要なもの、データについて

この方法では、咬座印象での印象面から研磨面に当たる形態をそのまま
最終義歯に反映させます。

そのため、質の高いコピーデンチャーか、咬合床での咬座印象が必要です。
デジタルで行う、と言いましたが、咬合採得は現在のところ非常にアナログです。

咬座印象に必要なものは以下のどれかです。

  • アナログ印象等で製作した咬合床

  • 良い旧義歯があればコピーデンチャー

  • 悪い旧義歯なら人工歯部をカットしロー堤に置き換えたコピーデンチャー

咬座印象で用いる印象材はソフトライナーかシリコン印象材(両方使用することも)です。

コピーデンチャーの製作方法、咬座印象は↑こちらをぜひチェックしてみてください。

咬座印象により、粘膜面形態、研磨面形態、咬合平面と上顎前歯の位置、が得られました。

得られた咬合床(コピーデンチャー)をスキャンします。

これにより、「人工歯部分以外は最終義歯の形態」のデータが得られました。

人工歯部分を取り替える

咬合平面が得られたら、それに合わせて人工歯を入れ替えます。

使用する人工歯のデータの取得方法については

↑こちらをぜひチェックしてください。

行う操作については、

  • 咬座印象の人工歯配列部分をくり抜く

  • 咬合平面に合わせて人工歯を配列する

  • 義歯床部分と人工歯をくっつける

  • (2ピースデンチャーなら)人工歯データで義歯床をブーリアンカット

という流れになります。
2ピースデンチャーとは、3Dプリントする際に
人工歯と義歯床のレジンを別々にプリントして後で接着する方法です。

逆に、1ピースデンチャー(TEK用途や、低コストで作成する最終義歯)の場合は
咬座印象に人工歯をくっつけたら、それでもう完成となります。

Medit Designでの操作について

さて、準備するものが揃ったら、CADでの技工操作です。

新規ケースを作成し、スキャンした咬合床データをインポートします。
(以下、咬座印象をスキャンしたものを咬合床データと呼びます)


使用する人工歯データは別のケースとして保存しておくと便利です。
例えば「CadData」というケースを作成しておき、
よく使用する人工歯データと、咬合平面を示すためのプレートのデータを
このケースの中にインポートします。

咬合平面のプレートデータを作成したので、もしよかったら使用してください。

厚みは0.2mmです。ダウンロードしたら「CadData」ケースに保存しておきます


ここからが本格的なCAD操作になります。
なるべく簡素化していますので、ぜひ頑張ってみましょう!

(今回は旧義歯のコピーがあり、咬合接触位置は旧義歯に合わせて平面を決定した、と仮定します。
咬合平面をロー堤で決定した場合、プレートデータは咬合平面に合わせてください。)

1、プレートをインポート

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無料公開はこちらまでとなります。
Meshmixerで必要な操作は 3D歯科 のブログに文章で多くを記載しています。
操作に不安のある先生や、Medit Designでの操作も確認したい先生は
上のような解説画像付きの有料noteを公開しておりますので、
購読いただけると嬉しいです。

今回の内容はデジタルCAD技工についてです。
チェアサイドでの咬座印象については、
先述の3Dコピーデンチャーについての記事を見ていただければ幸いです。


<2022年12月31日、まで無料公開中です!>
2023年3月末まで3,000円にて公開いたします。
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