パーチェスファネルは,そんなに役立たずなのか?
言いたいことはよくわかるのだが,まず昔の考え方を否定してから,自分の言いたいことを言うという流れはなんとかならんものかなといつも思う。
ファネルをベースにした施策の基本的な考え方
ファネルって最近は色々と否定されることが多いけど,そこまで否定すべきものではないと私は思っている。
と言うのも,ファネルを自然に流れていくステップと考えるのではなく,単に顧客のステイタスと顧客数を切り取ったものととらえれば,
・顧客の置かれている環境や立場に沿って適切な施策を検討実施し
・その施策目的に合わせたKPIで振り返る(顧客数の増減など)
と言う至極真っ当な戦術が生まれてくる。
それは否定されるものでもなんでもなく,このインタビューの中でも「営業プロセスを複数のフェーズに分け、それぞれのフェーズにどのぐらい案件があるかを可視化し、次の一手を決めるためのパイプラインマネジメントをしている」と語られているように,先のファネルの各ステップでの施策とKPIを確認しながらの次の手の検討,と言うことに他ならない。
これは,ファネル活用のそのままの形である。
フライホイールもファネルに合わせて変化させる必要がある
なので,このフライホイールもファネルを否定するのではなく,ファネルのステップに合わせて,ホイールが順次(これだと上から下へ)動いていくように捉える必要があるんじゃないかなと。当然,認知率が低い人に対して回すフライホイールと何度も購入している人に対して回すフライホイールは内容を変えていく必要があるというのは,マーケティングというかセールスでも顧客対応としては基本である。
顧客は新しい顧客を連れてくるのか?
あと気になるのが,
「顧客が新しい顧客を連れてきてくれることで、新しいプロセスが始まるためである」
と語られてるのだが「顧客が新しい顧客を連れてきてくれる」って,ほんとか?と。
多分顧客にも2種類あって,「自分が気に入ったものを人に言いたい人」と「自分が気に入ったものは自分だけのものにしておきたい人」があると思うんだよね。
要は「自分の推しをアピールする人」と「自分の推しは絶対に言わない人」。
世の中の人が全員前者だと,顧客が新しい顧客を連れてくることが成立するけど,後者だとそれは成立しない。
「自分の推しをアピールしない人」はSNSでも可視化されない
顧客が新しい顧客を連れてきてくれる」ように見えるのは,実は自分の推しをアピールする人がSNSで可視化されているので,その様に思えるのではないだろうか。「自分の推しをアピールしない人」はSNSでも可視化されないので,実はどのくらいのパワー(あるいはロス)になっているのかはわからない。
その企業のファン度とか,好き度とか,気に入っている度とかは,その濃度が濃くなるにつれて実際の顧客の数は減っていくし,濃度が濃いからって他の顧客を連れてくるとも限らない。
ファネルは,それの全てを否定してはいけない
なので,一つのフライホイールを考えてそれを回していくと言うやり方は,実は自社の組織的役割の都合でしかなくて,かえってその顧客を中心にしていることにならなくなってしまう可能性があり,注意が必要といえるだろうねぇ。
なので,顧客の状態に合わせて回すフライホイールを変化させていく必要があるので,やっぱりファネルは否定しちゃいけないんじゃないかなと思った次第。
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