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「ディグディガ」元ネタ紹介:第21話

これは、漫画「ディグインザディガー」第21話公開に際して、原作の栄免建設と漫画の駒澤零(と、たまにゲスト)が淡々と元ネタ紹介をしていくコーナーです。

ゲスト:ムルアイ

原作担当:栄免建設

◆ELLA WAREHOUSE

下北沢のレコード店。幡ヶ谷のELLA RECORDSなどを運営する株式会社CARASCOが、2022年11月5日にオープンした。

「レコードで遊ぶ」をコンセプトにした、12インチシングル専門店。漫画でも紹介したが価格は110円、550円、1100円の3種類で統一されている。

ジャンルとしてはHiphop、House、Technoの棚が多いが、Drum&Bassやreggaeなども取り扱っており、クラブ好きやDJにはかなり嬉しい店舗だ。試聴機が多いこともあり、利用しやすいのもありがたい。

現在は金〜日曜日のみの営業だが頻繁に追加がされているみたいで、僕自身、アカペラ収集のためにHiphopの12インチシングルを集めているので、下北沢に訪れた際はまた足を運ぶことになると思う。

公式サイト / Twitter / Instagram

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◆Frankie Knuckles - Beyond the Mix


ハウスミュージックのレジェンド、Frankie Knuckles の1stアルバム。

DJやクラブ音楽が好きな人ならおそらく「House」というジャンルをご存知の方は多いだろう。BPM120〜130の4つ打ちを基本とした音楽で、クラブのみならずポップスでも取り入れられ、現代でハウスミュージックを聞いたことがない人はいないと思う。

「House」という名称は"WAREHOUSE"というシカゴのナイトクラブが起源とされている。その"WAREHOUSE"でプレイしていたDJがFrankie Knucklesだ。独特なミックスで高い人気を誇り、プレイされた楽曲をレコード店が「(WARE)HOUSE MUSIC」して販売したのがきっかけとされている。

DJとしてはもちろん、グラミー賞の年間リミキサー賞(クラシック以外)が新設された際は、彼が手がけたToni Braxton - Un Break My Heart [Franktidrama Club Mix]が受賞。その後もハウスミュージックのレジェンドとして活動し続けが2014年、59歳で他界した。

本作はそんな彼の1stアルバムだ。
収録楽曲「The Whistle Song」はフルートの音色が心地よい名曲。

他にも力強くも美しい女性ヴォーカルが心地よい「Rain Falls」や「Right Thing」などなど。91年リリースと30年前以上昔の作品だが、まったく古さを感じさせない名作だ。今回の取材がWAREHOUSEということで、ならFrankie Knucklesしかないと思い選びました。

◆L.A. Style - I'm Raving

Rave Musicを代表する楽曲「James Brown Is Dead」を生み出したユニットのシングル。こちらもどストレートなRave Musicの名曲!

L.A. Styleは1992年、Rave Musicの代表的な楽曲、「James Brown Is Dead」をリリース。

Rave Musiは何度も回帰をしていることもあり、「James Brown Is Dead」自体はもちろん、何回もサンプリングされているので聞いたことある方も多いのでは?

僕が出演する系統だと全方位型RAVEユニット、国士無双によるサンプリングが有名。

個人的にお気入りなのはこれ。まさかの東方アレンジ。

さて、今回はL.A. Styleが1992年にリリースした別の楽曲だが、どうしてもL.A. Styleといえば「James Brown Is Dead」となってしまいがちな中、こちらも負けて踊らずどストレートなRave Musicのグッドチューンなのだ。オルガンのリフを聞いただけでもぶち上がってしまう。

メンバーのWessel Van Diepenは、のちにユーロダンスユニットVengaboysのプロデュースでも大成功を収めている。

この楽曲、なんと最近OWSLAなどからリリースしているアーティスト・Wukiが「We Like To Wuki」として見事なサンプリングを披露。
現シーンでもなかなかのアンセムとなりそうなので、是非ここらへんのルーツもチェックしてみてほしい。

◆Terror Squad - Lean Back

Terror Squadはニューヨークはブロンクスを拠点とするアーティスト集団、レーベル。

メンバーとしては90年代にD.I.T.C.(Diggin' in the Crates Crew)の元メンバー、多数のヒットをリリースしているFat Joeや2000年に亡くなったBig Punなど。

2004年にリリースされた本作はビルボードシングルで1位を種録、Terror Squadを代表する1曲だろう。

そしてプロデューサー、Scott Storchの代表作とも言えるだろう。

Scott StorchはThe Rootsのキーボードプレイヤーとして活動を開始。その後プロデューサーとしてDr. Dreの名作、2001年に参加。Hiphop史に残り現在でもmeme的にも有名な楽曲「StillD.R.E」
の印象的なピアノリフも彼によるものとされている。

その後50 Cent - 「Candy Shop」

Beyoncé - 「Me, Myself and I」

などなど多くのヒットソングをプロデュース。
まさに2000年代を代表とするプロデューサーだ。

2000年代のHiphopを聞いてきる人なら皆聞いたことある楽曲であり、最近hiphopを聴き始めた人も、是非押さえていたい楽曲だと言えるだろう。

◆Carlito + Addiction / High Contrast – The Ride / What's The Story

https://open.spotify.com/track/6c2KY0PRlJtmJAzzSjNNYo?si=a9c33e43bb544035


Drum & Bassの名門、Hospital Recordsの人気アーティストの楽曲を収録したシングル。

Hospital Recordsはイギリスを拠点とするDrum & Bassでは最も知名度の高いレーベル。主催のLondon Elektricityは生楽器とDrum & Bassの融合した楽曲で非常に人気が高い。

日本ではElsa Esmeraldaを客演に招いた「Meteorites」をAmweがヴォーカルにした日本語バージョン、「ロンドンは夜8時」がクラブアンセムとなり、ドラムンベースに詳しくない人でもクラブに行く人は聞いたことあるかもしれない。


こちらは現在でも人気が高く昨年の2021年がリリース10周年として日本を代表するアーティスト達によるリミックスアルバムがリリースされた

他にも日本人アーティストのMakotoなど様々なアーティストが所属しており、Drum & Bassを聞くならまずオススメしたいレーベルだ。

本作はHospital Recordsの中でも特に人気のアーティスト、High Contrastの楽曲とCarlito + Addictionの楽曲を収録。

High Contrastは2000年代に活動を開始、すぐにHospital Recordsを代表するアーティストとなり、
2008年にはAdeleのHometown Gloryをリミックスするなど多くの人気楽曲をリリース。

本作の楽曲What's The Storyではミニマルな展開からラスト1分でストリングスアレンジが入ってくるところが非常に上がる。

もう1曲はCarlito & Addiction「The Ride」で、
力強いヴォーカルとコンスタントに展開していく楽曲になっており、ブレイクビーツの感じなどJungleもちょっと感じられてお気に入りだ。

今回実はこれを選盤したのは僕ではなく駒澤零で、ほぼジャケ買いだったようなのだが、Hospital RecordsはHと書かれたロゴが特徴的。ドラムンベース好きならそれだけで伝わると思い、描いてもらいました。

ゲスト:ムルアイ

◆Mijk's Magic Marblebox - Tokyo Trax (Remixes)

完全にジャケットと文字買い。

なんとなく2000年前後の雰囲気があって、当時の『硬いキックのあるドラッギーな電子音楽』みたいなのを期待して購入。予想以上に当時の香りのある濃い音が詰まってて良かった。

◆Bloc Party - Tulips

ブロックパーティを初めて聴いた時は、ロックというよりクラブミュージック寄りで当時の自分には斬新かつ無駄な情感がなくてソリッドで冷たくてかっこいいと思ってました。

今このバンドサウンドをレコードで聴いてみたら新しい発見があるかも。

ディグの良さは知らない音楽の発見でもあったけど、自分の好きだったバンドを視点を変えて再確認できる良さもあると思った。

ムルアイさんがセレクトしたレコード達

ムルアイ (murai takafumi)

うみのて、FILMREELなどのバンドに参加。
2022年3月よりソロ名義「ムルアイ」としてトラック活動開始。
ビートメイカーLinn moriとトラックを共作するなど、クラブミュージック、文化へのリスペクトも高い。

WEB / twitter / Instagram

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漫画担当:駒澤零

村井さんとは結構なんだかんだマジで古い知り合いなのですが、もしかしてライブハウス以外で会うの初かも…!?と思いながら取材してました。知らないこと沢山あるね 連載当初からディグディガ愛読していただいてたようで凄くありがたいです 改めて本当にありがとうございました!

↓ わたしがトートバッグも愛用してるバンドFILMREELを聴いてくれ ↓

◆Andre Kronert - Salzwasserliebe


Andre Kronertは、ドイツのミニマルダブ・デュオ、NEUROTRONの片割れ。

シンプルだがドイツみを感じる(絶対クラフトワークのせい)青色のジャケを試聴機に持って行ったところ、案の定小気味よいバランスのミニマルTech Houseが聴こえてきて最高すぎたのでそのままレジに直行した。

そのミニマルサウンドは国内にも地味なファンがいるようで、意外と大手レコード店でも取り扱ってはいる。スペインのSankeys IbizaでのDJプレイ動画がYouTubeにあったので貼っておく。

◆Armin van Buuren & DJ Tiësto Present Alibi - Eternity (Remixes)


EDM、プログレッシブ・トランスを代表するオランダのDJ・Armin van Buurenのレーベル<Armind>のシングルEternityのremix LP。ジャケットと盤面には、レーベルのトレードマークである”Armind Angel” がプリントされている。(これが可愛くてジャケ聴き→購入)

Armin van Buurenといえばこの曲ですよね。

おれがすきなの↓

高校の頃はZeddとHardwellのサンクラばっかり聴いていたので…。

◆Pet shop Boys - Paninaro'95 THE REMIXES PART ONE

こんなジャケ…買うだろ…。

「Paninaro」は、イギリスのシンセ・ポップ・デュオ、Pet Shop Boysの楽曲。もともとは1986 年のシングル「Suburbia」のB 面だったが、同年イタリアで限定版シングルとしてリリース。

さらに1995年、「Paninaro '95」というタイトルの再録音がリリースされ、本LPはその再録音盤のリミックス集シリーズ第一弾である。

タイトルである ”Paninaro” は、1980 年代のイタリアで流行したカルチャー・シーンの名称で、主にデザイナーズウェアへの執着と、日常生活のあらゆる側面に関わる贅沢な消費に基づくライフスタイルが特徴とされる。ミラノの都心部を中心に発展し、やがてはイタリア全土へと広がっていった。

単語の由来はイタリア語でサンドイッチを意味する ”Panino” という言葉に由来し、サンドイッチを提供するレストランやアメリカン・スタイルのファーストフード店に集まるキッズが多かったことを意味している。いまの東京都心部とあまり変わりませんね…。なお、彼らはデザイナーズファッションの他にイタリア製ニューロマンティック(ニューウェイブのサブジャンル)、いわゆる1980年代のポップスを好んでいたとも言われている。

ボーカルのNeilの趣味が割とこの辺と近かったため、楽曲にコンセプトを採用したとのこと。ちなみに目を引くジャケットはテクスチャ的にMVの一部の引用か、もしくは同じ日に撮影したものと思われる。

◆駒澤の名言

栄免さんのプロットに採用されてました。レジで会計を見たら実質無料!!と言ったのを若干後悔する金額になったけど、耳で買ったレコードはどれも素晴らしかったので満足です。

いっぱい買いましたね

今回のプレイリストはこちら。

以上、ディグディガ21話の元ネタ紹介でした。ありがとうございました!


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