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コロナ禍の受験に寄り添って。(1)

 ドラマ「息をひそめて」について書いていると、昨年度高校3年生の担任で、受験の指導をしたことを色々と思い出したので綴っていきます。

 昨年度の春は全国の学校に休校措置がとられました。3月下旬から5月下旬が休校で、私の学校は6月より登校を開始し、徐々に授業が始まっていきました。しかしながら、私たちは4月中旬よりオンラインでの授業に取り組むことになり、その準備に取りかかりました。どんな方法で生徒たちに授業を届ければ効果的かICT担当教師が議論し、ZoomやMeetなどを使ったリアルタイム授業だと、各家庭の回線状況で授業が途切れたりするなど、十分なネット環境がこの時点では家庭が確保できていないことを想定し、リアルタイムでの授業ではなく、生徒たちが良く視聴しているYoutubeを利用することにしました。Youtubeは回線状況に応じて画質を選ぶことが出来るのが利点だと判断したのです。また、何度も繰り返し視聴することができます。Youtubeに学校のチャンネルをつくり、各学年1日に4コマの授業を投稿し、生徒たちはスマホ、タブレット、PCを通じて視聴します。動画の最後に簡単な課題を出し、生徒は休校以前から学校で使っていたアプリを通じて提出するのです。

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 教師は緊急事態宣言の中、週に2日ほど出勤し、授業動画を撮影し簡単に編集して、アップロード担当者に渡します。担当者は授業日にアップロードして、教師は課題の提出を確認します。この授業動画は本校生徒だけの限定公開ではなく、一般公開とし誰でも視聴できるようしました。授業が止まっている学校も多い中、他の学校の生徒たちも見てくれると有り難いとの思いもありました。

 こんな休校期間を過ごしながら、しばらくして生徒たちの朝礼を始めることにしました。GoogleのMeetを使うことになり、教師は使い方を互いに教え合い、毎日決まった時間に生徒たちの顔をみて簡単な朝礼をしました。

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 優秀なクラスは毎日朝礼にほとんどの生徒たちが顔を出してくれますが、予想通り私のクラスは毎回半数程度の出席です。長い休校期間に生活習慣が乱れ、朝遅くまで寝ていることが容易に推察されました。長い休校をどう過ごすかは、やはり個々の生徒の自覚や家庭の協力によります。高校3年生なので、勉強も気になっているはずで、一日ダラダラと過ごしているはずはないと思いました。しかし、学校に登校している時のように、毎日きちんと決まった時間に起床し、食事を摂り登校して、決まった時間に帰宅し宿題をする、といった習慣はどうしても乱れているのでしょう。

 やがて休校期間が明け、分散登校がはじまり、そして全員登校となりました。始まったら始まったで、コロナ予防という問題が、教師にも生徒にも大きくのしかかってきたのです。(続く)


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